マリーンズ広報のよもやま話 第5話

千葉ロッテマリーンズ
チーム・協会

【千葉ロッテマリーンズ梶原 紀章広報メディア室長 撮影 加藤夏子】

 しっかりと事前策が練られたプランやマーケティングも大事だが、私は直感や感性を大切にしている。なにか企画を練っていても、自分の中でしっくりこないものは結果的にやはり失敗に終わることの方が多い。しっくりこないものはその場で結論を出さずになるべく持ち帰る。何日か、なにがしっくりこないのかを考えるようにしている。それでも、そのままの状態なら勇気ある撤退も視野に入れる。自分自身がイマイチ、ピンと来ないものはやはり外に出してもダメなケースが多い。逆にこれはいいと思ったアイデアは大体、何時間も考えずともすぐに頭の中を駆け巡ってくるものだ。

 もう一つ大事にしているのは縁だ。始球式においてAさんとBさんの2人の候補がいて、たまたまAさんの所属事務所の方から連絡があったら、その場でAさんで決めてしまう。もうそれは縁だと思う。意外となさそうだが、こういうケースは案外、頻繁に起こっていて今まで、企画として実現していることがある。

 ただ、感性というのは誤解されがちだが、決して思いつきの類ではない。日頃からアンテナを広げていつも色々な事に問題提起をしながら過ごさないと培われることはない。仕事中に思いつくこともあるけど、基本的には仕事時間以外に思いつくことの方が多い。だから大事になるのは私生活における出来事を日ごろから自分の仕事に置き換える作業だ。自分がプライベートで心動かされた事、つまりは感動したこと、楽しいと思ったこと。それはどんな事で、どのような点で楽しく感じたのか、そしてそれはプロ野球の興行に置き換えることは出来ないのか。出来ないとすれば何故で、出来るとすれば、どのような過程を踏めばいいのかを考える。つねにそのようなことを意識をしていれば、意外とハマるケースがあったりするのだ。そしてそういうたまたま出会った出来事で、プロ野球興行に転換できるものは積極的に採用したいと考えている。それもまた縁だから。

文・千葉ロッテマリーンズ広報メディア室 梶原 紀章(かじわら・のりあき)
 
 1976年8月18日生まれ、大阪府吹田市出身。東京都私立郁文館高校〜関西大学。99年に産経新聞社に入社後、サンケイスポーツ運動部に配属し、00年にオリックス担当、01年から04年まで阪神担当。05年に千葉ロッテマリーンズに入団し主に広報業務を担う。11年にはチケット営業も経験。現在は広報メディア室室長。
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著者プロフィール

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