「赤色3号」の発がん性リスクは?食品添加物は本当に危険なのか
本記事では、「赤色3号」を中心に食品添加物の安全性について、医療法人社団 筑三会 筑波胃腸病院 理事長の鈴木隆二医師監修のもと、同病院所属の管理栄養士・西島理衣さんの意見を聞きました。
アメリカFDAが「食用赤色3号」を食用禁止に。赤色3号には発がん性がある?
ただし、この試験における発がん性の発生機序はヒトでは発生しないこと、他の動物やヒトの試験では同様の事象は見られていないため、「食用赤色3号の使用がヒトの健康に影響を及ぼすという主張は科学的に裏付けされたものではない」ともしています。
一部ではFDAの今回の判断は、食品添加物に厳しいロバート・ケネディ・ジュニア氏への忖度もあるのではという見方も出ています。
ちなみに消費者庁は、食用赤色3号の許容一日摂取量(※)は「0~0.1mg/kg体重/日」であると設定しています。
(※)人が毎日一生涯摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日あたりの摂取量
そして令和5年度の厚生労働省の調査において、日本人の1日あたりの食用赤色3号摂取量は「0.048%」とかなり少ないことが分かっています(※1)。
専門家の意見「健康に大きな影響を及ぼすリスクは低いが、日常的に多くなりすぎないように意識して」
赤色3号の安全性については、科学的に議論が続いています。
確かに、動物実験では発がん性が指摘されましたが、人間において同様の影響が確認されたわけではありません。また、日本の摂取基準を大幅に超えるような過剰摂取をしない限り、健康に大きな影響を及ぼすリスクは低いと考えられます。
ただし、添加物が含まれる食品を毎日習慣的に摂取することは望ましくありません。ハムやウインナー、かまぼこのような肉や魚の加工食品ではリンや塩分、菓子類や清涼飲料水には脂質や人工甘味料などの糖質を多く含むものもあるためです。
栄養バランスを考えれば、添加物そのものの影響だけでなく、食品全体の成分や摂取状況を総合的に評価することが重要です。
また、子どもや妊婦といった特に影響を受けやすい層にとっては、できる限り添加物の摂取を抑えることが望ましいでしょう。しかし、それを過度に恐れてしまうと、ストレスや食事の選択肢が極端に狭まる可能性もあります。
重要なのは、「適量を守りながら、バランスの取れた食生活を送ること」です。
結論として、赤色3号自体がすぐに健康被害をもたらすものではないものの、添加物を含む食品が日常的に多くなりすぎないように意識することが大切です。
加工食品と上手に付き合いながら、できるだけ栄養価の高い自然な食材を取り入れることで、健康的な食生活を維持することができるでしょう。
参考:食品や飲料の「赤色3号」使用、米FDAが禁止(https://www.cnn.co.jp/usa/35228317.html)
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