名将モウリーニョ監督のASローマ就任会見 【前編】〜 セリエAに「スペシャルワン」が帰ってきた〜

ASローマ
チーム・協会

【©ASRoma】

セリエAに「スペシャルワン」が帰ってきた!2021年7月8日に行われたモウリーニョ監督の就任会見を一部抜粋して公開。彼のスペシャルな言葉を見逃すな!

モウリーニョ:
 まず初めに、サポーター達に感謝の気持ちを伝えたいです。ローマの監督に就任した日からサポーターの歓迎は素晴らしかった。この素晴らしい歓迎に恩返しがしたいです。

 この会見中にされる質問のいくつかは予想しています。「なぜ私がローマの監督に就任したか?」「なぜこのような立派な場所に私がいるのか?」このような質問にはもちろん明確な理由があります。会長がこのクラブに投資しようと決断した理由と同じです。彼が考えていることと、私を説得する為に言った言葉。会長が考えているプロジェクトは明確です。

 このクラブの偉大な歴史を忘れることはありません。通常サッカー界には「時間」という概念は存在しませんが、このローマの場合には存在する。なぜかというと、会長が望んでいることは、将来のための基盤を作り上げることであるからです。そして一方の私は、熱意を持ってここで仕事がしたいと考えている。これらの理由で、私はローマの監督に就任しました。

 次に私が予想した質問は「ローマという素敵な街が理由でローマの監督に就任したのですか?」という質問。もちろん答えは「いいえ」です。観光を目的に来たわけではない。この街のチームの監督を務めることは、重要な責任を背負います。街とサポーターの深い関係性も理解していますし、この街の名前、色、シンボルは非常に重要です。世界の人々からすればこの街とクラブは一心同体なのです。当然私も責任感を感じていますよ。繰り返しますが、観光を目的に来たわけではありません。働くためにここにきました。4時から練習が始まるので、そろそろ行きますね。 (一同笑い声)

会見中も余裕のジョーク 【©ASRoma】

――どのようにしてこのクラブのメンタルを改善するつもりですか?

モウリーニョ:
 まずはこのグループを知らないと。何をどのように改善すべきかわかりませんからね。私の中にはいくつかのルールがあり、選手達にも我々の働き方を理解させる必要があります。我々の働き方は至ってシンプルで、常に全力を尽くすことです。これは選手だけではなく、クラブに所属している人全員に関係していることです。ローマに到着してから数日が経ちましたが、少しずつこの環境を理解し始めています。全員から一緒に働くための熱意を感じ、非常に良い印象を受けましたよ。とても嬉しく思います。

――ローマの監督に就任したことは、キャリアで最も難しい挑戦ですか?セリエAを盛り上げることはできると思いますか?

モウリーニョ:
 これから向かう挑戦が最も重要です。セリエAを再び盛り上げると言いましたが、欧州選手権を優勝する可能性がある国です。※インタビュー後決勝でイングランドを倒し、欧州選手権を優勝した。

 ヴェラッティなど以外は、全員がセリエAでプレーしています。外国から少し過小評価されているリーグだとすれば、我々が原因です。我々全員が今以上に努力することが必要です。ただしローマの為に働いているので、今はローマのことしか考えていませんよ。間接的にはセリエAの為に働いていることにはなりますがね。

ローマの環境にもなじんできたようだ 【©ASRoma】

――ジェコ選手は来季もローマに残りますか?来季のキャプテンは誰になりますか?

モウリーニョ:
 この質問に対して答えるつもりはありません。私のクラブ内で起こることについては話したくありません。誰とどこで何を話したのかを知りたいかもしれませんが、このような情報を共有するつもりはありません。来年のキャプテンについては、まずクラブ内で話す必要があります。

――欧州選手権でプレーしているクリスタンテとスピナッツォーラについてコメントをいただけますか?

モウリーニョ:
 2人がイタリア代表で活躍していることが非常に嬉しいです。クラブそして私からすれば これは非常に誇り高いことです。まだ一緒に仕事をしたことはありませんが、既に彼らを私の選手として見ていますよ。クリスタンテがスタメンで出場できていないのは、イタリア代表にハイレベルな選手が揃っているからでしょう。ただ、マンチーニ監督はクリスタンテ選手をリスペクトしているように見えます。実際、フィジカルな試合になるとクリスタンテ選手を投入しますしね。彼は素晴らしいパーソナリティーを持った選手ですよ。無事に帰還するのを待っています。

 スピナッツォーラについては残念に思っています。大怪我をしてしまいましたが、笑顔で何も起きなかったようにトリゴリアに帰ってきました。長い間離脱することになり我々によっても難しい状況です。この問題に対する解決策として、我々にはカラフィオーリという信頼できる選手がいます。来季からはトップチームの一員になります。しかしディレクターには申し訳ないですが、左サイドバックを1人獲得しなければならないでしょう。

後半に続く→
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著者プロフィール

ASローマは、1927年に誕生し、1951-52シーズンを除いた全シーズンでイタリアのトップディビジョンに参加している名門クラブです。イタリアの首都ローマに本拠地を構え、2000-01シーズンには元日本代表の中田英寿も所属。同年に見事リーグ優勝を果たしました。

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