夏の甲子園2022「出場校ランキング」 大阪桐蔭の対抗馬となるのは?
記事
お届けするのは、開幕が間近に迫った夏の甲子園に出場する49校の「チーム力ランキング」だ。主に地方大会の結果をもとに、「投手力」、「打力」、「機動力」、「守備力」、「選手層」の5項目に分けて各チームの実力を診断。1項目=10点満点で採点し、その合計値によって全49校をランク化した。(監修:松倉雄太)
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解説
第104回全国高校野球選手権大会が6日に開幕する。依然としてコロナ禍が続き、地方大会では多くのチームが何らかの影響を受けた。コロナ特例で認められる試合直前のメンバー変更をしっかりと活用したチームも多かった。
代表校も4つの学校が大会前のPCR検査で集団感染と判断され、初戦を一番遅い日程にするなど、まだまだ油断ならない状況だが、今年こそは49校が試合をして、48試合全てが開催されることを願いたい。
さて、センバツに繋がる秋季大会とは違い、夏の地方大会は代表校同士が対戦することはない。そのため、チーム間の比較は春以上に難しい。その中で代表に決まった注目チームや注目選手を見ていきたい。
秋の神宮、春のセンバツに続き3冠を目指す大阪桐蔭は、大阪大会7試合で失点がわずかに1。関大北陽、東海大大阪仰星、大阪電通大、上宮、履正社など打倒大阪桐蔭を掲げた府内の強豪と対戦してこの数字は「凄い」の一言だ。
大阪大会では3年生右腕の川原嗣貴と別所孝亮が4試合ずつを投げた。ともに1イニング数を大きく上回る奪三振を記録している。決勝で先発した2年生左腕・前田悠伍も、履正社打線を相手に付け入る隙を与えなかった。
センバツで見せた驚異の打撃力も、相手が強くなるほど威力を増す。他校にとって、大阪桐蔭の牙城を崩すのは容易ではないだろう。
対抗馬になるのは、春の近畿大会決勝で大阪桐蔭を破った智弁和歌山。1番・山口滉起(3年)と、3番・渡部海(3年)が和歌山大会で3本ずつ本塁打を放った。6盗塁を記録した2番の多田羅浩大(2年)の走力にも注目だ。
投手陣は昨夏の甲子園を経験した塩路柊季(3年)とドラフト候補の武元一輝(3年)が交互に先発。春の近畿決勝のように、この2人を後ろに残して、相手の目先を変えながらの継投がどこで見られるかも上位進出へのカギになりそうだ。開会式で優勝旗を返還する岡西佑弥主将(3年)は、「2週間後にまた受け取りたい」と連覇へ意気込む。
地方大会で機動力が目立ったのが仙台育英。5試合(不戦勝の1試合を除く)で24盗塁を記録した。中でも4番・齋藤陽(3年)が7盗塁をマーク。決勝でも無安打でチャンスを広げ、ヒット1本で得点したように、相手に嫌がられる走塁で甲子園を沸かせる。球速140キロ以上を多く抱え、選手層も分厚い。打倒・大阪桐蔭の筆頭格になれるか注目だ。
打の注目は高松商の1番・浅野翔吾(3年)。昨夏の甲子園でも本塁打を放ったスラッガーは、今夏の香川大会でも3本塁打と絶好調。変則の右投手相手には左打席で立つように、スイッチヒッターとしても魅力は十分だ。
肘の状態が心配された京都国際の左腕・森下瑠大(3年)は京都大会準決勝で初登板。決勝でも先発した。5月上旬以来の実戦登板とは思えない勝負強さを見せた。
センバツ準優勝の近江は、大黒柱の山田陽翔(3年)が滋賀大会22イニングで失点1と安定。3回戦の日程が一部変更された関係で、ライバル・大阪桐蔭とは準決勝以降でしか対戦しない組み合わせになったが、他の投手陣をうまく使いながら、悲願の頂点を目指す。
ここに挙げた選手以外でも、甲子園で大きく成長を遂げる選手がいるだろう。選手たちの一投一打に注目していきたい。
(文:松倉雄太)