【これはnoteに投稿されたセイノさんによる記事です。】

1軍未勝利投手が「世界デビュー」！阪神の20歳サウスポー、門別啓人投手だ。メジャーリーガー相手に5回無失点。しかも一人の走者も許さないパーフェクト投球。開幕ローテーション入りへこれ以上のアピールはないだろう。プロ3年目の左腕は今季大きく成長しそうな予感がする。

門別投手は苗字のとおり北海道門別町（現・日高町）出身。ここは門別競馬場があり、馬産が行われている。

そして、ここから馬力のあるピッチャーが生まれた。門別投手は小学生時代に日本ハムファイターズジュニアに選ばれた。東海大札幌高校に進み、甲子園出場こそなかったが150キロをマークしプロ球団から注目を集めた。

2022年のドラフト会議。阪神からドラフト2位指名を受けて入団した。翌年のルーキーイヤー、1軍で2試合に登板。プロ初先発の試合では5回無失点と好投したが白星はつかなかった。2年目の昨季、1軍の5試合に登板したもののプロ初勝利を手にできなかった。

プロ3年目の今季。開幕1軍をめざして春季キャンプから躍動。新指揮官の藤川球児監督から「MVP」に選ばれる活躍ぶりだった。

そして3月15日の東京ドーム。メジャーリーグ開幕戦のために来日したシカゴ・カブスとプレシーズンゲームで相まみえることに。先発マウンドに門別投手が立った。

メジャーリーガーと戦える名誉。ここで好投すれば、さらなるアピールとなる。

門別投手は初回から押しまくる。2番の鈴木誠也選手には痛烈な当たりを放たれたがセンターフライに抑えた。3つの外野フライで三者凡退に。

二回は２つのショートゴロとレフトフライで三者凡退。三回、この回先頭のクルーアームストロング選手を外角ストレートで見逃し三振に斬って取ると、ファーストゴロ、サードフライ。外野に打球を飛ばさせなかった。

四回、鈴木選手を再びセンターフライに打ち取るなど三者凡退。そして五回、5番のショウ選手から空振り三振を奪うなどして三者凡退。5回を投げて無失点、しかもパーフェクト投球でマウンドを下りた。

1軍未勝利の門別投手が華々しく「世界デビュー」を飾った。4番に入った通算198本塁打のターナー選手。彼のプレーをメジャー中継で見ていた。そのような大物と対決できて、2打席とも打ち取った。「すごい楽しかった。素直にうれしい」と野球小僧のように弾んでいた。

門別投手の好投は開幕ローテーションへこれ以上ないアピールとなった。メジャーリーガー相手に完全投球ができた。今季はプロ初白星も手にできるはず。20歳サウスポー、門別投手の道筋は、はるか遠くまで明るい。

見出し画像：富澤友則