96年に3歳牝馬の秋華賞が新設されると,古馬混合の牝馬G1レースに変更された。
2200Mで行われた過去9回,1??3番人気は5,6,3連対。上位人気は上々の成績で,18頭中17頭までが5番人気以内。毎年,1,2番人気のどちらかが必ず連に絡んで,馬連最高は99年の5270円で,平均が2000円。牝馬限定戦でも比較的平穏に収まっている。
連対馬18頭すべてが重賞戦をステップに参戦し,前々走を見ても17頭までが重賞。前2走がオープン以下の馬は減点対象にしたい。路線別は府中牝馬S組7連対,秋華賞組5連対,京都大賞典組2連対。府中牝馬S組が好成績を挙げている。ただ,秋華賞からのローテーションが中2週から中3週に改正された00年以降で見ると,秋華賞組が5年間で4連対。出走間隔が開いて調整の楽になった秋華賞組を警戒したい。
年齢別は,7歳馬以上の出走はなく,3??6歳馬が51,48,35,7頭出走して5,9,4,0連対。4歳馬が連対数,率で他世代を押さえている。
重賞実績は96年のフェアダンスと97年のエリモシック以外はすでに重賞ウイナーで,この2頭もG1で3着と2着の実績があった。関東馬VS関西馬は27頭と111頭で争い,3対15。地の利を生かした関西馬が,関東馬を大きくリードしている。なお,3頭参戦した外国馬は3,8,15着の成績だった。
◎…昨年,オースミハルカは2番手に付けてマイペースで追走。ゴール前でアドマイヤグルーヴの強襲にあったが0秒1差2着に粘った。その昨年は府中牝馬Sを勝っての参戦だったが,今年は3着。前哨戦で2つ順位を下げたが,その分単騎逃げの見込めるメンバー構成になった。重賞4勝馬が,あっと言わせるシーンを演出しても驚けまい。
○…スイープトウショウは天皇賞(秋)で上がり32秒8の脚を使いながら5着。前半の1000M通過が62秒4という超スローの流れでは仕方ないか。東京コースでは馬場入りを嫌がり,返し馬もできなかったが,京都では過去一度も駄々をこねていない。春の宝塚記念で牡馬を一蹴した決め手は一級品。前走の反動さえでなければ勝ち負けになる。
▲…エアメサイアは桜花賞4着,オークス2着。G1級の破壊力を秘めながらクラシックを勝ち切れなかったが,前走秋華賞でラインクラフトを降して念願のビッグタイトルをつかんだ。古馬一線級が相手で楽な競馬は望めないが,今が伸び盛りの3歳馬。鞍上もエリザベス女王杯4連覇中の武豊騎手ならG1連勝の可能性は大きい。
△…ヤマニンアラバスタは1000万下を勝ち,新潟記念,府中牝馬Sと重賞を連勝し現在3連勝中と,目下絶好調。昨年,紫苑Sで降着処分を受けた後,リズムに乗れず低迷していたのがうそのようにパワーを付けた。能力はここでも互角だが,問題は今夏の連戦の疲れと関西への長距離輸送の馬体減り。それをクリアできれば上位争いの可能性は十分ある。
△…レクレドールは前走府中牝馬Sで伸びを欠いて7着に敗れたが,前々走のクイーンSで後の天皇賞(秋)馬のヘヴンリーロマンスをハナ差押さえて1着でゴールした。ステイゴールドの全妹で重賞2勝馬。ムラ駆けの傾向があるが,間違いなくG1級の決め手を秘めている。
△…ショウナンパントルは秋初戦の紫苑Sで2着と好発進を決めた。前走の秋華賞はスタートで後手に回り,直線で伸びを欠いて8着に敗れたが,春のクラシック戦線で健闘を重ねてきた。牝馬離れした勝負根性で2歳女王のタイトルをつかんだ決め手はここでも上位にランクできる。京都外回りで豪脚を発揮で切れば復活のチャンスはある。