JLPGA新しいヒロイン《97期生・小俣柚葉》
小俣 柚葉 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
おまた・ゆずは=2006年3月29日、東京都杉並区出身
幼少期からクラブを握って育ったツアープロは比較的多い。小俣柚葉もその一人だが、他の選手とはゴルフを始めたときの環境が異なる。というのも、実家が東京都杉並区にある「西荻ゴルフセンター」というゴルフ練習場なのだ。「物心がつくころにはもうクラブを振っていました」。プロゴルファーだった祖父が開いた練習場に、ティーチングプロの父親、米女子ツアーにも参戦した経験がある叔母とくれば、ゴルフは日常生活に溶け込んだ馴染み深いものでしかない。ある意味、ゴルフを始めたのは必然だったといえる。
その小俣が本格的にツアープロを目指したのは中学生になってからだった。「大会とか出ているうちにもっと上位にいきたいなと思い始めたのがきっかけです」。競技ゴルフの面白さを知り、その頂点がプロのトーナメントである以上、ツアープロになりたいと思うのは自然な流れだろう。もちろん、そう簡単にプロになれないことは十分理解している。今まで以上にゴルフに集中することを考え、高校は都内にあり、通信制でゴルフ部を有する代々木高に決めた。
通信制なら練習時間をより多く確保できるし、自分の好きなタイムスケジュールを組みやすい。しかも、自宅には60ヤードを打てる打席とバンカー、アプローチ練習場、パッティンググリーンがある。そして何よりも父であり、コーチでもある裕次朗氏がいるのだ。「確かに練習する環境はよかったと思います」。さらに、ラウンド練習として泊りがけで近県のゴルフ場へ行き、実戦感覚をつかんだ。その成果として、高校時代は栃木県女子オープン、東京都ジュニアを制し、全日本女子アマゴルファーズ選手権2位、日本ジュニア4位などの実績を残した。
小俣 柚葉 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
スイングを変えたことで、ショットの方向性が安定。昨年のプロテストでは通算1オーバーの14位タイで合格した。ただ、QTランキングが154位なので、今季はステップ・アップ・ツアーがメインとなる。明治安田ステップ・ランキング2位以内に入れば来年の前半戦出場権を得るが、まずは1勝できるようにベストを尽くす。そのためにもシーズンオフはスイングの完成度を少しでも上げてショットの安定感を増すこと、アプローチ、パッティングのショートゲームを磨くことが課題となる。
「ドライバーの飛距離も伸ばしたいので、トレーニングもしなければいけませんし、やること一杯で忙しいです」。96、97期には同学年が13人もいるという。その存在が励みにもなるし、負けたくない気持ちをさらに燃え上がらせる。将来は叔母である奈三香さんのように、米女子ツアーで戦いたい夢もある。ゴルフ一家に生まれた小俣がどのような成長曲線を見せるのか、要注目だ。(山西 英希)
小俣 柚葉 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】
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