【新日本プロレス】野中大三の『POWER STRUGGLE』大阪は大型DLC!
【野中大三】
第23回「『POWER STRUGGLE』大阪は『G1』後にやってきた大型DLC」
【野中大三】
株式会社カプコンでゲームプロデューサーをしている野中です。
『G1CLIMAX 30』、ものすごく熱かったですねー!
開催前のコラムでは「現世代最高の『G1』になる」と予想させてもらいましたが、その予想を上回る熱い試合の連続でした。
今回は『G1』に後初のビッグマッチとなる『POWER STRUGGLE』大阪についてゲーム的プロレス論を展開してみます。
まさに現世代最高の『G1』
【新日本プロレスリング株式会社】
全選手中最多得点の7勝2敗。優勝決定戦ではSANADA選手と『G1』史上最長となる35分12秒を戦い抜き、カミゴエ2連発からのスリーカウントで頂点に到達しました。
大会前の「本当の神になる」「逃げない、負けない、諦めない、そして、裏切らない。」という力強いフレーズ、試合内容、結果とすべてにおいて満点とも言える戦いぶりでした。
終わってみれば文句なしの二連覇だった、と言えるでしょう。
少し脱線して『G1』の感想を書きます。
個人的には「品質のAブロック」と「感情のBブロック」だったと感じました。
【新日本プロレスリング株式会社】
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そして何より、3連敗からの6連勝で優勝決定戦にコマを進めたSANADA選手の終盤戦は、“負けたら終わり”の緊張感に満ちたハラハラドキドキを味わえました。
まさに、現世代最高の『G1』でしたね!
11.7の『POWER STRUGGLE』大阪ではその熱い『G1』を継承するカードが組まれました。
今大会は『G1』の熱を更に楽しめるビッグマッチである、と僕は定義します。
全6試合中5試合がタイトルマッチかつリベンジマッチです。
『G1』で敗れた王者もしくは保持者がその王座、権利をかけて挑戦者と戦う構図となります。
言ってしまえば『G1』から生まれたビッグマッチとも言えます。
大型DLCでもっと楽しめる。
このサービス精神はゲーム業界で言うところのダウンロードコンテンツ、いわゆるDLCです。
買っていただいたゲームはいつか終わりを迎えます。気持ちよく最後まで楽しんでいただくことがいいゲームの条件ではありますが、昨今はDLCで楽しさを追加していくことが主流となりつつあります。
いいゲームを長く楽しみたい、遊び切ってしまうのが残念、というユーザーさんの声と、もっと楽しんでいただきたいという僕たちゲーム屋さんの気持ちが合致したのがこのDLCなのです。
DLCはゲームの発売後に配信されることが常です。つまり、ユーザーさんがそのゲームを十分に楽しんでいただいている前提で提供されるものなので、ユーザーさんの声もできる限り反映したものになります。
1年以上の長期間に渡ってDLCが追加されるゲームもありますが、そういったゲームはユーザーさんと長く良好な関係が築けているものが多いです。
つまり、ユーザーさんの声を反映して、さらなる楽しさを提供するのがDLCなのです。
今回の大阪大会はまさに『G1』の大型DLCであると僕は定義しています。
DLCの中に輝く新規要素
オカダ・カズチカ VS グレート‐O-カーン
【新日本プロレスリング株式会社】
『POWER STLLUGLE』 が大型DLCとするなら、この試合、オーカーン選手は唯一の新規要素と言えます。
拡張要素5試合と新規要素1試合という絶妙のバランスで構成されたのが『POWER STRUGGLE』大阪大会なのです。
唯一の新規要素となるオーカーン選手にかかる期待の大きさは言うまでもないですね。
注目のカードが揃った『POWER STRUGGLE』大阪大会を単発大会ではなく『G1』の延長線上にある大会と捉えるとその延長線上に見えるのは東京ドーム2連戦です。
『G1』とドームをつなぐビッグマッチに位置するこの大会、注目は何と言っても『G1』覇者の飯伏選手でしょう。
飯伏選手の目標は『G1』二連覇ではないです。
「本当の神になる」
これこそが飯伏選手が公言する目標です。
文句なしの『G1』連覇を成し遂げた飯伏選手がどのようなステップを踏んで神となるのか?
“BE THE ONE”の次は“BE THE GOD”なのです!
ドームまで飯伏選手から目が離せません!
■野中大三(のなかだいぞう)
株式会社カプコン プロデューサー
プロレス観戦歴、ゲーム歴ともに36年。
個人的G1ベストバウトは10.14横浜の棚橋選手対SANADA選手です。
●Twitterアカウントはコチラ!
https://twitter.com/daizonnonaka
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