今週開幕! 新潟ダート1200mを分析する

JRA-VAN
チーム・協会

【2020/8/23 新潟11R NST賞 1着 10番 ヒロシゲゴールド】

今週から函館と新潟の2場開催となる中央競馬。新潟開幕日の土曜メインにはダート1200mの3勝クラス・越後Sが組まれている。今回のデータde出〜たでは、夏季開催でのレース施行数が多い新潟ダート1200m戦を2018年以降のデータから分析する。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

新潟ダート1200m戦の脚質別成績(2018年以降)

■表1 【新潟ダート1200m戦の脚質別成績(2018年以降)】

表1は2018年以降の新潟ダート1200m戦における脚質別成績。黄色で強調したように、逃げもしくは先行した馬が好成績をあげている。これはダート短距離全般にいえることだが、新潟ダート1200mでもやはり前へ行った組の成績が良い。

ダート1200m戦が行われる競馬場は新潟の他に中山、中京、京都、阪神とあるが、新潟での逃げ馬の複勝率49.3%は中京(58.0%)、京都(55.5%)に次いで3位、先行馬の複勝率は他4場の30%台に対して44.6%で1位となっている。逃げなくても先行すれば高いアドバンテージを得られるコースといえる。

夏季に行われた新潟ダート1200m戦の所属別成績(2018年以降)

■表2 【夏季に行われた新潟ダート1200m戦の所属別成績(2018年以降)】

※夏季7〜9月

表2は夏季に行われた新潟ダート1200m戦の所属別成績。美浦所属の関東馬が出走数では圧倒的に多いものの、勝率・連対率・複勝率いずれも栗東所属の関西馬が上回っている

特に勝率では関西馬は11.1%と関東馬の2倍近い率を残しており、単勝回収率でも100%を超えている。夏季は中京や小倉が開催されており、そちらへ参戦する関西馬が多いのだが、新潟へ持ってくるあたりは勝負がかりといえるだろう。実際に2着・3着よりも1着数が上回っている。

新潟ダート1200m戦の枠番別成績(2018年以降)

■表3 【新潟ダート1200m戦の枠番別成績(2018年以降)】

表3は枠番別成績。黄色で強調した外の6〜8枠が勝率・連対率・複勝率いずれも高い率を残している。表1でも述べたダート1200m戦がある5競馬場のうち、芝スタートは新潟と中山の2つ。中山では枠の内外で率はあまり変わらないのに対して、新潟では明らかに外の6〜8枠が優位となっている

逆に内の1・2枠は勝率4%台と低く、複勝率でも1枠は14.5%と最も低い。

新潟ダート1200m戦の種牡馬別成績(2018年以降)

■表4 【新潟ダート1200m戦の種牡馬別成績(2018年以降)】

※5勝以上および注目種牡馬を掲載

表4は種牡馬別成績。出走数最多のサウスヴィグラス産駒が22勝と2位以下を大きく離している。施行数221レースの約1割を占めており、勝率14.3%も5勝以上の種牡馬ではトップだ。単勝回収率も100%を超えている。昨夏のオープン・NST賞でも同産駒のヒロシゲゴールドが6枠からハナに立って、逃げ切り勝ちを決めている。

勝ち星ではヘニーヒューズ産駒12勝、キンシャサノキセキ産駒・スウェプトオーヴァーボード産駒8勝と続くが、上位の中で連対率・複勝率が目立つのがエスポワールシチー産駒。単勝回収率・複勝回収率もともに100%を超えている。

5勝以下ではSpeightstown、ドゥラメンテの両産駒に注目。Speightstown産駒は今春のララクリュサオルら4勝で、複勝率53.3%と非常に高い。また、ドゥラメンテ産駒は今春の未勝利戦で、6・3・8番人気の馬で3勝をあげている。今夏の新潟ダート1200mでも注目しておきたい。

夏季に行われた新潟ダート1200m戦の騎手別成績(2018年以降)

■表5 【夏季に行われた新潟ダート1200m戦の騎手別成績(2018年以降)】

※3勝以上と注目騎手を掲載

表5は夏季に行われた新潟ダート1200m戦の騎手別成績。武藤雅騎手が最多の6勝をあげており、連対率33.3%・複勝率37.0%と優秀だ。昨年9月の2歳新馬ではエスポワールシチー産駒の7番人気ジューンクエストで勝利するなど、6勝はいずれも2・3歳馬でのものだった。M.デムーロ騎手は連対率・複勝率では武藤騎手を上回っている。藤田菜七子騎手は全シーズンでは最多の15勝をあげているものの、夏季に限れば3勝に終わっている。

他では騎乗数こそ少ないものの、松山弘平騎手が好成績。近年はダート戦での活躍が目立っており、新潟に参戦してきた際はぜひチェックしておきたい。

夏季に新潟ダート1200mで行われた3歳未勝利戦の前走人気別成績(2018年以降)

■表6 【夏季に新潟ダート1200mで行われた3歳未勝利戦の前走人気別成績(2018年以降)】

最後に表6は夏季に新潟ダート1200mで行われた3歳未勝利戦の前走人気別成績。最終盤の3歳未勝利戦となるが、前走1番人気だった馬は2勝のみ。代わって前走2番人気馬が最多の8勝をあげており、勝率・連対率・複勝率いずれもトップ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えており、狙い目だ。他にも前走3番人気馬、前走5番人気馬も勝率・複勝率が高い。

なお、前走2ケタ人気だった馬からは連対馬が出ておらず、苦戦傾向にある。

文:ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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著者プロフィール

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