久保は先制点を演出するが、チームはマンチェスター・ユナイテッドに敗れる

レアル・ソシエダ
チーム・協会

【©︎RealSociedad】

ELベスト16で欧州での戦いを終える

 ヨーロッパリーグ(以下、EL)決勝トーナメントベスト16第2戦、ラ・レアル(レアル・ソシエダの愛称)はマンチェスター・ユナイテッドと対戦した。先週行われたレアレ・アレナでの第1戦では1-1で引き分け、両チームにベスト8進出の可能性がある状況でキックオフを迎えた。アレックス・ファーガソン監督が率いていた時代が終わり長く低迷期を過ごす名門は今季もプレミアリーグで現在14位で来季欧州大会出場のためには本大会での優勝によるチャンピオンズリーグ出場権獲得が”現実的な”目標となっている。

 直近4試合で未勝利と苦戦が続くラ・レアルは、この日のために週末のセビージャ戦で主力を温存しホームで敗戦。大きな代償を払ったチームがオールド・トラフォードでの一戦にかける想いは強い。久保は先発復帰し、序盤からエイデン・ヘブンへの股抜きを見せるなど調子の良さを見せた。そして6分、久保のパスを起点としたアリツのクロスに飛び込んだオヤルサバルがオランダ代表デ・リフトに倒される。VAR判定によりラ・レアルにPKが与えられ、オヤルサバルが冷静に先制点を決める。

 幸先の良いスタートを切ったラ・レアルだが、先制からわずか4分後、先ほどと似たようなシーンから今度はスベルディアがFWホイルンを倒しPKを与えてしまう。これを蹴るのは名手ブルーノ・フェルナンデス。レミロの逆をつくシュートで試合を振り出しに戻す。

 一進一退の攻防が繰り広げられる中、久保はドリブルで存在感を見せ、マンチェスター・U守備陣の脅威となり続けるが、同サイドのザークツィ、ドルグのコンビもラ・レアルの右サイドを押し込んでいく。拮抗した前半は1-1で終え、決着は後半へと持ち越された。

 後半ペースを握ったのはマンチェスター・U。ザークツィのシュートは守護神レミロが右手一本でセーブ。その直後、アリツがドルグをエリア内で倒してしまいこの日両チーム合計3度目のPKが与えられる。再びブルーノ・フェルナンデスが決め、リードを奪う。勝利のためには得点が絶対条件となったラ・レアルは56分にバレネチェア、トゥリエンテス、アランブルを投入、しかしこの交代からわずか7分後、ドルグへのファウルが決定機の阻止と判定されアランブルが退場となってしまう。

 窮地に追い込まれるラ・レアルだが、CBにスビメンディが入り数的不利の中なんとか持ち堪える。久保は76分にオスカルソンとの交代でベンチへと下がった。80分にはすでに警告を受けていたアリツに代わりトラオレが右サイドへ。この日ラ・レアルの右SBを務める3人目の選手となった。そのわずか4分後、再び主審がPKスポットを指すが、VAR判定によりトラオレによるドルグへのファウルはなかったとした九死に一生を得る。しかし86分、カウンターからブルーノ・フェルナンデスがハットトリックとなるゴールを決め万事休す。

 アディショナルタイムにはダロットが追加点を決め終わってみれば4-1と名門マンチェスター・ユナイテッドが格の違いを見せる結果となった。レフェリーの判断が大きく結果に影響を与えることとなった一戦となり、試合後も判定について主審に詰め寄るラ・レアルのイレブン。アウェイでの大敗もサン・セバスティアンから駆けつけた1500人のサポーターはチームの健闘を讃えた。

次戦は16日、公式戦6試合ぶりの勝利を取り戻すべくアウェイでのラージョ・バジェカーノ戦に臨む。
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著者プロフィール

レアル・ソシエダは1900年代初頭に創設され、2度のリーグ優勝と3度の国王杯を制したスペインの名門サッカークラブです。過去にはミケル・アルテタやシャビ・アロンソといった名選手がプレーし、2022年からは日本代表の久保建英が所属しています。

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