【売り子ペナントレース】今井さやかさん(アサヒビール)

千葉ロッテマリーンズ
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【千葉ロッテマリーンズ】

2019年の開幕からホーム最終戦まで、ZOZOマリンスタジアムの売り子がドリンクの販売杯数を競う「売り子ペナントレース」が開催されている。球場を盛り上げる売り子たちの仕事ぶりに注目だ。

今回紹介するのは、売り子12年目を迎える今井さやかさん。
昨年のペナントレースは5年未満が対象だったため不参加だったが、制限がなくなった今年は満を持しての登場となった。

今井さやかさん 【今井さやかさん】

3・4月で1位(3,087杯)を獲得し、9月に開催されるファイナルラウンド出場を決めた今井さんは「いつも買ってくれる皆さんのおかげだと思っています。“がんばってね”と球場で声をかけてくださることが励みになっています!」と感謝を口にした。

売り子の醍醐味について、「野球もチアもマスコットもみんな好きなので、お客さんと好きな話ができること。接客が好きで、楽しいから続けられていることが一番です」と語る今井さん。
12年のキャリアに比例して、マリーンズファンとのコミュニケーションも増えていった。顔なじみのファンに新しい家族ができたり、子どもが生まれたり、おなかにいるときから知っている子どもの成長が見られるのも、継続してきた月日があるからこそだ。

売り子デビューは2008年4月29日。晴天で観客が多いゴールデンウイークのことだった。新人ながら初日で100杯以上を販売した今井さんは「恵まれた日に入ったからこそ、こうして続けられているのかなというのもあります」と当時を振り返っている。
それでも、始めたばかりの頃は緊張していた。歩くペースの早さや、表情の硬さについて、観客席のファンから助言をもらったことは今でも覚えているという。当時は野球に詳しくなかったが、「音楽が好きだったので、選手の登場曲に合わせて乗ってみたりして気分を変えていきました」と楽しいことを頭に描きながら販売するよう工夫していった。

現在は、ZOZOマリンの売り子ならではのスキルもすっかり身についている。
「まず、通路から天気と風の状況を見ます。潮の匂いがすると、今日は雨が降るかもしれないとわかるので、そのあたりを事前にリサーチしますね。今日は花火が上がるかな? というお客様との会話にもつながりますし、売り子の朝礼のときに風速の情報を共有することもあります」と様々なことに活かされる。

球界初の売り子アイドル「マリーンズカンパイガールズ」の活動では、同じ目標に向かうグループならではの結束力を得たという今井さん。今は売り子の後輩にアドバイスを送ることも増え、「どうしたら売れますか?」との質問には、毎試合きちんと球場に出続けることの大事さを伝えている。
また、今井さんはLamigoモンキーズ(台湾プロ野球チーム)のチア「LamiGirls」としても活動中だ。2018年の開幕直前に加入が決まったときには、急きょ100曲以上の振り付けを猛練習した。この活動のきっかけも、「台湾には売り子の文化がないのでそれを伝えたい。日本のプロ野球の良さと、台湾の良さ、両方を伝えられる存在になりたい」という売り子としての思いが根底にあったのだった。

数々の挑戦をして売り子の可能性を広げる今井さん。ペナントレースにおける次の戦いは、9月のファイナルラウンドだ。「気温も寒くなってくるところだと思うので、あまりビールが売れなくなってきたときこそ、12年目でどれだけ売れるかを見せたいと思います。おいしいビールを飲みながらマリーンズが日本一になれるように一緒に応援していきましょう!」と意気込みを語っている。

長谷川美帆(千葉ロッテマリーンズ オフィシャルライター)
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