【日本野球連盟公式サポ通信】黒獅子旗のゆくえ(大阪ガス編)
【クラブハウス入口に飾られている黒獅子旗【提供】大阪ガス硬式野球部】
社会人野球のちょっと裏側をお伝えする「日本野球連盟公式サポーター通信」をお届けします。
優勝チームの証である黒獅子旗のその後を、当時のエピソード共に振り返る人気企画「黒獅子旗のゆくえ」です。
【【提供】大阪ガス硬式野球部】
監督就任半年で優勝!大阪ガス元監督・橋口博一さんが当時を振り返る
当時、監督としてチームを率いていた橋口博一さんは、昨年の12月に野球部を離れ、現在は大阪ガスマーケティング(株)の法人住宅営業部に所属をしています。
久しぶりの社業ということで、「今はとにかく忙しい」といつもの優しい笑顔で話す橋口さんに、優勝当時のお話しをうかがいました。
“常勝チーム”を作ると決めて選手たちに宣言!
橋口博一元監督 【【提供】毎日フォトサービス】
大阪ガスは都市対抗出場を逃していました。
そんな中監督に就任した橋口さんは、昨年の悔しさが残るチームの雰囲気とは裏腹に、就任時から常勝チームを作るという思いを込めて、「連覇するチームを作る」と宣言していたそうです。
「まだ1回も勝っていないのに、今年は優勝すると。そして連覇するぞ!と最初から言っていました。さすがに選手たちもキョトンとしていましたよ(笑)。ただ監督1年目ということもあり、前年に出場できていないことは自分には関係なかったです。それをいつまでも引きずっていても仕方がないし、今年は今年と割り切っていました。よく1戦1戦を勝ち抜きますとか言うけれど、最初から全部勝つ気持ちです。準優勝(2015年)の時のメンバーも残っていたから何が何でも絶対勝つぞ!と」
【【提供】毎日フォトサービス】
「この選手が良い」ではなく、チーム全体が仕上がっていて、とにかくよく打つという話を聞いていました。
その真相を橋口さんに尋ねたところ、
「前の年に出場できなかったことが、選手たちにいい刺激を与えていたと思います。反骨精神ってやつです。春先のOP戦から15、16連勝していたので、選手たちは自信がついたんでしょうね。JABA岡山大会で初優勝したことも大きかったです。この年の近畿予選は想像以上に楽に勝ち進んでいたので、最後の最後、第一代表決定戦で三菱重工神戸・高砂(現・三菱重工West)に9回で逆転負けしたときは、“負けてしもうた!”と(笑)」
予選であんなに勝ったことはない、と話す橋口さん。
橋口さんが監督就任時に掲げた「絶対に優勝。そして連覇」という目標を、選手たちがしっかり理解し、チーム全体で同じ方向に進むことができた結果だったのではないでしょうか。
橋口さんの思い出の試合とは
「東京のチームは、いつも大会前の優勝予想で候補に挙がる。ウチのチームだって、負けてないのに、と密かに悔しかったりします。だからNTT東日本とJR東日本に勝ったときは、やったぞ!と(笑)。あの時は、どちらの試合も先制点を取られてギリギリの点差で勝っていますが、焦りはありません。焦って勝てるなら焦りますが、そんなことをしても勝てないので、いつも途中経過は気にしません。最後に1点勝っていればいいんですから。先制点を取られても同じです。守りの野球になってしまうから、先に1-0で勝っている方が嫌なんです。それなら序盤に負けている方が、よし、行くぞ!と気合が入りますね」
野球部を離れても、チームへの愛情は変わらない
【【提供】大阪ガス硬式野球部】
「ようやくゴールドコレクターになれました(笑)。長い歴史の中でずっと取れていなかったので、やっとウチに来たな、と。良い選手がいて、良いタイミングで監督に就任できて、良い補強選手が来てくれて…と、いろんな良いことが重なって手にした優勝だと思っています。野球部を離れたことで、これからは責任なく試合を観戦できることが楽しみです。孫の面倒を見るような気持ちで、大阪ガスを応援したいです」
と、いつもの穏やかな橋口さんの笑顔には、チームと選手たちへの深い愛情を感じました。
昨年の社会人野球日本選手権大会が中止となり、一昨年優勝をしている大阪ガスは推薦出場権が残っているため、6月29日からの本大会出場が決定しています。
いよいよ来月からは日本選手権の地区予選もスタートします。
選手たちの活躍に、温かいご声援を宜しくお願いいたします。
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