【人気アマが試打】HS38m/s・40m/s・42m/s・45m/sで打ち比べ!タイトリスト「GT1 ドライバー」

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タイトリストは、硬派なイメージや上級者が使うブランドというイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、レベルに合わせたモデルも発売されています。今回深掘りするのは、新作の「GT1」ドライバーです。

「GT」シリーズは昨年発売され、「GT2」「GT3」「GT4」と展開されています。同じ「GT」シリーズですが、「GT1」はターゲット層が異なり、非力な方やヘッドスピードの速くない方など、優しさを重視した設計になっています。

今回は、そんな「GT1」ドライバーをオレンジマンがヘッドスピード別に試打。その性能を深掘りしていきたいと思います。

「GT1」の基本スペック

まずは、GT1ドライバーの基本スペックからチェックしてみましょう。

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体積:460cc
ロフト角:9.0°、 10.0°、12.0°
ライ角:59°
クラブ長:45.5インチ
装着シャフト:Fujikura AIR SPEEDER Next Gen 40(R2、R、S)
グリップ:GP TV 360 LITE FLAT CAP GRIP(29g)
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こうして見ると、シャフトもグリップもかなり軽量なモデルが採用されていることが分かります。

Fujikura AIR SPEEDER Next Gen 40は、48.5g(R2)、49.5g(R)、50.5g(S)と、最近の純正シャフトに多い50g台のシャフトよりも5〜10gほど軽量です。

グリップは、他のモデルでよく装着される45〜50gのものが多い中、「GT1」には29gの軽量モデルが装着されています。

徹底的に軽量モデルに仕上げていることが分かりますね。この時点で、ある程度合うプレーヤーが限定されると言えるでしょう。

見た目で分かること

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ソールを見てみると、デザイン自体は他の「GT」シリーズと大きな違いはありませんが、形状に違いがありました。一番の違いは、ソール後方が盛り上がるようになっていて、後方の厚みを感じます。重心を下げる意味なのか、空力抵抗を抑える意味があるのでしょうか。

後方にはウェイトも装着されているので、球の上がりやすさがうかがえますね。おそらくこのウェイトは、別売りで重量違いのものが発売されると思います。

構えてみると、ヘッド形状は四角っぽく感じます。「GT2」や「GT3」のような洋梨型ではなく、ヒール側にボリュームをもたせた形状で投影面積は大きくなっていて、その分若干シャローにもなっています。

捕まりやすくするために、フェースアングルをクローズにするドライバーはよくありますが、「GT1」はスクエアに見えます。個人的にはクローズに見えるものは左へ引っ掛けるイメージが出るので、あまり好きではありませんが、「GT1」は構えやすさすら感じました。

フェースのトップラインもストレートに近く、フェースの向きが分かりやすいのも好印象ですね。

実際に打ってみた!

今回の試打は純正シャフトでの試打です。

・フレックスはSを使用。
・ヘッドスピードは38m/s、40m/s、42m/s、45m/sで打ち分け、ロフトは9.0°と10.0°の2種類を打つため、データは8種類のデータとなります。

それでは早速見ていきましょう。

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HS 38m/s(9°)
ボール初速が52.2m/sとまずまずの初速。スピン量は1982rpmで低スピン。打ち出し角度は18度とやや高め。飛距離は209yと少し物足りない飛距離性能でした。

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HS 38m/s(10°)
ボール初速が51.2m/sとまずまずの初速。スピン量は2103rpmでやや低スピン。打ち出し角度は20度と高め。飛距離は213yとまずまずの飛距離性能でした。


HS38m/sでは、スピン量が少なすぎることが原因でキャリー不足が起こり、飛距離を伸ばしきれませんでした。弾道も高弾道とは言えず、当たり方によってはドロップすることもあるのではないでしょうか。

もちろんシャフトの影響もあると思いますが、このヘッドスピード帯の方はフレックスR2やRを使用し、ロフト角は12.0°を使う方がいいと思います。

それでもヘッド自体のスピン量の少なさは多少なりとも影響するため、ヘッドスピード不足は否めません。

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HS 40m/s(9°)
ボール初速が54.5m/sと高初速。スピン量は2379rpmでやや低スピン。打ち出し角度は18度とやや高め。飛距離は228yと高い飛距離性能でした。

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HS 40m/s(10°)
ボール初速が54.3m/sと高初速。スピン量は2619rpmで適正値。打ち出し角度は19度と高め。飛距離は230yと高い飛距離性能でした。


HS38m/sと比べると、スピン量が増えて安定感が増しました。浮力を得ることで飛距離が伸びています。弾道も上がり始めて、キャリーも伸ばせています。捕まりも良いので、ナチュラルなドローが打てました。

それでもまだフレックスSは、ややオーバースペック気味に感じるので、このヘッドスピード帯ではフレックスR2かRで、ロフトは10.0°が合いそうですね。

あとは、自分の感覚と弾道を見て、スピン量が多めなら9.0°にしたり、フレックスをSにしてみたりするのも良いでしょう。

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HS 42m/s(9°)
ボール初速が61.5m/sと高初速。スピン量は2213rpmでやや低スピン。打ち出し角度は18度とやや高め。飛距離は249yと高い飛距離性能でした。

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HS 42m/s(10°)
ボール初速が60.9m/sと高初速。スピン量は2598rpmで適正値。打ち出し角度は19度と高め。飛距離は249yと高い飛距離性能でした。


今回の試打で一番理想的なデータだったのが、このヘッドスピード帯でした。初速もしっかりと出ていますし、打ち出しも高く高弾道が打てています。スピン量もロフトに合ったスピン量で安定していましたし、球筋も捕まったドローボールで安定していて飛距離性能も高いです。このあたりのヘッドスピードがメインターゲットになるのではないでしょうか。

9.0°と10.0°の違いはスピン量ぐらいなので、ご自身の弾道に合わせてシンプルに選べば良いでしょう。

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HS 45m/s(9°)
ボール初速が64.8m/sと高初速。スピン量は2210rpmでやや低スピン。打ち出し角度は17度とやや高め。飛距離は268yと高い飛距離性能でした。

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HS 45m/s(10°)
ボール初速が63.2m/sと高初速。スピン量は2712rpmで適正値。打ち出し角度は18度と高め。飛距離は262yとまずまずの飛距離性能でした。


ヘッドスピード45m/sでは明らかにアンダースペックなのは分かっていましたが、一応打ってみました。

が……、やはりチーピン連発ですね……。ヘッドというよりはシャフトの問題に感じます。ボール初速は速いのですが、これだけ左に巻いてしまうと、そのせいでスピン量が減っているだけで、あまり参考になるデータではありません。

そこで、シャフトを「GT2」などに使われているTENSEI 1K BLUE(S)を装着して打ってみました!

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HS 45m/s(9度)
ボール初速が64.3m/sと高初速。スピン量は2486rpmで適正値。打ち出し角度は18度と高め。飛距離は266yとまずまずの飛距離性能でした。


シャフトが変わると、まるで別のクラブになりました。ヘッド重量が軽量な分、クラブバランスも軽いためヘッドスピードは出しやすいですね。ただ、飛距離に関しては、やはりヘッド重量はある程度重い方が良いと思います。

それでもヘッド自体の捕まりは良いですし、球も上がりやすいのでとても楽なクラブでした。ヘッドのウェイトを重くしたり、鉛テープを貼ったりして少し手を加えれば、非力な方以外でも使えるクラブに感じました。

まとめ

今回の試打で感じたのは、HS38m/sまで落としてみると、意外と打ちづらいということです。ヘッド自体の低スピン性能もあってか、浮力となるスピン量が足らないため、飛距離は出せませんでした。

しかし、40~42m/sではとても打ちやすく、データ的にも理想的なクラブです。このヘッドスピード帯で、スライスに悩む方や、フェースアングルが被った見え方が苦手な方には合う方が多いでしょう。

さらにシャフトやヘッドのウェイト調整次第では、もっとヘッドスピードの速い方でも使えるクラブになると思います。

ヘッドはやさしく捕まり球も上がりやすいですし、スタンダードなモデルよりやさしいモデルを使いたい方にはぴったりのクラブだと思います。いろいろな可能性を感じるクラブでした。ぜひ参考にしてみてくださいね。

GTシリーズのドライバーもあわせてチェック

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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