コース実績は必須! 武蔵野Sを分析する
【 2019/11/9 武蔵野ステークス(G3) 1着 7番 ワンダーリーデル】
過去10年の武蔵野S好走馬
■表1 【過去10年の武蔵野S好走馬】
また、同一馬が複数回好走している点も特徴。ダノンカモンは10年から12年にかけて3年連続で好走した。また、アドマイヤロイヤルやタガノトネールが2回馬券になっている。近年はそうした事例がみられないが、常に頭に入れておきたい傾向だ。
性別の傾向は圧倒的に牡馬・セン馬が強い。牝馬で好走したのは10年3着のブラボーデイジーだけだ。年齢に関してはあまり特徴がない。3歳から7歳まで幅広く勝ち馬・連対馬が出ている。次は脚質だが、こちらは興味深い傾向が出ている。
過去10年の武蔵野Sの脚質・上がり3ハロン順位別の成績
■表2 【過去10年の武蔵野Sの脚質・上がり3ハロン順位別の成績】
一方、逃げで好走したのは16年1着タガノトネールしかいない。しかもこの年は重馬場の影響でかなり脚抜きが良く、速い時計が出やすい状況だった。勝ち時計の1分33秒8はレコード。同日12Rのダート1300m・1000万下(2勝クラス)も1分16秒1のレコード決着だった。よって普通の馬場状態で行われる武蔵野Sでは、逃げ切り勝ちは困難で2〜3着に粘るのも大変と考えたい。
表1の一覧に戻り好走馬の上がり3ハロンを調べると、メンバー中1位(黄色)、同2位(水色)、同3位(緑色)の脚をマークしていた馬が多い。そうした馬が毎年1頭は好走している。
過去10年の武蔵野S好走馬の主な過去実績
■表3 【過去10年の武蔵野S好走馬の主な過去実績】
例えば19年1着ワンダーリーデルは同年のアハルテケSを上がり1位の脚を使って勝利していた。3着ダノンフェイスは17年霜月Sで上がり1位の脚をマークして勝利した経験があった。このように東京ダート1400〜2100mのオープン特別で勝ったことのある馬が非常に多い。
重賞の武蔵野SやユニコーンS、根岸Sの好走実績でももちろん構わない。3勝クラス(1600万下)の1600mを勝っていた馬もかなり多く、東京ダートで実績があるかどうかが非常に重要だ。
東京ダートの目ぼしい実績がなく好走した馬は、10年3着ブラボーデイジーや15年2着タガノトネール、19年2着タイムフライヤーぐらいしかいない。ただ、ブラボーデイジーは09年のヴィクトリアマイルで2着、タイムフライヤーは17年ホープフルS1着と芝G1で好走実績があった。タガノトネールは盛岡のマイルCS南部杯(Jpn1)で2着の実績があった。G1の実績がある馬だけは、東京ダートの経験が乏しくても地力を警戒したい。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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