前走・朝日杯フューチュリティS(G1)で牡馬相手に3着。キャリア2戦目でのG1挑戦だったが、好位からしっかり伸びて0秒2差と見せ場十分の内容だった。まだまだ伸びしろは大きく、今週は栗東坂路で自己ベストをマーク。牝馬同士なら不動の中心だ。

デビューから2連勝。前走・菜の花賞(1勝クラス)は直線で寄られながらも盛り返して差し切り、勝負根性をアピールした。姉兄が重賞勝ち馬で、血統的なポテンシャルも十分。長距離輸送をクリアできればチャンスは十分にある。

前走・エルフィンS(L)はクビ差の2着に惜敗。直線で馬場の悪い内を突いて伸び切れなかったが、負けて強しの内容だった。名牝スイープトウショウの孫で、父スワーヴリチャードは初年度産駒の現3歳世代が絶好調。警戒が必要だろう。

今週は8名の新人ジョッキーがデビューする。美浦所属は石神深道、大江原比呂、長浜鴻緒、坂口智康騎手の4名、栗東所属が柴田裕一郎、高杉吏麒、橋木太希、吉村誠之騎手の4名。このうち、大江原騎手は女性で、現役の女性騎手は合計7名となった。近年では2020年に泉谷楓真騎手、21年は小沢大仁騎手と永野猛蔵騎手、22年にも角田大河騎手が初騎乗で初勝利を記録している。今年のルーキーはデビュー日から勝利を挙げることができるか。

さて、土曜阪神のメインは上位3頭に桜花賞への出走権が与えられるトライアルのチューリップ賞。18年にG3→G2にグレードアップされ、春のクラシック戦線を占う上で重要なレースとなっている。本番と同舞台で行なわれることもあり、桜花賞に多くの連対馬を送り出している。過去10年のデータを参照にレース傾向を見てみたい。

連対馬は1−4、5−7、2−1、1−7、1−3、1−4、4−2、1=3、1−13、7−6番人気の組み合わせで決まった(21年1着同着)。1番人気は6勝、2着1回と人気に応えているが、2、3番人気が2、2連対とひと息の成績。代わりに人気薄の6〜13番人気から5頭が連対している。

馬連配当は
3 け た......4回
1000円台...1回
2000円台...1回
4000円台...1回
5000円台...1回
6000円台...1回
万 馬 券......1回

一昨年に13番人気が2着に食い込み、5万6300円とドーンと荒れ、4000〜6000円台の中穴配当も3回。伏兵馬の台頭に警戒したい。

一方、3着に6、2、10、2、2、7、1、4、2、2番人気が入った3連単配当は、3730円、3万円台、4万円台、1万円台、1950円、1万円台、1万円台、2710円=6990円(1着同着)、25万円台、15万円台。こちらは一昨年25万8360円、昨年も15万5330円と2年連続で6けた配当が飛び出している。

連対馬のクラス別は、重賞組12頭、オープン特別組3頭、1勝クラス組2頭、新馬組2頭、未勝利組1頭。格上のオープン組が75%を占めているが、格下の1勝クラス組以下にもチャンスは十分にある。

ステップは阪神ジュベナイルF組が9連対と他路線を圧倒し、離されてクイーンC組とエルフィンS組が2連対で続いている。今年の出走はエルフィンS組2頭と少ないが、別路線からG1朝日杯フューチュリティSとG3シンザン記念で牡馬に挑戦した2頭が参戦する。

キャリアは
1戦 【0.2.1.6】
2戦 【2.3.1.18】
3戦 【5.3.2.21】
4戦 【4.1.5.31】
5戦上【0.0.1.32】

連対率は22、21、26、12、0%。3戦馬が最多8連対を果たし、率でもトップに立っている。キャリア1戦馬や5戦以上馬は苦戦している。

所属別は
関東馬【3.2.2.11】
関西馬【8.7.8.97】
地方馬【0.0.0.1】

連対率はそれぞれ28、13、0%。関西馬が勝ち数で大きくリードしているが、率で関東馬が関西馬を上回っている。関東馬の出走は少ないが、目が離せない。

距離別は1400M組2頭、1500M組1頭、1600M組17頭。当レースと同距離からの臨戦馬が好成績を残している。(たま)


◎......スティールブルーは芝1600のデビュー戦を2馬身半差で圧勝。時計は平凡だったが、中団から32秒9で差し切った末脚は光った。ここ2戦のG3で3、4着と敗れているが、前走は序盤に行き脚がつかず後退しながらも、最後は0秒1差まで盛り返した。直線勝負に持ち込めば、重賞初奪取がかなう。

○......タガノエルピーダはデビュー勝ちから直行した前走・朝日杯フューチュリティSで0秒2差の3着。4コーナーで外へ膨れ気味になり、直線でもエンジン全開までに時間がかかったが、ゴール前の伸び脚は見どころがあった。牡馬相手に中身の濃い内容。G2戦に変わり、再度同じ舞台。重賞奪取で桜花賞へ向かいたい。

▲......スウィープフィートは阪神ジュベナイルFで出遅れて最後方からの競馬となり、4コーナーでも外を回るロス。それでも7着まで追い上げたのは能力のある証し。前走エルフィンSは馬場が荒れた内から伸びて2着に入り、改めて力を示した。スタートや口向きに課題を残すが、馬場のいい阪神に替われば突き抜けても不思議はない。

△1......ミラビリスマジックは中山芝1600Mで2連勝。デビュー戦は好位から楽々と抜け出すと、前走・菜の花賞は中団から直線で馬群を割って差し切った。スタートや立ち回りが上手く、展開に応じた競馬ができる。今回は長距離輸送で西下するが、不安より期待の方が上回る。

△2......ラーンザロープスはデビュー2戦目の札幌芝1500Mで初勝利。道中3番手につけ、直線で難なく差し切った。年明けはシンザン記念に出走して0秒3差の4着。直線で抜け出しを図るところを外から3頭の強襲にあったが、牡馬相手に善戦。牝馬限定の重賞なら好勝負になる。

△3......ガルサブランカはイクイノックスの半妹。デビュー戦は上がり3ハロン32秒8の末脚で、先行勢を一気に差し切った。前走ベコニア賞は前にいた勝ち馬に上手く乗られたが、ジワジワと伸びて半馬身差まで詰め寄った。ここまで2戦は左回りだったが、初の右回りで素質を開花できるか注目だ。