ファンが選ぶ!ドラフト指名してほしい選手ランキング【2023年版】
記事
スポーツナビでファン投票を実施した「ファンが選ぶ!ドラフト指名してほしい選手ランキング2023」企画。応援しているチームにドラフト会議で指名してもらいたい選手を最大3人まで選んで投票してもらいました。
はたして1位に輝いた候補選手は!?
ランキング上位と解説コラムはスポナビアプリのみでご覧いただけます。
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解説
今年のドラフトは「大学生投手」が豊作と注目が集まっているが、ファン投票は意外な結果となった。ランキングを見ると、なんと高校生が上位6位まで独占。そしてトップ3には「高校生投手」が顔を並べた。
【連載】敏腕スカウトが評価!ドラフト上位候補は誰だ?
栄えある1位に輝いたのは大阪桐蔭高・前田悠伍(得票率29.37%)。最後の夏は甲子園出場を果たせなかったが、9月に行われたU-18ワールドカップの決勝(チャイニーズ・タイペイ戦)で見せた、日本を初優勝に導く完投勝利は強烈なインパクトを残した。高校1年生から注目され続け、今春の選抜で披露した圧巻の奪三振ショーもファンの脳裏に刻まれ2位以降に大差をつける投票結果となったのだろう。そんな前田に大阪大会決勝で投げ勝ち、大阪桐蔭打線相手に3安打完封勝利を収めた履正社高・福田幸之介(得票率12.10%)が2位に入り、3位には霞ケ浦高・木村優人(得票率10.50%)が続いた。今回、ドラフト上位候補選手の評価を明かしてくれた苑田聡彦スカウト(広島)と米村明スカウト(中日)も、福田、木村両投手の将来性を高く評価している。特に3位の木村に対しては口をそろえて「将来、二ケタ勝てる」と評価するほど。両投手に票を投じてくれたファンからも「将来性が高い」という意見が目立った。
4位も高校生が続き、野手としては最多得票となった広陵高・真鍋慧(得票率7.30%)がランクインした。「広陵のボンズ」の異名をとる真鍋は高校通算62本塁打を誇る超高校級スラッガー。パワーに目がいきがちだが、肩の強さ、守備力にも定評がある。プロの舞台で攻守ともにどう育っていくか想像するのが楽しみな逸材だ。5位、6位に入ったのは東海大菅生高・日當直喜(得票率7.13%)と享栄高・東松快征(得票率6.53%)の2投手。5位の日當は190センチと体格に恵まれ、今春の選抜では完封勝利でチームをベスト8に導くなどプロのスカウトもその実力を認める。米村スカウトは、大会後もトレーニングを積み、体を絞った日當を見て「さらに良くなっている」と目を細めた。6位の東松は、前田、福田に負けず劣らずの本格派左腕。プロ入り後も、世代最強左腕の称号をかけて3投手で切磋琢磨してほしい。
7位には、ここでようやく豊作と言われる「大学生投手」が登場。中でも目玉とされる青山学院大・常廣羽也斗(得票率6.33%)がランクインした。常廣は苑田、米村両スカウトともに「◎」の評価をつける即戦力右腕。すでに広島が12球団一番乗りで1位指名を公表し、何球団が競合するか見どころの一つだ。同じ東都大学リーグでしのぎを削ったライバル投手の順位を見ると、東洋大・細野晴希(得票率5.53%)が9位、中央大・西舘勇陽(得票率4.03%)が15位、國學院大・武内夏暉(得票率3.23%)が19位と20位以内に入っている。はたして「大学生投手」のドラフト1位は何人生まれるのか。
10位以内に入った残り2選手は、この夏の甲子園で2本塁打を放ち高校日本代表では4番も務めた履正社高・森田大翔(得票率6.10%)が8位、トップ10で唯一捕手の報徳学園高・堀柊那(得票率5.47%)が10位に入った。10位の堀は強肩の持ち主で、選抜の準決勝(大阪桐蔭戦)で見せた盗塁阻止シーンが目に焼き付いているファンも多いはずだ。一昨年の松川虎生(市立和歌山高から千葉ロッテ・1位)、昨年の松尾汐恩(大阪桐蔭高から横浜DeNA・1位)に続いて3年連続となる「高校生捕手」のドラフト1位の誕生なるか。
ドラフト1位候補の選手では、社会人No.1スラッガーの呼び声が高いENEOS・度会隆輝(得票率4.47%)が12位に入っている。度会に票を投じたファンからは「佐々木麟太郎(花巻東高)がアメリカの大学への進学を表明したことから、度会が野手の第一候補だと感じている」というコメントも寄せられた。実績十分の度会か、佐々木と双璧と言われる前出4位の真鍋か。強打者の獲得を狙う球団としては、即戦力をとるか、将来性をとるかで指名が分かれるだろう。この駆け引きも今ドラフトの注目ポイントとして挙げられる。
「大学生投手」を筆頭に、高校生から社会人まで逸材がそろう今年の「プロ野球ドラフト会議」。12人のドラフト1位指名選手が出そろうときはもちろん、2巡目以降のウェーバー方式による指名からも目が離せない。来シーズンに向けての補強戦略を各球団はどう考えているのか。10月26日(木)、その青写真が明らかになる。
(企画構成・文:川上元太/スリーライト)