「10年後20年後、東北を代表するビッグイベントに」。楽天野球団・立花陽三社長が語る「東北ろっけんまつり」の開催
【楽天野球団・立花陽三社長(C)Rakuten Eagles】
立花社長は冒頭で、この「東北ろっけんまつり」を企画するにあたり、コロナ禍の影響で約2年もの間、夏休みに思うような時間を過ごすことができない子どもたちに、夏の最後の思い出としてワクワクするような体験を提供したいという考えを、背景として挙げた。
「東北を代表とするプロスポーツチームとして何ができるのか考えた時に、安全安心のスタジアム運営を徹底しながらも、楽天生命パーク宮城で、東北の各地に行ったかのような体験をし、東北が誇る“まつり”を満喫してほしかった」と話す。
東北の夏といえば、青森のねぷたまつりや秋田の竿燈まつり、そして仙台の七夕など、個性的で大規模なまつりが多いことで知られているが、コロナ禍で中止や規模縮小を余儀なくされたケースは多い。こうした6県のまつりを集め、スタジアム正面ステージで演目のお披露目や、GATE1前での展示を行う。さらには、東北の食や郷土体験もまつりの文化とともに発信することで、コロナ禍で疲弊している東北各地の生産者や飲食店、観光業界を少しでも応援していきたいという考えだ。
立花社長が「非日常空間を体験できる1日に」と力を込めて話す先には、まつりやグルメのほかにも、金魚すくいやヨーヨーすくいなど日本の伝統的なまつりの屋台やアトラクションのような、いつもの夏であればよく見られる光景だったものもある。この光景が非日常になってしまったことへの憂いもあるが、あの高揚感や特別感の追体験ができる機会は得難いものだろう。
「10年後20年後に、東北を代表するビッグイベントになっていてほしい」という立花社長の願いは、こうした伝統や文化の継承と、新しく構築していくものとの両輪でこそ達成されそうだ。プロ野球界では新興球団である楽天野球団ならではのバランス感覚が垣間見れるのではないだろうか。
感染予防対策は万全を期して実施
もちろん客側もそれを遵守することが来場における第一で唯一の条件となる。立花社長も「ルールを守らない観客に対しては、時には厳しい対応を取らせてもらう」と話す。
夏まつりが当たり前のようにあった夏が、もう遠い昔のことのように思える。スタジアムを通り抜ける風はすっかり秋の様相、東北の長い冬は目前だ。去る夏を惜しみ、来る決戦の秋を待ち構えるかのように、「東北ろっけんまつり」の準備は着々と進んでいる。
文・海老原 悠
東北ろっけんまつり開催概要
【(C)Rakuten Eagles】
日程:9月14 日(火)〜16日(木)オリックス・バファローズ戦
9月18日(土)〜20日(月・祝)福岡ソフトバンクホークス戦
チケットの発売状況、実施内容につきましては、球団ホームページをご覧ください。
https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00003971.html
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