中学2年で遭遇した東日本大震災から10年  〜日本女子ソフトボールリーグでの活躍を誓う〜

チーム・協会

【大垣ミナモ】

ありきたりだが、被災者のひとりとして活躍する姿を見せて、元気を与えたい!

阿部里奈選手。大卒2年目の23歳。宮城県石巻市出身。

大垣ミナモソフトボールクラブに所属する俊足巧打が売りの外野手だ。
大垣ミナモは、今シーズン3年ぶりに日本女子ソフトボール1部リーグに復帰する。

2011年3月11日。通学していた石巻市の中学校の卒業式に参加し、帰宅途中に友人とコンビニに立ち寄っていた。

その時に阿部選手を強い揺れが襲う。

無我夢中で近くの小学校に逃げた。
幸いにして、阿部選手がいた場所は高台にあった。

その夜は、家族とは会えず、避難所となった小学校で過ごした。
家族とは3日後に会うことができた。

祖父母と弟が津波に流されたが、幸いなことに近くの人に助けられた。

自宅は、1階部分が流されたため、しばらくの間は2階で家族が生活することになった。

通学していた中学校は、津波の被害で休校となった。
阿部選手は、のちに仙台市内の中学校に転向することになる。

中学2年生の阿部選手には、現実をなかなか受け入れることができない日々が続いた。




自分の誕生日をケーキで祝う阿部選手 【大垣ミナモ】

今年もまもなく3月11日がやってくる。
阿部選手は、あの日以来3月11日が近づいてくると、コンビニで遭遇したあの揺れを思い出すという。

今年は、東日本大震災から10年という節目の年を迎える。
そして、阿部選手は夢であった日本女子ソフトボール1部リーグという最高峰の舞台を初めて経験する。

今シーズン、チームには大学の後輩など10名の選手が、新たに加わった。

外野手の定位置獲りを目標とする阿部選手には、ハードな練習が連日続く。

人一倍熱心に練習に取り組む阿部選手 【大垣ミナモ】

阿部選手の語り口は、訥々(とつとつ)した口調だ。

しかし、その語り口の奥には、意志の強さを感じる。

ありきたりな言葉なのかもしれないが、
阿部選手が静かに語る。

「私の活躍で、少しでも東日本大震災の被災者の方々に元気を与えたい。」



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著者プロフィール

チーム創立:2010年2月1日(12年目) 所在地:岐阜県大垣市小野4-35-10 理念:「地域に愛され、みんなも元気」 2012年に岐阜県で開催された国民体育大会を契機に創立されたクラブチーム。 岐阜県大垣市の企業11社が共同で運営するクラブチーム。JDリーグでは、唯一の存在である。地域の活性化に貢献できるチームとして活動中である。 強豪チームひしめく東地区に所属するが、全員総力で戦い大垣ミナモ旋風を巻き起こしたい。

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