天皇賞・秋(G1)で古馬を一蹴。昨年の3冠馬コントレイルなどの一線級をまとめて破り、高らかに世代交代を告げた。デビューから(5.1.0.0)と底を見せておらず、唯一の敗戦は日本ダービー(G1)のハナ差2着。皐月賞(G1)を快勝した実績から中山へのコース替わりも不安はない。ファン投票1位に応え、現役最強を証明する。

夏の宝塚記念(G1)を快勝し、グランプリ3連覇を達成。前走・凱旋門賞(仏G1)は欧州の道悪に苦戦して7着に終わったが、帰国後はリフレッシュ放牧を挟み、有馬記念に向けて入念に調整されてきた。小回り向きの器用さが光り、今回のメンバーでは実績&舞台適性ともに断然上位。ラストランとなるこの有馬記念で史上初のグランプリ4連覇を果たし、有終の美を飾りたい。

今年の牡馬クラシック3冠で3、3、4着。春の日本ダービーではエフフォーリアと0秒2差に善戦するなど、ハイレベルと言われる現3歳世代の中でもトップクラスの能力を誇る。追い込み一手のタイプではあるものの、全8戦中5戦でメンバー最速の上がりをマーク。末脚勝負になれば、待望のG1タイトルも見えてくる。

ファン投票1〜3位の上位3頭がそろって出走する豪華版。1位エフフォーリアは6戦5勝、唯一の敗戦がハナ差2着のダービーと全く底を見せていない。史上初のグランプリ4連勝で引退に花を添えたい女王クロノジェネシス、菊花賞を圧勝した勢いでG1連覇を目指すタイトルホルダー。ほかにも4年連続参戦、ラストランで意地を見せたいキセキ。さらに354キロ(前走)の最軽量馬メロディーレーンが参戦するなど話題は尽きない。2021年を締めくくるグランプリ「有馬記念」は26日、中山競馬場(15時25分)でゲートインする。

過去10年、連対馬は1−7、1−10、1−4、4−9、8−5、1−2、1−8、3−1、2−3、1−11番人気の組み合わせで決まった。上位1〜3番人気は7、2、2連対。1番人気は6勝2着1回と上々の成績だが、2、3番人気が2、2連対と不振。代わりに、人気薄の7〜11番人気から6頭が連に食い込んでいる。

馬連配当は
3 け た......3回
2000円台...1回
3000円台...3回
6000円台...1回
万 馬 券......2回

14年に4、9番人気の順でゴールして1万2350円の万馬券が出て、昨年も1万330円と荒れた。ただ、残る8回は3けた配当を含めてすべて7000円未満で決着。フルゲート16頭でも意外にも波乱度は低い(11年は13頭立て)。

また、3着に9、2、2、1、4、3、3、9、4、2番人気が入線した3連単配当は、7万円台、2万円台、5240円、10万円台、12万円台、3940円、2万円台、2万円台、5万円台、5万円台。こちらは4けた配当ですんなりと決まった年もあるが、10万、12万円台の高配当が飛び交う荒れ模様。穴党には3連単をお勧めしたい。

連対馬20頭のクラス別は、G1組17頭、G2組3頭。G2組以下は苦戦中で、3着を見ても10頭すべてをG1組が占めてる。G2組以下をバッサリ切り捨てたい。ちなみに、ここ5年G2組の連対はない。

前走成績は【8.2.3.2.1.4】(1〜5着、着外)。優勝馬10頭に限ると全馬4着以内に好走、前走不振のVは見られない。なお、掲示板を外した4頭は、G1からの臨戦で8、16、7、6着だった。

路線別(着順)は、ジャパンC(8、4、5、1、3着)組と菊花賞(1、1、16、1、4着)組が5連対でトップを争い、天皇賞・秋(1、6、3着)組が3連対で続き、2連対でエリザベス女王杯(7、2着)と金鯱賞(1、3着)組が並んでいる。残る3頭のステップは凱旋門賞(仏=2着)、コックスプレート(豪=1着)アルゼンチン共和国杯(1着)となっている。

所属別は関東馬が【2.1.2.33】、関西馬は【8.9.8.94】。連対率は8、14%。関西馬が関東馬を圧倒している。

年齢別は3〜7歳上馬が22、45、56、17、17頭出走して、6、7、7、0、0連対。連対率は27、16、13、0、0%。3〜5歳馬がほぼ横一線で並んでいるが、率で3歳馬が世代をリードしている。

性別は牡馬が130頭出走して15連対(連対率12%)、牝馬は27頭で5連対(同19%)。連対数で牝馬は劣勢だが、率で牡馬を逆転。ここ2年は2勝2着1回の活躍を見せている。

多頭数戦で枠番も気になるところ。その枠番別の成績を見てみると、

1枠【1.1.1.16】
2枠【1.2.0.16】
3枠【2.2.0.15】
4枠【2.1.1.16】
5枠【1.2.3.14】
6枠【2.1.1.16】
7枠【1.1.3.15】
8枠【0.0.1.19】

連対ゼロの鬼門8枠を除くと、1〜7枠からそれぞれ2〜4頭が連対。内外による有利不利は神経質にならなくても良さそうだ。(たま)


◎......エフフォーリアは前走で3冠馬コントレイル、女傑グランアレグリアを真っ向勝負で下した。3歳馬による「盾」制覇は祖父シンボリクリスエスに続く快挙。ここまで6戦5勝。ダービーでハナ差2着に敗れたが、次世代を牽引するにふさわしい実力馬だ。

○......ステラヴェローチェは今年クラシック3冠で3、3、4着とすべて掲示板を確保した。なかなか勝利の女神は微笑まないが、ダービーはエフフォーリアと0秒2差。タイトルホルダーには先着している。前走は馬券に絡めなかったが、世代トップクラスの能力を備えている。

▲......ディープボンドはフォワ賞を勝利した勢いで挑んだ凱旋門賞で14着。直線入り口から仕掛けたが、道悪や重い斤量で余力は残っていなかった。春に阪神大賞典を快勝し、天皇賞(春)2着と実績はここでも通用する。遠征の疲れが出なければ、好勝負に持ち込める。

△1......クロノジェネシスは20年の宝塚記念→有馬記念→今年の宝塚記念とグランプリ3連勝。持久力が問われる舞台で無類の強さを発揮してきた。ただ、過去に4連覇の例はなく、5歳牝馬が道悪の前走・凱旋門賞で受けたダメージも半端でないはず。△印にとどめた。

△2......タイトルホルダーは皐月賞2着、ダービー6着、菊花賞1着。春は勝ち切れなかったが、ラスト1冠を堂々ともぎ取った。先行タイプに中山はぴったりで、同年の菊花賞馬が3勝のデータも心強い。鍵は鬼門の16番枠と同型馬をどうさばくかだろう。

△3......アカイイトはエリザベス女王杯を3コーナーから一気にまくって2馬身差の圧勝。10番人気の低評価を覆して初戴冠を果たした。前走が目イチの仕上げで大きな上積みは見込めないが、G1勝利は底力があればこそ。決して侮れない。