仙台放送から2005年にフリーランスとなった下田恒幸アナ。解説の戸田和幸さんとのコンビを「ゴールデンコンビ」と称する声も【YOJI-GEN】
実況と名フレーズは切っても切り離せないもの。1位に輝いたのは「ニャブリニャブリニャブリー」「田中順也の左足ぃぃ」「倉田の右足だ〜」「レバンドフスキ〜」と耳に残るフレーズが多い下田恒幸アナだった。絶叫系として知られるが、「絶叫するアナウンサーは嫌いだけど、一周回って下田さんは好き」というように、視聴者の好みを超越するほどの存在。「試合よりも実況が話題になるほど熱い実況で、下田さん目当てで見る試合もある」という賛辞も贈られた。
2位に輝いたのは、倉敷保雄アナだ。「優しいしゃべり方が好き」「柔らかな声が印象に残る」といった声音や、「ゴール後の『ゲットォ!』が好き」といったフレーズに関することだけでなく、「サッカーに詳しく、クラブマスコットやサポーターにも触れて、楽しい気持ちになれる」と、豊富な知識も高く評価されている。また、かつてのリーガ・エスパニョーラの実況の印象も強いようで、「倉敷さんと金子(達仁)さんのバルサ戦の実況は、こちらの知識欲が刺激されまくった」というコメントも見られた。
広島ホームテレビを辞め、1年の英国留学を経てフリーの実況者となった西岡明彦アナ。会社の社長、選手の仲介人といった顔も持つ【YOJI-GEN】
3位の西岡明彦アナ、4位の桑原学アナに共通するのは「落ち着いた実況が好き」「聞きやすい」といった投票が目立つこと。そのうえで、西岡アナには「スタジアムの雰囲気を感じてもらうためにあえて黙るところがステキ」、「『先制、アーセナル!』が好き」、桑原アナには「選手やチームに肩入れせず、フラットに実況してくれる」「選手の背景を熱心に取材している」という声が届いている。
フラットな桑原アナと対照的なのが、9位の北川義隆アナ。かつてローマに住み、熱狂的なロマニスタである北川アナには「偏愛、ダダ漏れ」という指摘があったが、それは批判ではなく、好意的に捉えられているようだ。もちろん、「選手の豆知識や試合会場の細かな情報まで教えてくれる」「イタリアの裏情報を教えてくれる」というように、セリエAファンからは圧倒的な支持を得ている。
5位の八塚浩アナは40代の投票を多く集めた。この世代が海外サッカーを見始めた頃、セリエA中継で実況を担当していたのが八塚アナだった。そのため、「WOWOWでセリエAを見てました!」「30年くらい前の八塚さんの実況のセリエAが懐かしい」というコメントが目立った。
さらに上の世代が投票したのが「実況のレジェンド」、元NHKの山本浩アナだ。85年ワールドカップ予選での「東京千駄ヶ谷の国立競技場の曇り空の向こうに、メキシコの青い空が近づいてきているような気がします」や、年メキシコ・ワールドカップでの「マラドナ、マラドーナ、マラドーナ! 来たー! マラドーナー!」の名セリフで有名な山本アナには、他にも「横浜フリューゲルス最後の試合である天皇杯決勝の最後のセリフに感動した」という声が寄せられた。
10位には山本アナよりも19歳も上、レジェンド中のレジェンドである金子勝彦アナがランクイン。「ネコさん」の愛称で知られる金子アナは、岡野俊一郎さん(故人)とのコンビで放送していた往年の名番組、「ダイヤモンドサッカー」の印象が強いようだ。「ダイヤモンドサッカーで育ったから」「金子さんと岡野さんの黄金コンビにワクワクしながら世界のサッカーを教えてもらった」というコメントが集まった。
山本アナの後輩にあたるNHKのアナウンサーでは、野地俊二アナ、内山俊哉アナ、鳥海貴樹アナがそれぞれ11位、14位、15位に入った。野地アナには「無駄のない言葉で的確に表現」、内山アナは「品が良く、絶叫してもうっとうしくない」、鳥海アナには「とても公平で優しい話し方がいい」という評価が聞かれた。
フリーのアナウンサーが上位を占めるなか、民放のアナウンサーとして票を多く集めたのがフジテレビの青嶋達也アナ。「熱いし、情報力がすごい」という評価だけでなく、「セリエAダイジェストやFOOTBALL CXのファンでした」というように、ナレーションを務めた番組の印象が強いようだ。
同じく民放で、テレビ朝日の進藤アナには「見ていて安心できるし、試合が数段面白くなる」という実況冥利(みょうり)に尽きるコメントに加え、「解説・松木さん&ゴン中山さん、ピッチレポート・名波さんの4人の声とともにする日本代表戦は自然と熱を入れて応援してしまう」と、4人が作り出す雰囲気を楽しんでいるファンもいるようだ。