オープン入り後は善戦止まりが続いていたが、前走・ターコイズS(G3)で待望の重賞初制覇。これまでのような差す競馬ではなく、好位から正攻法の競馬で新味を見せた。勝利に導いたルメール騎手の継続騎乗は心強く、本格化した今ならトップハンデでも中心視できる。

七夕賞(G3)2着、中山金杯(G3)2着と牡馬相手の重賞で首位争い。距離不問で堅実に走り、明け6歳でも衰えはうかがえない。ひと息入ったものの、1週前に美浦Wコースで自己ベスト。休み明けも苦にしないタイプで、牝馬同士ならタイトルにも手が届きそうだ。

前走・愛知杯(G3)は初の2000Mで3着。トップハンデタイで差のない競馬をしており、負けて強しの内容だった。小回り向きの器用なタイプで、中山芝1800Mは前々走・ディセンバーS(L)で牡馬相手に2着。引き続き有力だろう。

新人8騎手が2、3日にデビューした。初日、小倉8Rで1番人気のアリスヴェリテ(牝4)に騎乗した柴田裕一郎騎手(18=栗東・竹中厩舎)が3戦目で一番星を挙げた。

さて、今週から開催中の中山、阪神に加えて中京競馬がスタートする。土曜、日曜に合わせて平地3重賞の豪華版。まずは土曜中山メイン・中山牝馬S(G3)のレース傾向を過去10年のデータを参考に見てみたい。

連対馬は1−10=4(2着同着)、3−4、4−1、5−1、6−2、5−3、3−14、7−5、15−12番、2−6人気の組み合わせで決まった。上位1〜3番人気は3、2、3連対と人気に応えられず、6〜15番人気から伏兵馬が7連対している。

馬連配当は
3 け た......2回
1000円台...2回
2000円台...3回
3000円台...1回
6000円台...1回
万 馬 券......2回

2020年に14番人気が2着に健闘して4万8730円の万馬券が出て、一昨年は人気薄の2けた同士のワンツーで10万6850円が飛び出す大荒れ。難解な牝馬のハンデ重賞。波乱含みとなっている。

一方、3着に10=4(2着同着)、5、15、7、9、11、1、6、1、5番人気が入線した3連単配当は、2万=3万、2万、17万、4万、5万、16万、35万、14万、173万、2万円台。4けた配当はなく、一昨年の173万馬券を含めて6けた以上の高配当が5回。特にここ5年は1番人気が3着2回と不振で、馬連、3連単ともに一筋縄では収まらない傾向を見せている。

連対馬21頭のクラス別は、重賞組14頭、オープン特別組3頭、3勝クラス組3頭、2勝クラス組1頭。重賞組が主力となっているが、オープン特別組以下からの食い込みに警戒したい。

ステップ(着順)は愛知杯(2、8、8、4、4、2着)組が6連対。次いでターコイズS(1、2、4着)組3連対、中山金杯(5、4着)組2連対の順。最多連対の愛知杯組は3着にも5頭が入線し、22年を除く9年で馬券対象となる奮闘を見せている。ちなみに今年は3頭が参戦している。

年齢別は
4 歳【3.3.1.32】
5 歳【6.6.4.40】
6 歳【1.2.1.41】
7歳上【0.0.3.9】

連対率は15、21、7、0%。5歳馬が12連対でトップ。これを4歳馬が6連対で追っている。6歳馬は3連対で連対率も1ケタとなり、信頼度は低くなる。

所属別は
関東馬【5.7.3.61】
関西馬【5.4.6.61】

連対率は16、12%。地元で戦える関東馬が関西馬を一歩リードしている。

連対馬のハンデは(53、53=52)(54、54)(54、56)(53、56)(53、54)(54、53)(52、50)(55、52)(53、56)(54、52)キロで決着。53キロと54キロがそれぞれ6連対、52キロ4連対、56キロ3連対、50キロと55キロが1連対。斤量による有利不利はあまり気にしなくても良さそうだ。(たま)


◎......コスタボニータは昨年、札幌のクイーンSから4戦して3、8、2、3着。2戦目の府中牝馬Sこそ掲示板を外したが、ほかはクビ〜0秒2差で馬券圏を確保している。芝1800Mは【1.1.1.2】と悪くなく、2走前にこの舞台でクビ差2着。好相性の愛知杯からの臨戦で重賞初勝利を決める。

○......ククナは前走・中山金杯で2着。スタートで後手に回り、1コーナーで接触もあったが、中団で我慢。直線で勝ち馬に半馬身差まで迫った。斤量は重くなるが、牡馬相手から牝馬同士。速い流れになると追走に苦労するが、瞬発力勝負は得意。ラストランをVで飾りたい。

▲......クリノプレミアムは2走前の中山金杯で2着のククナと0秒3差の6着。前走・小倉大賞典は勝負どころの反応がひと息だったが、直線で差を詰めて6着と地力の高さを見せた。明け7歳となり年齢的に狙いづらい面もあるが、一昨年の優勝馬で、昨年は5着。うまくかみ合えばチャンスはある。

△1......フィアスプライドは前走ターコイズSで4番手を追走し、馬群の中から抜け出して快勝。昨年の同レース3着後も末脚を武器に善戦を続けていたが、前走は好位でうまく立ち回って待望の重賞初制覇を飾った。トップハンデとなる初の56キロを背負うことで評価を下げたが、重賞連勝も十分狙える。

△2......タガノパッションは格上挑戦だった前走・愛知杯で半馬身差の2着。好枠3番から中団につけ、4コーナーでタイミング良く動き、差し切るかの勢いを見せた。重賞でも十分に通用することを証明。ハンデ据え置きの53キロなら引き続き上位争いになる。

△3......ヒップホップソウルは前走ターコイズSで2番人気に推されたが、8着に敗退。スタートでバランスを崩し、スローの流れも合わず直線で伸び切れなかった。本来、中山コースはフラワーC2着、紫苑S2着の実績があり、1800Mへの距離延長も好材料。巻き返しがあっても驚けない。