昨年の朝日杯FS(G1)を制した2歳チャンピオン。皆勤だった3冠レースは健闘止まりだったが,上がりの3ハロンは堅実に上位の脚を使っている。神戸新聞杯(G2)では,菊花賞馬のアサクサキングスなど,同世代のトップクラスをたちまち差し切ったように,展開がハマった時は抜群の強さを見せる。折り合い面に懸念があることから,距離は短い方が向くタイプ。古馬との初対戦でも好勝負できるはずだ。

人気薄だった秋華賞(G1)で0秒2差の2着に好走。勝ち馬のダイワスカーレットが,次走のエリザベス女王杯(G1・当馬は熱発で回避)で古馬をアッサリと一蹴したことから,この価値はさらに高まった。今週の追い切りでは,栗東CWコースで6ハロン79秒台をマークしており,熱発によるダメージは見受けられない。引き続き,舞台は相性の良い阪神コース。有利な斤量差も加味すれば,紅一点での参戦でも主役級の扱いが必要だ。

ダービー(G1)3着の実績馬。1月のシンザン記念(G3)では,後に変則3冠を達成するダイワスカーレットを下しているように,能力は世代トップクラスの1頭だ。瞬発力に優れたタイプだけに,距離が短縮される点は好材料。ただ,今回は骨折明けで半年ぶりの実戦。先月末には熱発もあるなど,臨戦過程は決して順調とはいえない。優秀なキャリアは魅力だが,ここは3番手評価までが妥当とみる。

06年に芝2000メートルのハンデ戦から,別定戦の1800メートルに条件変更された。

その昨年は好スタートを切った2番人気のマルカシェンク(3歳牡馬)が,意表を突く逃げ。道中楽な手応えで直線を向くと,後続を突き放しにかかる。しかし,3番手追走の1番人気サクラメガワンダー(3歳牡馬)が,内から一間歩ごとに差を詰めゴール前で計ったように差し切った。マルカシェンクが2着に逃げ粘り,3着は馬群から脚を伸ばした3番人気ホッコーソレソレー(4歳牡馬)が突っ込んだ。

多頭数の17頭立て。1番人気の単勝が3・7倍で混戦模様だったが,終わってみれば1,2,3番人気の順でゴールした。馬連＝1400円,馬単＝2380円,3連複＝2870円,3連単＝1万2490円。紛れの少ないコースに加え,ハンデ→別定戦で人気通りの決着となった。

上位3頭のステップは,天皇賞・秋(9着),マイルチャンピオンS(12着),カシオペアS(2着)。G1からの参戦なら前走着順に関係なく巻き返している。

前走のトウショウカレッジは向こう正面でかかり,直線でも前が壁になる不利。脚を余して馬群に沈んだが,阪神外回りは直線が474メートルと長い。エンジン全開なら自慢の末脚がさく裂する。

馬単は(9)←→(3),(9)←→(11),(9)←→(6),(9)←→(12),(9)←→(15)。3連単は(9)←→(3)から(11)(6)(12)(15)と,(9)←→(11)から(3)(6)(12)(15)への3着流し。