今年はデビューから4戦全勝のフサイチホウオーに,トライアル勝ちの3頭が顔をそろえたハイレベルの混戦となった。
過去10年,1??3番人気は5,3,2連対。上位人気は精彩を欠き,代わりに6番人気以下から9頭が連対している。馬連は4回が3けた配当??1710円と堅く収まる一方で,万馬券が3回(うち2回は5万馬券)も飛び出す両極端の結果となっている。
連対馬20頭中16頭は前走重賞組で,残る4頭がオープン特別組。路線別はトライアル組が強く,連対馬の18頭までを占めている。その内訳は弥生賞組とスプリングS組がそれぞれ7連対で,若葉S組4連対となっている。なお,該当しない2頭は毎日杯組とアーリントンC組だった。
連対馬のキャリアは3??9戦まで幅広く出ている。キャリア2戦以下や10戦以上の連対例はなく,ココナッツパンチ(2戦)やナムラマース(10戦)には気になるデータだ。
1勝馬は04年にダイワメジャーが勝ち,05年にシックスセンスが2着に食い込んだが,この2頭を除くと過去20年にさかのぼっても連対例は見られない。2勝以上馬を狙いたい。
関東馬は63頭が出走して6連対(連対率9.5%),関西馬が115頭で13連対(同11.3%)。関西馬が連対数,率で関東馬をリードしている。
◎…アドマイヤオーラは弥生賞を直線で若さを見せながら快勝した。2着のココナッツパンチに首差に迫られたが,直線で馬体を並べられると再び伸びる勝負根性を見せた。勝ちタイム2分0秒5も優秀で,本番と同距離,同舞台を経験したアドバンテージも大きな強み。まずは1冠を制す。
○…ドリームジャーニーは弥生賞でアドマイヤオーラに0秒3差の3着。直線で内外から寄られて後退したが,スムーズならもっと着差は際どかった。昨年の東京スポーツ杯2歳Sでも出遅れながらフサイチホウオーと0秒1差。416キロの小柄な馬体だが末の切れ脚は一番。2歳王者の巻き返しがあっても不思議はない。
▲…フライングアップルはこれまでの末の甘さを返上する鋭い決め手を発揮してスプリングSを制覇した。デビュー以来7戦して,3勝,2??4着が2,1,1回と1度も掲示板を外していない。フサイチホウオーと2度対戦しているが差のない勝負をしており,上位2頭に割って入る地力を秘めている。
△1…フサイチホウオーは4戦全勝でクラシックに駒を進めてきた。実績一番は疑いようもないが,気になる材料もある。(1)共同通信杯から直行した馬は過去20年さかのぼっても1頭も出ていない。(2)安藤勝は「いつも楽勝してきたわけではない」。聞きようによっては「よく勝てた」と言っている。(3)2カ月半ぶりの影響か,最終追い切りがピリッとしなかった。(4)馬券的な妙味が薄い。 以上,4点の理由で今回は押さえに回した。
△2…エーシンピーシーは前走スプリングSでしぶとく粘って3着。フライングアップルの決め手に屈したが,積極的なレースで皐月賞への出走権を確保した。一瞬の脚はないが,前々で競馬ができるのは大きな武器。実績では見劣るが混戦になればチャンスはある。
△3…ナムラマースは未勝利から3連勝,札幌2歳Sを制覇。その後,ラジオNIKKEI杯2歳Sときさらぎ賞で惜敗したが,前走で毎日杯を圧勝した。キャリア10戦以上の連対例がないのは気になるが,スムーズな競馬ができれば上位争いできる能力を秘めている。