甲子園でプロ初勝利を。ロッテ佐々木朗希 2度目の先発マウンドに上がる

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【千葉ロッテマリーンズ 佐々木朗希投手】

 141キロ。世間から令和の怪物と呼ばれる千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が最初に確認をしたスピードガンの球速だ。中学3年生の時、岩手県八幡平市にある球場のビジョンに映された。

 「気持ちよかったですよ。自分では135キロぐらいは出ているかなあと思っていたら、もっと出ていた」

 後に160キロを越える剛速球を代名詞にする若者は、初めて目にした自身のスピードと、その時、脳裏によぎった想いをハッキリと覚えている。

 地元では速い球を投げる選手として多少は名を知れた存在だった。ただ、決して注目を浴びるほどではない。小学校の時には「ショボすぎてピッチャーは嫌だった」と言う。身体が大きいこともあり、一塁を守る事も多かった。「ボク以外のピッチャーの方が速い球を投げていた。なによりもみんなボクよりコントロールが良かった」。ターニングポイントはボールの変更だった。硬式球に近いボールとして開発されたKボールを使用した時に今までにない感覚を感じた。そして高校で硬式球を握るとさらなるフィット感を覚えた。

 高一夏の県大会。盛岡北戦でリリーフとして初登板をすると147キロをマーク。この時、初めてメディアに取り上げられることになる。

 「あるスポーツ新聞の東北版で大きく紹介いただきました」と佐々木朗。怪物が、まだ怪物と呼ばれていなかった頃の話。東北の逸材の一人にすぎなかった。しかし、ここから世間の注目度はイッキに上がり、自信も思いもしなかったほどフィーバーは過熱する。高2の夏が終わるとその名は次なる注目選手として全国に広まり、ジャパンの候補にも名前が挙がる。高3夏のフィーバーは語るまでもない。時には自身は投げていない試合でも取材を申し込まれることもあった。こればかりは若者も困惑するしかなかった。

 プロ入り後も、その一挙手一投足をメディアは注視した。その中でも最大のキーワードはやはり球速。連日、報道をされ、球速に関する質問を浴びる毎日。ただ、その現実から目をそらすことも逃げることもしない。球速に注目が集まる事を宿命とばかりに受け止め、否定はしなかった。

 「確かにどうしても球速に目がいきがちですが、気にはしていません。スピードが出たらいいなあと自分も思いますしね。ただ、自分はスライダーやフォークも投げる。ストレートだけではなく変化球も投げれるところは見て欲しいし、総合的に評価される投手になりたいと思っています」

 若者は落ち着いた口ぶりで自分を冷静に捉えている。プロ野球ファンの注目が集まる中、こうしてプロでの歩みが始まった。2年目の5月16日の埼玉西武ライオンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)でプロ初登板初先発。5回を投げて4失点(自責点は2)という内容で勝ち負けはつかなかった。そして5月27日、2度目の先発マウンドに上がる。舞台は甲子園。相手はセ・リーグ屈指の打線を誇る阪神タイガース。令和の怪物にとってプロ初勝利をするのに、これほどふさわしい相手と舞台はない。

文 千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章

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