【競泳】大橋悠依が日本女子初の2冠達成、池江璃花子もリレーで存在感

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【(C)Getty Images】

競泳女子では、個人メドレーで大橋悠依が日本競泳女子初の2冠を達成。白血病から復帰を果たした池江璃花子も、リレーメンバーの一員として、自由形とバタフライで存在感を発揮した。

■金メダル2個の大橋悠依、400mと200mで戦い方を変えた

大橋が個人メドレーで日本競泳女子史上初の2冠達成。金メダルまでのプロセスにおいて、大橋は400mと200mで戦い方を変えていた。

まずは400m個人メドレー。大橋は予選を3位で通過して決勝のレースを迎える。バタフライで3番手につけた大橋は、背泳ぎで先頭に立ち、平泳ぎで後続を大きく引き離した。自由形は平泳ぎまでの貯金で2位以下を振り切ってゴール。2000年シドニー五輪で田島寧子が獲得して以来の個人メドレーメダル獲得となった。

2冠目がかかった200m個人メドレー。大橋は平泳ぎで2番手につけて、残り50mで自由形へ入る。400mの時とは違って2番手からトップを目指す展開となったが、残り5mで逆転に成功し、200mとの2冠を達成した。

大橋は世界選手権においても、2017年に200m個人メドレーで獲得した銀メダルが最高。4月の代表選考会で400mは制したものの、200mは2位で東京五輪の切符を獲得していた。3年後のパリ五輪でも、2大会連続の2冠を目指してほしい。

■リレーメンバーとして存在感を見せた池江璃花子

Tokyo 2020(東京五輪)ではリレーメンバーの一員として戦うことになった池江。初戦の女子400mリレーではメンバー最速の53秒63としたが、チーム全体では3分36秒20の全体9位となり、予選を突破することができなかった。

29日には新種目の混合400mメドレーリレーに出場し、池江はアンカーの自由形を任される。予選2組で4番手争いに食い込むも、僅差で6着に終わり、こちらも予選落ちとなった。

30日には女子400mメドレーリレーに登場し、池江は今大会3レース目で初めてバタフライを泳いだ。予選で、渡部香生子から3番手で引き継いだ池江は、2番手のオーストラリアに喰らいつきアンカーの五十嵐千尋へ繋いで予選3位として決勝進出を果たすが、決勝は金メダルのオーストラリアから大きく遅れて8位。池江はバタフライで予選からタイムを伸ばすことができなかった。

白血病を公表して、壮絶な闘病生活から復帰を果たし、東京五輪出場にこぎつけた池江。万全ではない中でもリレーメンバーとして存在感を発揮した。次のパリ五輪では万全の態勢で臨んでもらいたい。

■メダル獲得者は大橋のみ、課題を残す結果に

競泳女子は大橋以外でメダル獲得者が現れなかった。平泳ぎで3大会連続五輪出場を果たした渡部は、個人の2種目でともに予選落ち。ただ、女子400m個人メドレーリレーでは、予選で上位を追随する泳ぎを見せてチームを決勝進出に導いた。

背泳ぎの小西杏奈は100mに登場。予選を突破するも、準決勝では1分0秒7の7位で敗退。しかし、混合400mメドレーリレーと女子400mメドレーリレーでは59秒台を記録。女子400mメドレーリレーの決勝進出に貢献したが、メダル獲得には至らなかった。

リレーメンバーとして、池江、小西、渡部らと出場した五十嵐。400mリレーでは第1泳者として54秒10の自己記録を更新。メドレーリレーでは予選、決勝ともに53秒台と最終泳者として泳ぎ切った。

競泳女子は、リオデジャネイロ五輪からメダルの数を減らす結果となった。ただ、今回の東京五輪は、本来なら1年前の2020年7月末から開幕するはずだった。2020年夏へ向けて調整したにもかかわらず、世界的な困難から1年延期。

選手たちも1年後へ再度調整が求められていた。これまでのオリンピックでは考えられない展開となり、本番の時期に合わせて調整することの難しさが感じられた。

文=マンティー・チダ
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