イチローやダルビッシュも実践する「初動負荷トレーニング」を体験してみた|甘糟りり子のカサノバ日記

MELOS -メロス-
 アラフォーでランニングを始めてフルマラソン完走の経験を持ち、ゴルフ、テニス、ヨガ、筋トレまで嗜む、大のスポーツ好きにして“雑食系”を自負する作家の甘糟りり子さんによる本連載。

 今回は、イチロー選手やダルビッシュ有選手などが実践していることで知られる「初動負荷トレーニング」。以前からこのトレーニング理論に興味があったという甘糟さん、自宅近くの湘南エリアにオープンしたジムにお邪魔して実際に体験してきました(初出:2020年12月)。

※「初動負荷トレーニング」及び「B.M.L.T.カム®マシン」は、株式会社ワールドウィングエンタープライズの登録商標です。

筋肉は“実際に使えるか”がポイント

 辻堂にある初動負荷トレーニングのジムに行ってきました。

ワールドウィング湘南 【MELOS】

初動負荷トレーニングはイチロー選手がとり入れてその名前が知れ渡ったトレーニングです。専用のマシンで関節を細かく動かして、可動域を広げるもの、といったらいいでしょうか。

 イチロー選手を追ったドキュメンタリーで見たことのある方も多いと思います。あの、ガッシャーンガッシャーンというマシン。最近はダルビッシュ有投手もとり入れて、トレーニングの様子をYouTubeにあげてますよね。

 専用の機械は「B.M.L.T.カムマシン」といって、これを使って動作を開始すると筋肉が緩み、緩んだ筋肉がその後の運動に適切な負荷をかけ、それによって筋肉を緊張させることなく動かせる。私はそう理解しております。

 発案者はワールドウィングエンタープライズ社代表の小山裕史さん。辻堂にもそのワールドウィングのジムがオープンしたのです。

 広々とした明るい空間にはたくさんのB.M.L.T.カムマシンがありました。こちら、マシンとマシンの間隔をかなりとって設置してあるので、今時でも安心です。

 コーチングスタッフの和田哲志さんの指導を受けながら、初動負荷トレーニングを開始。

【MELOS】

 まずは股関節。私の弱点でもあります。ゴルフやランニングをした後のストレッチをサボると、すぐに硬くなってしまいます。

 立ち上がるのが辛かったり痛みが出たりして、後から慌ててほぐしたところで時すでに遅し。プロの手にかからないと、もとに戻せないことは多いんです。股関節の運動の前に前屈をするようにいわれました。私、わりと身体は柔らかい方なので、まあそう苦労もなく床に手がつきます。

 で、人生初の初動負荷トレーニング。大げさだけど。

 和田さんのお手本ではいとも簡単にマシーンに身体を収めていらっしゃるのですが、これがそれなりにむずかしい。バランスをとりながら、定位置に身体を持っていく感じです。ごくシンプルな動作を左右30回ずつ繰り返しました。

 たったそれだけなのですが、もう一度前屈をすると、前より楽々と床に手がつきました。なんというのか、身体がふわっとしているというか。驚きました。調子に乗りやすい私は56歳でもまだ進化してるんじゃないの? なんて思ったりして(笑)。目から鱗が落ちました。

【MELOS】

【MELOS】

 その後、下半身と上半身を交互にガシャーン、ガシャーンとやりました。イチロー選手の動画と同じ! いや、同じではないけど、かなり似てる。

痛いとか苦しいのは筋肉に良くない。大きくはなるけれど「使える筋肉になるか」は別の話

 和田さんのお話とトレーニングで学んだのは痛いとか苦しいのは筋肉に良くないということ。今まで筋肉は痛めつけて成長させるものだと信じてきました。それだと筋肉は大きくはなるけれど、果たして実際に使えるものかどうかということですよね。

 個人的な解釈ですけれど、使えない筋肉は錘になるわけですから、私にとっては必要のないもの。筋肉も叱るんじゃなくて、褒めて伸ばす! 違うか。

 マシンやフリーウエイトのトレーニングをすると、ついつい重さに達成感を抱いてしまうタイプです。顔を真っ赤にして、重いものを上げ下げしている自分に酔っちゃう。でも、それはその時だけの喜びです。反省しました。

 さて、初動負荷トレーニングは関係ないですが、辻堂のワールドウィング湘南はビルの6階にあって、窓からは相模湾が見渡せます。

 私が伺ったのは午後早めの時間でしたが、ここからの夕陽は絶品に違いない。筋肉も心もリラックスが一番。ガシャーン、ガシャーンとやりながら、そんなことを感じました。通っちゃおうかしらん。

<Text:甘糟りり子/Photo:編集部>
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