ロッテ加藤 亡き後輩への想いを胸にプレー。移籍初スタメンで逝去し木下雄介さんの登場曲を使用
【ドラゴンズから移籍をしてきた加藤匠馬捕手】
ドラゴンズからトレードでマリーンズ入りした加藤匠馬捕手が移籍初スタメンとなった8月15日のバファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)で登場曲として選んだのは湘南乃風の「黄金魂」だった。8月3日に逝去したドラゴンズ時代の後輩 木下雄介さんが登場曲として使用していた曲だった。この曲と共に打席に向かった。
「マリーンズに移籍して最初のスタメンの日はこの曲と共に打席に入ろうと決めていました。彼は育成で入ってきてファームで頑張っている姿を見てきたし、怪我をしても前向きにリハビリをしていました」
登場曲を選んだ理由を聞くと加藤は遠くを見つめながら神妙に話をしてくれた。思い出は尽きない。捕手目線で見てきて一番印象的だったのは強気のストレート。とにかく速かった。
「どんどんストレートで押すタイプの投手。変化球を要求するとインコースのストレートのサインが出るまで首を振られたのが印象的で、それ以降はストレート中心の配球に変更をしました」と語る加藤。その左手には今でも木下さんの力強いストレートの感触が残っている。
最後に会ったのはドラゴンズからマリーンズへのトレードが決まって、ナゴヤ球場に挨拶に行った時。木下さんから「今まで、ありがとうございました」と声をかけられた。復帰に向けて順調に階段を登っている途中という事もあり元気そうに見えた。その後、ニュースで倒れたことを知った。8月6日に朝起きてスマホでニュースをチェックしていると今度は死去の報道を目にした。頭が真っ白になった。
「びっくりしました。信じられなかった。今年も春先はいい形でいい場面で投げていた。アイツなら復活できると信じていた。みんなに愛される人間でした」
加藤は最後に挨拶を交わしたナゴヤ球場での木下さんの元気そうな表情を何度も思い返した。どうしても信じられなかった。
8月13日、ペナントレースは後半戦が始まった。翌14日にはプロ野球全球場で全選手が喪章をつけて試合に臨んだ。加藤も悲しみを胸に喪章をつけベンチ入りした。そしてカード3戦目の15日、加藤は佐々木朗希投手とバッテリーを組む形で先発マスクを被る。移籍後初のスタメン出場だった。
「アイツのことを思ってプレーをしました。一緒に戦いたいと思ってあの登場曲にしました。ボクも木下の分まで頑張りたい」
この日、バッテリーを組んだ佐々木朗はMAX157キロのストレートの剛速球を披露した。平均球速は150キロを軽く超えるストレート自慢の若者だ。その姿はどこかストレートのサインが出るまで首を振り続けた木下さんの姿にダブって見えた。試合には残念ながら敗れたが佐々木朗の好投を引き出した加藤は強い存在感を見せた。加藤にとっても亡きチームメートに想いをはせながらプレーをした忘れられない大事なスタメンデビュー戦となった。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
「マリーンズに移籍して最初のスタメンの日はこの曲と共に打席に入ろうと決めていました。彼は育成で入ってきてファームで頑張っている姿を見てきたし、怪我をしても前向きにリハビリをしていました」
登場曲を選んだ理由を聞くと加藤は遠くを見つめながら神妙に話をしてくれた。思い出は尽きない。捕手目線で見てきて一番印象的だったのは強気のストレート。とにかく速かった。
「どんどんストレートで押すタイプの投手。変化球を要求するとインコースのストレートのサインが出るまで首を振られたのが印象的で、それ以降はストレート中心の配球に変更をしました」と語る加藤。その左手には今でも木下さんの力強いストレートの感触が残っている。
最後に会ったのはドラゴンズからマリーンズへのトレードが決まって、ナゴヤ球場に挨拶に行った時。木下さんから「今まで、ありがとうございました」と声をかけられた。復帰に向けて順調に階段を登っている途中という事もあり元気そうに見えた。その後、ニュースで倒れたことを知った。8月6日に朝起きてスマホでニュースをチェックしていると今度は死去の報道を目にした。頭が真っ白になった。
「びっくりしました。信じられなかった。今年も春先はいい形でいい場面で投げていた。アイツなら復活できると信じていた。みんなに愛される人間でした」
加藤は最後に挨拶を交わしたナゴヤ球場での木下さんの元気そうな表情を何度も思い返した。どうしても信じられなかった。
8月13日、ペナントレースは後半戦が始まった。翌14日にはプロ野球全球場で全選手が喪章をつけて試合に臨んだ。加藤も悲しみを胸に喪章をつけベンチ入りした。そしてカード3戦目の15日、加藤は佐々木朗希投手とバッテリーを組む形で先発マスクを被る。移籍後初のスタメン出場だった。
「アイツのことを思ってプレーをしました。一緒に戦いたいと思ってあの登場曲にしました。ボクも木下の分まで頑張りたい」
この日、バッテリーを組んだ佐々木朗はMAX157キロのストレートの剛速球を披露した。平均球速は150キロを軽く超えるストレート自慢の若者だ。その姿はどこかストレートのサインが出るまで首を振り続けた木下さんの姿にダブって見えた。試合には残念ながら敗れたが佐々木朗の好投を引き出した加藤は強い存在感を見せた。加藤にとっても亡きチームメートに想いをはせながらプレーをした忘れられない大事なスタメンデビュー戦となった。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原 紀章
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