「目立たないものを目立たせていきたい」。いまの自分を受け入れ、若武者が期す進化
リコーブラックラムズ東京 伊藤耕太郎選手 【ジャパンラグビー リーグワン】
登録ポジションはスタンドオフだが、けが人の影響もあり、今季はフルバックとしての出場が続く。
「スタンドオフからスライドする形で、僕がフルバックに入ることになりました。だから最初は悔しかった」と本音を明かす。
腹を括ったのは開幕戦の試合メンバーが決定したころのこと。「試合に出たくても出ることのできないメンバーが多くいる」とチームにコミットすることを決意した。
とはいえ、悔しさ募る瞬間は何度も訪れた。
第5節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦。中楠一期が出場できなかった試合で10番を任されたのは、スクラムハーフが本職のTJ・ペレナラだった。
「悔しかったです。自分の実力(不足)を認めるしかない」と唇を噛んだ。
リコーブラックラムズ東京 伊藤耕太郎選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
「タンバイ・マットソン ヘッドコーチからは『最後まで10番(での先発起用)と迷った』と説明を受けました。そして指摘されたのは、1対1のコリジョンとハードワーク。いまの自分に足りない部分を、映像を交えながら教えてもらいました。だからしっかりと受け入れて、次の練習から見返してやろうと。反骨心でアグレッシブに頑張っていきたい」と奮起する。
そう。フルバックでの出場が続いているが、スタンドオフを務める可能性がまったくない、というわけではないことを知った。
課題は明確だ。ディフェンス、それに尽きる。
「第5節終了後、エディー・ジョーンズ 日本代表ヘッドコーチとの電話ミーティングがありました。いまの課題は、ディフェンスでのコリジョン。でも自主練習のほとんどが、アタックメインの練習になってしまっていることを指摘されました」
だから、これからはディフェンスにもコミットしたい。ディフェンスで活躍する、アタッキングプレーヤーを目指したい。
「タックルやハードワークは、目立たないもの。目立たないものを目立たせていきたいです」
アタックとディフェンスの比重を変えながら、進化したいと決意を語る23歳はネクストステップへと踏み出した。
(原田友莉子)
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