今年はJRAと地方交流を合わせてダートG1馬7頭が結集する大激戦となった。ダート初のG1に昇格した97年からの過去9回のデータで,レース傾向を探ってみたい。
連対馬は6??1,6??8,2??7,4??2,5??2,1??4,1??3,1??3,1??5番人気の組み合わせで決まった。
1番人気は5連対とほめられる数字ではないが,目下4連勝と勢いがある。馬連は98年に1万1730円の万馬券が飛び出していが,残る8回の最高配当は3720円。極端な人気薄の連対はなく,比較的堅く収まっている。
18頭すべてが前走重賞(地方交流レースを含む)で,内訳はG1組8頭とG3組10頭。そこでの成績は04年のサイレントディール7着以外は5着までに入っている。
路線別は6連対の平安S組がトップで,東京大賞典組4連対,2連対でジャパCダート組,根岸S組などが続いている。ただ,最多6連対の平安S組は最近5年に限るとわずか1連対と不振。代わりに東京大賞典組が3連対の活躍を見せている。
年齢別は4??7歳馬が37,33,42,31頭出走して9,6,2,1連対。連対率は順に24.3%,18.2%,4.8%,3.2%。連対数,率でトップの4歳馬が世代をリードしている。
関東馬は42頭で2連対(4.8%),関西馬が86頭で14連対(16.3%)。関西馬が抜群の成績を残している。なお,地方馬は15頭が出走して2連対(13・3%)。連対率で関東馬を上回っている。
◎…ブルーコンコルドで勝負する。前走ガーネットSは59キロの重量を背負った上に馬体15キロ増。それでも0秒4差の5着と大崩れしなかった。2歳時に京王杯2歳Sを制して能力の高さをアピールしたが,3,4歳時代は成績が上がらず低迷。しかし,昨年,休養明けの京葉Sで2着するとG3を2連勝して,続く統一G1のJCBスプリントでも後続を5馬身ちぎった。マイルへの距離延長は好材料で,中央G1初制覇のチャンスだ。
○…相手はリミットレスビッド。昨秋,休養明け3戦目でガーネットSを快勝すると,続く根岸Sも2着を2馬身突き放した。2連勝のローテーションでこのレースを迎えるのは,昨年の覇者メイショウボーラーと全く同じ。人気はないが,別定戦で前走据え置きの57キロなら3連勝も十分視野に入ってくる。
▲…昨年の最優秀ダート馬カネヒキリが,満を持して登場してきた。ダートは8戦7勝で,交流G1を含め3勝はここで最右翼の存在だ。ただ気になる材料もある。3カ月ぶりとスタートから約100Mの芝。ユニコーンSではダッシュがつかず,武蔵野Sではつまずいて初黒星(2着)を喫した。芝からのスタートは鬼門だけに今回は3番手評価に留めた。
△…サンライズバッカスは前走根岸Sで4着。スタートを決めれず,直線でも窮屈になり脚を余していた。3走前の武蔵野Sで唯一カネヒキリを破り,ジャパンCダートでも0秒2差の5着。このメンバーでも十分通じる能力を備えている。
△…シーキングザダイヤはG1で6回2着。ここ3戦も連続2着中で,着差がハナ,1馬身半,クビだった。あとひと押しがなく惜敗を続けているが,相手なりに走る勝負強さを見せている。「銀はいらない金メダルを」の心境だろうが,昨年10月から使い詰めの疲れが出てもおかしくない。過大な期待は禁物だろう。
△…アジュディミツオーは統一G1の東京大賞典と川崎記念を逃げ切りV。シーキングザダイヤとタイムパラドックスを破って能力の高さをアピールした。ただ,今回は実績のない東京コースに変わり,同型馬も多く楽な展開は望めない。恵まれての2,3着争いと見たい。