5月のヴィクトリアマイル(G1)ではアパパネ、ブエナビスタに次ぐ3着。現役最強クラスを相手に好走した内容から、牡馬が相手でも能力は全く引けを取らない。前走のクイーンS(G3)では6着に敗れたが、休み明けの不利があった。先行した当馬には展開が厳しかったことも考慮すれば、勝ち馬から0秒2差の結果は決して悲観することはない。直線に坂のあるコースと相性が良く、阪神は全4勝を挙げている得意舞台。まだ2000Mに勝ち鞍はないものの、昨年の秋華賞(G1)で0秒3差の5着なら十分に守備範囲だろう。1度叩いた上積みも見込める今回は巻き返しの可能性大だ。

重賞3勝の実力馬。前走の小倉日経OPでは、これまでの追い込み一辺倒から一転、4角2番手という積極策で2着に入った。勝ち馬のガンダーラにはクビ差及ばなかったものの、58キロを背負っていたことを考えれば勝ちに等しい内容と言える。56キロで出走できる今回は条件好転。使いつつ状態もさらに上がってきた。実績的に平坦コースがベターだろうが、軽視すると痛い目にあいそうだ。

昨年の毎日杯(G3・2着)で、のちのG1馬・ダノンシャンティを相手に善戦した素質馬。一介の上がり馬という評価では危険な存在であり、重賞のメンバーが相手でも決して侮れない。帰厩後は日を追う毎に良化しており、前走から約2カ月空いた影響はなさそう。1ハロンの延長に不安はあるものの、有力視すべき1頭だろう。

電力不足の不安を抱えながらの夏競馬は幕を閉じ、今週から中央場所は中山、阪神に舞台を移して秋競馬がスタートする。

さて、開幕週を飾る土曜メーンは朝日チャレンジC。過去10年の連対馬は1-3、5-2、2-10、1-5、1-6、7-1、1-3、1-4、1-4、2-3番人気で決着した(06年は中京競馬)。1番人気は7連対と人気に応え、2、3番人気も各3連対。上位人気馬の活躍で伏兵馬の出番は少ない。

馬連配当は3けた4回、1000円台4回、2000円台1回、万馬券1回。03年に10番人気が2着に飛び込んで1万6790円と荒れたが、9回は3000円未満でほぼ平穏に収まっている。

連対馬のクラス別は重賞組19頭、準オープン組1頭。条件組は苦戦傾向を見せているが、3着には4頭が入線している。ちなみに2着とは、0秒2、クビ、1馬身半、半馬身の小差だった。

路線別は5連対の小倉記念組がトップ。3連対でエプソムC組、2連対でダービー組と新潟記念組が続いている。

牡馬は104頭出走して19連対(連対率18%)、牝馬が13頭で1連対(同8%)。昨年、牝馬のプロヴィナージュが一矢を報いたが、ここまでは厳しい戦いを強いられている。

東西対決は関東馬11頭と関西馬106頭で争い3対17。関西馬が関東馬を圧倒している。


◎……前走の小倉日経オープンでサンライズマックスはクビ差の2着。抜群の手応えで直線を向きながら勝ち切れなかったのは、重馬場での58キロが思いのほか響いたか。今回は休み明け3戦目の走りごろ。別定戦に変わり2キロ減の56キロも有利だ。

○……2番人気に支持された前走・小倉記念でアドマイヤメジャーは10着。行くところ行くところで前が壁になり脚を余した。相性のいい阪神に替わるのは好材料。スムーズな競馬で巻き返す。

▲……ミッキードリームは1000万下、準オープンを連勝中。今回昇級戦となるが、昨年の毎日杯で後のNHKマイルCを制したダノンシャンティを相手2着した力量馬。一息入ったがG3戦なら互角に戦える。

△1……ヴィクトリアマイルでレディアルバローザは、クビ+クビの3着。直線で一旦は押し切るかの勢いの脚色だっただけに惜しい一戦だった。前走のクイーンSでは3カ月ぶり、初の洋芝で小差の6着。2000Mさえ克服できれば首位争いに食い込める。

△2……小倉日経オープンでエーシンジーラインは逃げて3着。4コーナーで早めに先頭に立ったが、しぶとい粘りを発揮して0秒1差に踏みとどまった。開幕週の高速決着は歓迎。マイペースの展開に持ち込めればスピードで押し切っても驚けない。