バルセロナのレジェンド、クーマンが新監督就任

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8月19日、バルセロナがロナルド・クーマンの新監督就任を発表した。

57歳のオランダ人指揮官はクラブをよく知る人物だ。彼は1989〜95年まで6シーズンに渡ってカンプノウでプレー。現役引退後はルイス・ファンハール監督のアシスタントコーチとしてバルセロナのスタッフを務めている。

バルセロナのファンならば誰でも、クーマンには特別な思い出を持っている。1992年に行われたサンプドリアとのチャンピオンズカップ決勝にて、クラブ史上初タイトルをもたらすスペクタクルな直接FKのゴールを決めたからだ。

現在バルセロナは5度のチャンピオンズリーグ優勝回数を誇るが、初優勝はあらゆる意味で特別なものだった。「チャンピオンズカップの決勝で試合を決めるゴールを決めるなんて、信じられないとしか言いようがない」。当時クーマンはそう話している。

輝かしいキャリアを築いたクーマンにとって、それは唯一の欧州タイトルではない。彼は1987/88シーズンにも、PSVアイントホーフェンの一員として欧州制覇を成し遂げていた。バルセロナでは他にラ・リーガを4度、スーペルコパ・デ・エスパーニャを3度、コパデルレイを1度、UEFAスーパーカップを1度勝ち取っている。

「ドリームチーム」と呼ばれたヨハン・クライフ率いる当時のバルセロナにおいて、クーマンは中心的な存在だった。そして今、彼は過去の幸福に満ちた記憶を再現すべく、彼自身のドリームチームを作り上げる仕事に着手した。

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1997年に現役を引退して以降、クーマンは指導者として長いキャリアを築いてきた。オランダ代表とバルセロナのアシスタントコーチを務めた後、エールディビジでは初監督を務めたフィテッセを皮切りにアヤックス、PSV、AZ、フェイエノールトといったビッグクラブの監督を歴任。他にもベンフィカ、バレンシア、サウサンプトン、エバートン、そしてオランダ代表を率いてきた。2007/08シーズンに率いたバレンシアでは、スペインでの初タイトルとなるコパデルレイを獲得している。

バルセロナと契約するまでは、オランダ代表監督として抜本的な世代交代を敢行。2019年のUEFAネーションズリーグでは若いチームを準優勝に導き、EURO2020の出場権を手にした。EURO本大会を指揮することはできなかったが、彼の功績は変わらない。オランダ代表ではバルセロナに所属するフレンキー・デヨンクを重用しており、自身の指揮下で15試合に招集している。

バルセロナではリオネル・メッシを指揮する機会を得ることになる。今後クーマンが直接FKの練習に参加するのであれば、練習場では面白い光景が見られるはずだ。メッシは2016/17シーズンの途中に、それまでクーマンが保持していた直接FKによるクラブ最多得点記録の26ゴールを更新している。当時クーマンは自身の記録を破られたことを残念がるどころか、ツイッターで祝福のコメントを送っていた。

監督就任に際し、クーマンはジョセップ・マリア・バルトメウ会長に対してメッシを新たなプロジェクトの柱に据える意向を伝えたという。クーマン率いる2020/21シーズンのバルセロナは、エースのメッシを中心に、デヨンクら新世代のスター選手を用いて失ったタイトルの奪還を目指すことになりそうだ。

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