知ってました? 「パイロット」を「ストーカー」することでメダルを狙うスポーツがあるんです
【?Getty Images Sport】
視覚に障がいのあるのストーカーが、一体どのようにパイロットと一緒に最速を目指すのか!? 今回はその驚異的なテクニックや見どころについて紹介しよう。
え、分身してる? と思わずにいられないほど、二人は一心同体
(写真は、Paracycling World Championships)?Getty Images Sport 【?Getty Images Sport】
それが、見ていて単純に面白い。そしてその後に、どれだけ練習を積めばこんな風に走れるのだろうと、彼らの努力を想像するとまた違った面白さが見えてくる。
パイロットとストーカーの役割とは?
ストーカー(後席)・・・視覚障がい者。パイロットの後ろに乗り、息を合わせてペダルをこぐ。自転車の操作はパイロットに任せる。つまり、後ろでペダルを漕ぎ、大きな推進力を生みだすエンジンとなるのだ。
なんだかパイロットの能力が高ければ高いほど有利に感じてしまわないだろうか? 実際、オリンピックのメダリストがパイロットを務めることもあるが、それだけでメダルを獲得できるほど甘いものではない。
一瞬のズレが命取り。転倒や落車の可能性も!
もし、一瞬でも二人の動きにズレが生じてしまうと、それが命取りに。
特に重要なのがスタートダッシュだ。筆者は趣味でロードバイクに乗っているが、スムーズな漕ぎ出しは思いの外、難しくバランスを崩しそうになることもある。それを二人でぴったり合わせるとなると、タイミングや力の入れ具合が少しズレるだけでも、大きなタイムロスにつながってしまうだろう。
またカーブもスタートダッシュ同様、勝敗を分ける難所だ。カーブを曲がる際は体を内側に傾けるが、二人の傾け具合が違ってしまうとタイムロスだけでなく、転倒や落車の可能性もある。
タンデムの面白さ、見どころは?
(写真はParacycling World Championships )?Getty Images Sport 【?Getty Images Sport】
会場全体の一体感に酔いしれる「トラック」種目
コースの変化や心理戦が面白い「ロード」種目
パイロットとストーカーが心と体を一つにし、最速を目指すタンデムには、一人乗りの自転車競技にはない難しさがある。観客の心を動かすのだ。選手たちのその熱い闘いをぜひチェックしてみてほしい。
text by Satoko Myodo(Parasapo Lab)
photo by Getty Images Sport
※本記事は2019年7月に「パラサポWEB」に掲載されたものです。
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