柳沢敦、小笠原満男、中田浩二が胸に秘める思い「みんなで協力して未来のアントラーズ選手を育てる」【第1回】

鹿島アントラーズ
チーム・協会

【©KASHIMA ANTLERS】

“子どもたちの夢をともに実現する”という思い 柳沢敦

9月3日より、鹿島アントラーズはアカデミー専用グラウンドを新設するためのふるさと納税型クラウドファンディングプロジェクト「アントラーズの未来をみんなで」を開始した。今回のプロジェクトをなぜ実施することになったのか。アカデミーの未来のため、どのような願いが込められているのか。企画立ち上げからプロジェクトを進めてきた、柳沢敦ユース監督、小笠原満男テクニカルアドバイザー、中田浩二クラブリレーションズオフィサーの3人が、その思いを語る。

―――アカデミークラウドファンディングをスタートしました。アカデミー専用グラウンドを作ることを目的としたプロジェクトとなります。

柳沢 いろいろな方々の協力のおかげで建てられるグラウンドというのはすごく魅力的ですし、“みんなで協力して未来のアントラーズの選手を育てる”という意味でもクラブ全体で力を入れているプロジェクトになります。

小笠原 現状のアカデミーでは、ユースはクラブハウスを使わせてもらっているけれど、どのカテゴリーも決まった練習場所がないなか、自分たちのグラウンドを持って年中思い通りに使えるのはすごく大きいです。

中田 このプロジェクトをどう進めていくのがいいか。満男(小笠原TA)もヤナさん(柳沢ユース監督)も育成の現場指導がメインなので、企画をしっかりと整えて進めないとアカデミーが思っている形を作るのはなかなか難しい。フロントにいる自分が入ることで、その辺をうまくサポートできればと思っていました。

―――今回のプロジェクトでアカデミーグラウンドを作ることに対してどのような思いを持っていますか?

小笠原 僕らの思いの一つは、みんなでアカデミーの子どもたちを応援してほしいということ。そのためのグラウンドだし、そこから育った選手がいずれトップチームで活躍する姿を見てほしい。もちろん支援してくれた人たちに対して、何かしらの返礼をしなければいけないと思うし、皆さんの寄付は将来プロになる子どもたちにつながっていく。夢ではなく、みんなで未来のアントラーズの選手を育てていきたい、という思いです。

柳沢 “みんなの思い”が、形として集まってこそ成り立つものですが、選手育成の上でやはり環境は非常に重要です。練習場を転々するよりも、しっかり一つの場所で集中してできる環境は、選手を育てていく上で大きな影響があると思います。そういった環境を実現するためにも、みなさんの思いをお借りしたいという気持ちです。夢の宝くじを買うような感じではなくて、子どもたちの夢をともに実現するという思いで協力していただけたらうれしいなと思います。

中田 ただクラウドファンディングをやるのは、ちょっと違うのではないかと思っています。やはりその目的、そこに対していかに賛同してもらえるかが大事。クラブとしても、これからがアカデミーに力を入れていくとき。今、海外へ移籍する選手が多くなり、チームのサイクルが早くなっているなかで、自分たちでアカデミーからトップに上がる選手をより多く育成していくことを目指しています。そのためにヤナさんや満男たちが指導しているなか、さらに今後実現していくためには、スタッフや環境だけでなく、やはりみんなで未来のアントラーズ選手を育成していきたい。それこそがアントラーズらしいことだと思うので、ぜひみなさんにはご協力いただけたら嬉しいです。

ただクラファンをやるのではなく、何のためにやるかが大事 中田浩二

―――これまで3人は何度もミーティングを重ねて、本企画について話をしてきたそうですね。どのような話し合いだったのでしょうか?

中田 どういう形でやるのか、賛同してくれた方がいかに喜んでもらうか、返礼(リターン)についてはいろいろな話をしてきました。アイデアはたくさん出ましたね。メインとなるアントラーズOBとアカデミーの選手たちがスペシャルマッチをすることもそうだし、他にも賛同してくれた方と直接コミュニケーションを取る企画だったり。最初は北陸ツアーだっけ?(笑)

柳沢 あったね〜(笑)。俺が地元の富山を案内する富山ツアーと、満男が地元を案内する岩手・大船渡ツアーとかね。

中田 そういったアイデアを出し合いながら、実際にできることや喜んでもらえることを考えるなかで、決まっていったという感じですね。

小笠原 まずは賛同してくれる人がいてこそ、だからね。俺が一番思ったことが、まずアカデミーの子どもたちを応援してほしい、そして知ってほしいということ。「この子のプレー、おもしろいよね」という選手や自分なりに見つけてほしい。昨年はよく中村幸聖HOCがスタッフ対ユースの選手たちで試合をやっていて、それはいいということでやろうとなったけれど、ぜひ試合を見てもらって、応援したいなと思う選手やプロになりそうな選手を見つけてほしい。それに対して100%でぶつかっていくヤナさんのプレーも見てほしい(笑)。

柳沢 満男が一番、コソ練をやっているけどね(笑)。

小笠原 今日は90分、走っていましたよ(笑)。

―――現在のアカデミー活動において、新しいグラウンドができるメリットはどんなところでしょうか?

柳沢 今のユースでは天然芝のグラウンドが1面あるんですが、年間3回から4回ほど、芝の養生期間などで使えない時期があります。そういった使えない時期にジュニアユースが使っているグラウンドを借りたり、また市の持っている施設を借りたりという形で転々としながら練習するような形でした。それが、グラウンドができることによって、自分たちの時間で自分たちのタイミングで練習ができるようになる。また、雨が降って少し水が溜まってしまってサッカーができない状態のときもあるので、そういったときもより良い方向にいくのかなと思っています。天候によって左右されることなく、自分たちで立てた計画通りにトレーニングができるようになるので、その意味では非常にありがたいなと思います。

小笠原 ちょっと違った目線で言えば、つくばアカデミーセンターへ行ったらジュニアとジュニアユースが隣でやっていて、そのジュニアで頑張った子がジュニアユースに行ったり、お互いの練習を見て指導者同士がディスカッションしているのを見てすごくいいなと思ったんです。ブラジル遠征へ行ったときにサンパウロやフラメンゴで見たものもそうでした。U-10からU-18まであって、それがすべて隣同士のグラウンドで練習をやっていて、いろいろなスタッフが自分の育てた選手を見ていた。例えば今、ヤナさんが言ったように、ユースの練習をジュニアユースのコーチたちが見て、自分が育てた選手がどうなっているか、ヤナさんの練習はどうやっているかを日常から共有できる。トップ、ユース、ジュニアユース、ジュニアと逆算して、次のステージには何がどこまで必要かのイメージを持ちやすくなる。そうなると、アカデミー内で縦の連携が生まれてくるので、ブラジル遠征で各クラブの施設を見て、すごくいいなあと感じました。そういうことが実現できればいいと思うし、指導者同士の交流というか、お互いの練習を見ることってあまり多くはないので、なんかそういう交流が新しく生まれれば、さらにおもしろくなっていくんじゃないかなと思います。(つづく)

“みんなで未来のアントラーズの選手を育てましょう”という思い 小笠原満男

アカデミーフィールド建設イメージ クラブハウス近隣でアカデミー専用グラウンド1面の整備に着手している。完成は2021年12月末を予定 特長: ・FIFA、JFAの製品認証取得した最高品質の人工芝、JFA基準以上の耐久性、業界最高レベル ・熱中症対策に効果のある、温度上昇軽減機能 ・将来Jリーグで活躍する事を見据え、天然芝に近いしなやかさ ・透水性が高く、雨の後もすぐにコンディション回復が早い 【©KASHIMA ANTLERS】

<プロジェクト概要>

【©KASHIMA ANTLERS】

■企画名
クラウドファンディングプロジェクト「アントラーズの未来をみんなで」
■特設ページURL
クラブ特設サイト:https://www.antlers.co.jp/lp/crowdfunding_2021
申込サイト:https://readyfor.jp/projects/antlers_GCF2021
■実行者
鹿島アントラーズ×鹿嶋市
■目標金額
3億円 ※9月10日現在、12%達成中
■公開期間
2021年9月3日(金)〜10月31日(日)23:00
■形式
寄付型 / ALL-IN形式 
※目標金額の達成の有無に関わらず、集まった寄付金を受け取ることができる形式。
■詳細
READYFOR株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役CEO:米良はるか)が運営する日本初のクラウドファンディングサービス「READYFOR」を活用したふるさと納税型クラウドファンディングとなります。「READYFOR ふるさと納税」の仕組みを使い、プロジェクトへの寄付は税制優遇の対象となります。本プロジェクトは鹿嶋市ふるさと納税のため、ふるさと納税の制度上、鹿嶋市民の皆様が寄付をする際は提供できる御礼(リターン)に制限がございますので、あらかじめご了承ください。
■御礼(リターン)の一例
内容:アカデミー vs OBスペシャルマッチ観戦(3万円〜5万円コース)
詳細:アントラーズの伝統をつくりあげてきたOBたちが、将来、アントラーズの選手としてプレーすることを夢みるアカデミーの選手たちと対戦
開催日:2021年12月26日(日)予定
出場予定OB:本田泰人、名良橋晃、本山雅志、柳沢敦、小笠原満男、中田浩二ほか
※出場予定OBは随時発表予定

お申込方法 ※お申込は下記、関連リンクから!

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著者プロフィール

1991年10月、地元5自治体43企業の出資を経て、茨城県鹿島町(現鹿嶋市)に鹿島アントラーズFCが誕生。鹿角を意味する「アントラーズ」というクラブ名は、地域を代表する鹿島神宮の神鹿にちなみ、茨城県の“いばら”をイメージしている。本拠地は茨城県立カシマサッカースタジアム。2000年に国内主要タイトル3冠、2007~2009年にJ1リーグ史上初の3連覇、2018年にAFCアジアチャンピオンズリーグ初優勝を果たすなど、これまでにJリーグクラブ最多となる主要タイトル20冠を獲得している。

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