今夜の競馬は佐賀ナイターだけ!1番人気が4連勝中も、万馬券も頻出の牝馬限定戦/佐賀競馬・大恵総合研究所佐賀支部
今夜、レースを開催している地方競馬場は佐賀のみで、20時50分までアツいレースが繰り広げられています。
その佐賀最終レースに特化したデータ分析を行うのが競馬リポーターの大恵陽子氏。
JRAと地方競馬の二刀流の彼女が、今夜も独自の視点から最終レース的中を目指します。
1番人気が4連勝中も、半数で3連単万馬券
競馬リポーターの大恵陽子です。
今日は珍しく地方競馬の開催が佐賀1場のみ。
ぜひみなさん、昼下がりから夜までたっぷりと佐賀競馬をお楽しみください。
さて、1場開催となれば、馬券検討もゆっくりじっくりできそう。
じっくりしたからといって的中率が上がるわけではないのが悲しいところですが、美味しいご飯を食べたりお酒を楽しんだりしつつ、焦らず過ごせるのはいいですね。
今夜の佐賀最終レースは「夜のウーマんチャンス」で「C2クラス」「1300m」という条件。
「夜のウーマんチャンス」とは、賞金下位から順に編成された牝馬限定戦です。
直近1年でのこのクラスでの「夜のウーマんチャンス」の成績は下表の通り。
(コースを1周する1300m以上)
ただ、これは直近1年がたまたまそうなだけで、範囲を1年半に広げると1番人気は【4、1、1、1】。
3着内率は85.7%と非常に高いので必ず押さえておきたいところですが、直近1年だけを見て1着固定にするのは早計かもしれません。
また、単勝3番人気以内が複数頭、3着以内に入ったのは4レース中2レース。(オレンジマーカー)
その場合は3連単は5000円未満に落ち着いていますが、他の2回は5番人気以下が2頭入ったことで万馬券になっています。
逃げは上位人気で上がり41秒以下
一方で逃げも1勝2着1回で、連対率50%。
2着以内に粘った逃げ馬2頭はともに上位人気に推されていたこと、また上がり3ハロンを41秒以下で粘れていました。
隠れた逃げ粘り馬に注目!
逃げ争いをしそうなのは④レディボレロ、⑩スマートアリア、⑫チャーモニウムあたり。
④レディボレロはワンターンの900mでも逃げられるスピードを持った馬。
一方で、コーナー4回の1300m以上となると過去2度走っていずれも勝ち馬から2.5秒差の6着で、1300mの今回は距離に不安が残ります。
⑫チャーモニウムも超短距離戦の900mで先行できる馬。
この距離なら逃げることも可能でしょう。
前走はゲート内での体勢が悪くて出遅れましたが、今回は大外枠のためおそらくゲートには最後入れ。
そうなれば、出遅れるリスクも低そうです。
ただ、こちらも1300m以上では大きく着順を落としており、距離延長の今回がどうか。
個人的に「隠れた逃げ粘り馬」と思っているのは⑩スマートアリア。
2走前はC2ドリームシリーズ(今夜と同条件の牡馬混合)で逃げるも上がり3ハロン44.8秒とパタリと止まって10着でしたが、注目したいのは昨年1月のレース。
今回と同じ佐賀ダート1300mで逃げて上がり3ハロン40.5秒で粘っていました。
着順こそ7着でしたが、勝ち馬からは0.8秒差と大きく離されていません。
「夜のウーマんチャンス」は逃げの好走率が高いものの、今夜は前者2頭が距離が長そうな印象のため、思い切って⑩スマートアリアを狙ってみるのもアリかも、と思っています。
持ちタイムも末脚も出走馬イチの1頭
ハイペースとなれば警戒したいのが差し馬。
「夜のウーマんチャンス」も直近1年で毎レース、6番手以下から差した馬が3着以内に入っていますから、注意が必要です。
そこで出走馬たちの上がり3ハロンを見ていくと、直近5走(1300m以上)で最も速い上がりを繰り出したのは③グラスピレ。
このクラスでは上がり3ハロン40秒を切る馬でさえ珍しい中、前走(1300m)は上がり38.6秒で差して5着でした。
ただ、このレースは2番手から運んだ勝ち馬も38.9秒の上がりを使っており、上がりが出やすいレースだった可能性も否めません。
それでも走破タイム1分26秒4は出走馬中最速。(直近5走において)
大恵総研でお馴染みの格言「ダート戦で持ちタイムは裏切らない」からも、狙いたい1頭です。
また、⑦ワンダーアレグリアも5走前に上がり3ハロン39.6秒で差して5着でした。
4歳でデビューを迎える良血
⑪フルールオンレーヴがそうで、同馬は3歳春にJRA美浦トレセンに入厩しコースや坂路で調教が行われたのですが、その後JRAを抹消。
4歳のこのタイミングで佐賀デビューとなりました。
ブリーダーズカップクラシックや高額賞金レースのペガサスワールドカップを勝ったGun Runnerを父に持ち、母の父はディープインパクトという良血。
佐賀競馬の場合、デビュー前に能力検査といって少頭数で模擬レースが行われ、基準タイム以内で走った馬が晴れてレースに出走できます。
この能検でのタイムが初出走馬の能力を計る一つの指標となっていて、それをまとめたのが下表。
今夜と同じく賞金下位から順に編成された「ドリームシリーズ(牡馬混合)」のうち3歳限定戦における能検タイムとデビュー戦の着順です。
ここから見えてくるのは、能検を1分30秒以下で走れていれば、デビュー戦から好勝負になるということ。
今夜は牝馬限定戦ですから、1分30秒台前半までは好走ラインと考えてもいいかもしれません。
⑪フルールオンレーヴは能検タイムが1分30秒3。
初戦からやれそうです。
では、気になる予想と買い目は?
園田・姫路から移籍初戦だった前走は向正面で先頭から約15馬身離れた後方にいながら、向正面半ばから長く脚を使って5着と見せ場たっぷりでした。
移籍2戦目の今回は馬場慣れや、序盤からもう少し前のポジションを取れる可能性もあります。
前走の走破タイムも上がり3ハロンも出走馬中最速(直近5走の佐賀ダート1300m以上において)で、軸として信頼が置けそうです。
⑩スマートアリアは佐賀競馬公式HPに掲載の無料ネット新聞「うまかつ.net」を見る限り、無印で人気薄となりそう。
大外の⑫チャーモニウムの出方によって運命が左右されそうですが、2番手外を取れれば面白みが増すのでは、と思います。
⑦ワンダーアレグリアは近走の上がり3ハロンが2番目に速い馬。
逃げ・先行争いが激化した時のために相手に入れておきたいです。
⑨シーヴェットはダッシュがつくタイプではなく、勝負所からもジョッキーが追って追ってという馬ですが、渋く伸びてくるのは魅力。
距離延長が不安も、アッサリ逃げ切り勝ちもありそうな④レディボレロ、そしてもちろん能検好タイムの⑪フルールオンレーヴまで。
買い目は荒れることを期待して、かなり手広くいきます。
3連単1頭軸マルチ
③-④⑦⑨⑩⑪ 60点
3連複や枠連などにアレンジしてもいいかもしれません。
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ