昨年の高松宮記念(G1)優勝を含む重賞3勝の実績はメンバー最右翼の存在。連覇を狙った前走の高松宮記念は,痛恨ともいえる出遅れで3着に敗れたが,4角14番手の位置から猛然と追い込んで0秒2差にまで詰め寄った内容は,まさに「負けて強し」の競馬だった。当該条件の芝1400Mは(1・1・1・0),東京コースは(1・1・2・1)と死角が見当たらない。芝では20戦して13戦で上がり最速をマークしている末脚は,破壊力・安定感ともに抜群で,今回も「不発」のシーンを想像することは難しい。

昨秋のスワンS(G2)で念願の重賞初制覇。それまでは,OP特別では強いが重賞では凡走の多い,いわゆる「OP大将」だったが,スワンSに続くマイルCS(G1)でもダイワメジャーのクビ差2着に詰め寄ってみせ,完全本格化を印象づけた。前走の高松宮記念(G1)では5着に敗れたが,休み明け,初の1200Mに加え,スタートで出遅れる不利がありながらも0秒3差にまで詰めた内容は高く評価できる。一度使われての上積みと,距離延長の利は大きく,懸念されている輸送を克服できれば,2つめの重賞制覇の可能性も高い。

高松宮記念(G1)を除外,確勝を期して臨んだ前走の春雷S(OP)だったが,牝馬・ウエスタンビーナスの逃げを捕らえられなかったばかりか,ゴール前では10歳馬・リキアイタイカンに差されて3着に。NHKマイルC(G1)3着,スプリンターズS(G1)3着の実力馬だが,詰めが甘く,なかなか勝ち切れない。今後もG1路線を転戦するには賞金加算が至上命題なだけに,取りこぼしは少なくしたい。NHKマイルC以来の東京コース,内田博幸騎手への乗り替わりで,巻き返しを図る。

過去10年,連対馬は(1)(8),(1)(4),(5)(2),(2)(7),(11)(6),(5)(6),(2)(5),(6)(5),(3)(5),(5)(9)番人気で決まった。上位人気は精彩を欠き,代わりに6番人気以下から7頭が連対している。

馬連配当は1000??3000円台5回,4000??8000円台4回,万馬券1回。3けた配当で決着したことはないが,万馬券も1回だけ。中穴狙いをお勧めしたい。

連対馬の前走は重賞組16頭,オープン特別組2頭,1600万下組2頭。ステップはマイラーズC組が5連対でトップ。ダービー卿CT組が4連対,高松宮記念組と谷川岳S組が2連対で続いている。

年齢別は4??8歳上馬が51,48,35,24,11頭出走して,7,5,6,2,0連対で,連対率は14,10,17,8,0％。4歳馬が連対数でリードしているが,ここ4年は5歳馬と6歳馬によるワンツーが続き,4歳馬の出番はない。

キストゥヘヴンは前走ダッシュが鈍く後方。直線,馬群の中から追い上げたが,スローの流れに決め手を封じられて4着と敗れた。06年の桜花賞馬。展開が向けばG1馬の末脚が爆発する。

馬単は(6)←→(2),(6)←→(16),(6)←→(13),(6)←→(3),(6)←→(12)。3連単は(6)←→(2)から(16)(13)(3)(12)と,(6)←→(16)から(2)(13)(3)(12)への3着流し。