前走・桜花賞(G1)は単勝1.6倍の断然人気に応えて快勝。スタートで行き脚つかず後方からの競馬となったが、直線一気で豪快に差し切った。上がり32秒9と決め手抜群で、走破時計も文句なし。2400Mは初だが、距離が延びて追走が楽になる点はプラスだろう。ひと叩きされデキも更に良化しているため、2冠達成の期待は十分とみる。

こちらは桜花賞(G1)4着馬。勝負どころでの反応が鈍く善戦止まりだったが、上位とはマイル適性の差が出た印象だ。終いは粘り強く伸びていたように、距離延長で良さが出そうなタイプ。東京コースはクイーンC(G3)を勝っており、長距離輸送や左回りは克服済みだ。逆転勝利で戴冠を狙いたい。

キャリア2戦で臨んだ桜花賞(G1)で見せ場十分の3着。外枠から好位を確保すると、正攻法の競馬でリバティアイランドから0秒2差に踏ん張った。一昨年の年度代表馬エフフォーリアの半妹で、血統はメンバー屈指。コース、距離ともに初だが、ポテンシャルの高さで克服しても驚けない。

イギリスのオークスを模範に1938年(昭和13年)に創設された。戦前は「阪神優駿牝馬」として旧鳴尾競馬場(兵庫県)で開催されていたが、戦争による中断を挟み、46年に東京競馬場で「優駿牝馬」として復活。当初は秋に行われていたが、53年から現在の春開催に変更された。

東京5週連続のG1もヒートアップ。今週は牝馬3冠ロード第2ラウンド・樫の女王決定戦が行われる。タフな府中の2400Mに3歳牝馬が挑む。圧倒的なパフォーマンスで桜花賞を勝利した名牝候補リバティアイランドがあっさり2冠を手中にするか。それともライバル17頭の中から1強の牙城を崩す馬が出現するか。2013年からの10年のデータでレース傾向を探ってみたい。

連対馬は9−5、2−1、3−1、1−2、1−6、1−4、1−12、1−7、3−2、3−10番人気の組み合わせで決まった。1番人気は5勝、2着2回と期待に応え、2、3番人気も3、3連対と悪くない。ただ、6〜12番人気からも5頭が連対。伏兵馬も虎視眈々と戴冠を狙っている。

馬連配当は
3 け た......2回
1000円台...4回
2000円台...1回
8000円台...1回
万 馬 券......2回

10回中7回は3000円未満に堅く収まっているが、9番人気が勝利した13年に1万3880円、12番人気が2着に健闘した19年にも2万5140円の万馬券が出ている。

一方、3着に1、3、6、5、2、2、2、13、16、4番人気が入った3連単配当は、15万円台、1万円台、2万円台、5790円、2万円台、3360円、17万円台、4万円台、53万円台、11万円台。こちらも11〜53万円台の高配当が4回も飛び出す波乱となっている。

連対馬20頭の前走成績は【11.2.4.1.0.2】(1〜5着、着外)。前走3着以内が理想だが、桜花賞からの臨戦なら4、9、10着からでも巻き返しが可能となっている。

ステップは
桜花賞 【7.4.5.62】
フローラS 【1.4.2.38】
忘れな草賞 【2.0.1.9】
フラワーC 【0.1.0.8】
スイートピーS【0.1.0.13】

連対率はそれぞれ14、11、17、11、7%。王道の桜花賞組が強く、他路線を大きくリード、19年以外は連対馬を出している。

路線別は
2戦 【0.0.0.6】
3戦 【2.0.1.15】
4戦 【3.4.3.25】
5戦 【2.5.4.28】
6戦 【3.0.2.33】
7戦上【0.1.0.40】

幅広いキャリアから連対しているが、3〜6戦なら合格点で、さらに絞ると4、5戦が有力となっている。

所属別は
関東馬【5.6.2.64】
関西馬【5.4.8.83】

連対率は率はそれぞれ14、9%。勝利数は互角でも連対率で関東馬が一歩リードしている。

毎年フルゲート18頭立てで、枠順も気になるところ。枠別成績を見ると、
1枠【1.3.2.14】
2枠【3.0.0.15】
3枠【0.0.2.17】
4枠【0.1.3.16】
5枠【3.2.0.15】
6枠【0.0.0.20】
7枠【2.3.1.24】
8枠【1.1.2.26】
(15年3番、18年4番が取り消し、22年は5番除外)

内の1〜4枠が【4.4.7.62】、外の5〜8枠は【6.6.3.85】。外枠が優勢だが、3着数では内枠が外枠を上回っている。なお、3、6枠からまだ連対馬は出ていない。この2枠はいわゆる死に目だが、確率論的にはいつ連対馬が出現してもいい状況。本命党は3枠リバティアイランドを信じ、穴党は外す手もありそうだ。(たま)


◎......リバティアイランドはデビュー2戦目を取りこぼしたが、阪神ジュベナイルF、桜花賞を制してG1連勝。前走はとても届かないかと思われる4コーナー16番手から一気にごぼう抜き。圧倒的なパフォーマンスでライバル陣営のド肝を抜いた。2冠制覇は濃厚。名牝候補はここも通過点にするか。

〇......コナコーストは桜花賞で0秒2差の2着。2番手追走から直線で3着馬との競り合いを制し、1冠を手中にしたと思ったところで勝ち馬の強襲にあった。デビュー勝ちの後3戦続けて2着に敗れているが、レース巧者で末脚も堅実。いつG1に手が届いても不思議ない能力を備えている。

▲......ライトクオンタムは新馬戦を楽々と逃げ切り勝ち。その勢いで臨んだシンザン記念で牡馬相手に堂々の重賞初制覇を飾った。ディープインパクトの最終世代として注目を集め、2番人気に支持された桜花賞は8着。結果は残せなかったが、モマれる競馬を経験できたのは大きな収穫になったはず。逆襲が期待できる。

△1......ドゥアイズは1勝馬ながら重賞で賞金を積み、オークスに駒を進めてきた。阪神ジュベナイルFが0秒4差の3着、桜花賞は0秒6差の5着。反撃は楽ではないが、桜花賞は終始馬混みの中、直線も進路を探りながら伸びて大きく崩れなかった。東京はクイーンC2着とコース適性は高い。

△2......ソーダズリングはデビューが今年2月と遅かったが、2戦目の未勝利戦を2馬身半で圧勝。初の重賞挑戦となったフローラSは見せ場を作って2着に入り、優先出走権をつかみ取った。逃げた勝ち馬をとらえ切れなかったが、キャリア3戦を思えば上々。ハーツクライ産駒で長距離にも不安はない。

△3......ラヴェルはここ2走の敗退で評価を下げているが、新馬戦、アルテミスSと連勝したエリート。重賞初制覇を飾ったアルテミスSで女王リバティアイランドに唯一土をつけた。前走は休み明け、スタートでダッシュがつかずに後方からとなり、直線でも前をカットされるなど不利も重なった。大駆けの下地はある。