絶好調7連勝のポルト、28戦無敗の首位スポルティングCPに肉薄! 日本人選手たちの活躍は?【リーガNOS第28節レビュー】

ポルトガル・リーグ
チーム・協会

【©LigaPortugal】

リーガNOS(ポルトガル1部)の第28節が現地20日から22日にかけて開催された。日本人選手たちもプレーした今節の全9試合のレビューをお届けする。

サンタ・クララのMF守田英正は14試合連続の先発フル出場 【©LigaPortugal】

【パソス・デ・フェレイラ 0-2 ファレンセ】

 ともにリーグ戦3連敗で迎えた一戦は、残留争いで苦闘するファレンセに軍配が上がった。パソス・デ・フェレイラの守護神ジョルディが好セーブを連発してゴールを阻止していたが、均衡は77分に敗れた。ファレンセを引っ張るキャプテンのMFライアン・ゴールドが、自ら倒されて得たPKを決めて先制点を奪う。そして84分には、味方のシュートのこぼれ球をMFファブリシオ・イシドーロが押し込んで追加点。終盤に立て続けにゴールネットを揺らしたファレンセは2-0で勝利し、1部残留に向けて貴重な勝ち点3をもぎ取った。

【サンタ・クララ(守田英正所属) 0-0 モレイレンセ】

 試合を通じて相手より多くのチャンスを作り出したサンタ・クララだったが、最後まで得点を奪うことはできなかった。74分にはサンタ・クララのFWカルロス・ジュニオールがゴールネットを揺らしたものの、VARによるチェックと主審のオン・フィールド・レビューの結果、直前のプレーでMFアラーノのファウルがあったと判定され、ゴールは認められず。モレイレンセは好セーブを連発したGKマテウス・パシナートを中心とした粘り強い守備が光った。サンタ・クララに所属している日本代表MF守田英正はリーグ戦14試合連続の先発フル出場を果たしたものの、チームを勝利に導くことはできなかった。

【マリティモ 1-0 リオ・アヴェ(食野亮太郎所属)】

 試合が動いたのは12分。高い位置でボールを奪ったマリティモはショートカウンターを繰り出し、FWラフィク・ギタンがゴール前にスルーパスを送る。そして飛び出してきた相手GKの鼻先でFWアリ・アリプールがボールに触ると、最後はFWジョエル・タグエウがシュートをゴールネットに流し込んだ。後半はリオ・アヴェの猛攻を受けるも、マリティモは序盤に奪った虎の子の1点を守りきって逃げ切り成功。1-0で2試合ぶりの勝利を挙げた。リオ・アヴェに所属するU-24日本代表FW食野亮太郎は81分から途中起用され、4試合ぶりにリーグ戦出場を果たすも、ゴールやアシストを記録してアピールすることはできなかった。

スポルティングCPはリーグ開幕から28戦無敗で首位に立つ 【©LigaPortugal】

【スポルティング・ブラガ 2-1 ボアヴィスタ】

 上位争いに食らいつきたいスポルティング・ブラガだが、直近2試合はドローで足踏み。今節も28分に失点してしまう。ボアヴィスタのMFセバスティアン・ペレスが、クリアボールに反応し、ダイレクトボレーで強烈なシュートを突き刺した。しかし、試合を支配していたブラガは39分、MFニコラス・ガイタンのクロスにMFフランセルジオが頭で合わせて同点に追いつく。後半に入った54分にはボアヴィスタのDFジャクソン・ポロソが2枚目のイエローカードを受けて退場に。これで試合の流れは完全にブラガのものとなった。30本近いシュートを放って攻め続けたブラガは、82分にゴール前の混戦で途中出場のFWアンドラス・シュポラールが決勝点を奪った。2-1で3試合ぶりの勝利を飾り、3位ベンフィカとの勝ち点差を2ポイントのまま維持している。

【スポルティングCP 2-2 ベレネンセス】

 シュートの本数はスポルティングCPの27本に対し、ベレネンセスは3本。それでも後者は2得点を奪い、首位クラブを追い詰めた。13分、ロングボールとコンビネーションで左サイドを攻略したベレネンセスは、MFシルヴェストレ・ヴァレラの折り返しにFWマテオ・カシエラが詰めて先制に成功する。42分にはベレネンセスのGKスタニスラフ・クリチュクが、スポルティングCPのMFジョアン・マリオが蹴ったPKを止めて同点のピンチを切り抜ける。そして後半に入った54分、足を滑らせてバックパスの処理にもたついたスポルティングCPのGKアントニオ・アダンにプレッシャーをかけ、カシエラが2点目をゲット。リードをさらに広げた。敗戦濃厚かと思われた83分、スポルティングCPはMFヌーノ・サントスのクロスにDFセバスティアン・コアテスが頭で合わせて1点差に詰め寄る。そして後半アディショナルタイムに相手のハンドでPKを獲得し、これを途中出場のFWジョバネ・カブラルが決めて、土壇場で同点に。辛くも勝ち点1を確保した。スポルティングCPは開幕から28戦無敗を継続したものの、直近4試合で1勝3分と足踏みが続いている。

【トンデラ 2-1 ナシオナル】

 最下位に沈むナシオナルは、先制に成功する。13分、DFルベン・フレイタスが右サイドからふわりとしたクロスをペナルティエリア内に供給すると、MFジョアン・カマーチョが胸でコントロールしたボールを豪快にゴールへ蹴り込んだ。しかし、直後の17分にFWマリオ・ゴンザレスのスルーパスからFWジョン・ムリージョがゴールを奪い、トンデラが同点に追いつく。ナシオナルも懸命にチャンスを作ったが、26分にFWペドロ・メンデスが蹴ったフリーキックも、27分にコーナーキックからMFイブラヒム・アルハッサン・アブドウラヒが打った超至近距離からのシュートも、トンデラのGKペドロ・トリゲイラに止められてしまった。そして60分、トンデラはDFフェリペ・フェレイラのクロスからDFリカルド・アウヴェスがゴールを奪い逆転に成功。そのまま逃げ切って連勝を飾った。敗れたナシオナルは泥沼の10連敗で1部残留に向けて暗雲が立ち込めている。

3連勝していたポルティモネンセだが、ベンフィカには大敗 【©LigaPortugal】

【ジル・ヴィセンテ(藤本寛也所属) 0-3 ファマリカン】

 前節ベンフィカ戦の勝利を勢いに変えたいジル・ヴィセンテだったが、相手より多くのチャンスを作りながらゴールを奪えないでいると、69分にあっさり失点してしまう。ファマリカンにロングボールで簡単にサイドを攻略され、最後は直前に途中出場したばかりのFWイヴァン・ハイメにゴールネットを揺らされた。ジル・ヴィセンテは何とか同点に追いつきたいところだったが、終盤の87分にDFイゴール・ノゲイラが足を高くあげたタックルで一発退場となり万事休す。90分にFWレアンドロ・カンパーニャ、後半アディショナルタイムの93分にハイメと立て続けに失点を重ね、0-3の大敗となった。なお、ジル・ヴィセンテに所属する日本人MF藤本寛也は66分から途中出場したが、味方の退場などもあって大きなインパクトを残すことはできなかった。

【ポルティモネンセ(安西幸輝&中村航輔所属) 1-5 ベンフィカ】

 リーグ戦3連勝と絶好調のポルティモネンセは、同じく絶好調なFWベトの4試合連続ゴールでベンフィカ相手に先制点を奪う。しかし、現実は甘くなかった。ベンフィカは前半アディショナルタイムにMFピッツィのゴールで追いつき、後半になると攻撃陣がさらに爆発。50分に途中出場のFWダルウィン・ヌニェスが逆転ゴールを挙げると、64分と73分ににFWハリス・セフェロヴィッチ、後半アディショナルタイムの94分にFWエヴェルトンも加点し、終わってみれば1-5に。ポルティモネンセの連勝はストップし、ベンフィカは2試合ぶりの勝ち点3を手にした。前節まで9試合連続で先発起用されていたポルティモネンセの日本代表DF安西幸輝は、同GK中村航輔とともにベンチ外で出番なしに終わった。

【ポルト 1-0 ヴィトーリアSC】

 現状の力量差は明らかだった。ゴールは1つしか生まれなかったが、終始攻め続けたポルトが完勝を収めた。後半開始直後の49分、ディフェンスラインからのロングボールをMFオタヴィオが相手ディフェンスラインの手前で受け、すぐさまスルーパスを送る。これに反応したFWムサ・マレガがDFを猛然と追走してボールに足を伸ばし、右手で相手を抑えながらフィニッシュ。今季7得点目となるゴールが決勝点となった。勝利したポルトはリーグ戦7連勝で、開幕から28戦無敗の首位スポルティングCPに4ポイント差と肉薄している。残り6試合、逆転での2連覇がようやく視界に入ってきた。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

ポルトガル・リーグはポルトガルのプロサッカーリーグです。プリメイラ・リーガ(またはリーガ・NOS)とも呼ばれる1部リーグは1934年に開設され、現在18クラブで構成されています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント