食べても食べてもお腹が空くのはなぜ?医師に聞いた5つの対処法

MELOS -メロス-
どうしてもお腹が空く時は、無理に我慢せず、太りにくい食品を賢く選びましょう。食べるものや食べ方を工夫することで、より満腹感を得やすくなり、無理なく食欲を抑えることにつながります。

あさひの森内科消化器クリニックの若山あみ先生が解説します。

【MELOS】

食べても食べてもお腹が空くのは、満足感が足りないのかもしれません。

本当はお腹がいっぱいでも何か食べたい。まだお腹が満たされないと思うときは、本当にお腹が空いているのではなく、満腹感を感じられていないだけの場合もあります。

お腹を満たすために効果的なことは「満腹感」を上げること!

その方法について、くわしく解説していきます。

対処法1 タンパク質を多く摂ろう

タンパク質は消化に時間がかかるため、満腹感が続きやすいです。

また、タンパク質は三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の中で一番脂肪に変わりにくい栄養素。だから炭水化物や脂質に比べて、たくさん食べても太りにくいといえます。

さらに、筋肉の材料になるため、太りにくく痩せやすい体づくりにも役立ちます。

対処法2 食物繊維をたっぷり摂ろう

無理なく食欲を抑えるためには、食物繊維もたっぷり摂るのがおすすめです。

食物繊維は野菜や果物、きのこ類、海藻類などに豊富です。噛み応えがあるものが多いので、少しの量でも満腹感を得やすいでしょう。

また、体内で消化されにくいため、腹持ちが良く、食べ過ぎ防止にも役立ちます。食物繊維自体にカロリーはないので、たくさん摂っても太りにくいのもうれしいポイントです。

対処法3 炭水化物は食物繊維が多いものを選んで摂ろう

炭水化物は太りやすいと思って避けている人もいるかもしれませんが、食事でしっかり満足感を得るためには炭水化物もきちんと摂ることが大事です。

満腹中枢が刺激される過程には血糖値が関わっていると言われていて、血糖値が上昇することで満腹感を得られます。そのため、炭水化物を摂らないと血糖値が上がらず、満腹中枢が刺激されにくいため、食べても食べてもお腹が空くというサイクルに。

炭水化物はすべてが太りやすいわけではないので、太りにくいものを選んで摂るのがおすすめです。

太りにくい炭水化物とは?

ポイントは、食物繊維が多いものを選んで摂ること。

炭水化物が太りやすいと言われるのは、炭水化物に含まれる糖が血糖値を急上昇させやすいため。

満腹感を得るためには血糖値を上昇させることも大事ではありますが、急激に上昇させてしまうと、それを下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されてしまいます。

インスリンは血糖値を下げる際に糖を脂肪に変える働きがあるため、大量に分泌されるとたくさんの糖が脂肪に変わってしまい、太りやすくなる原因に。

【MELOS】

そこで活躍してくれるのが食物繊維。糖の吸収を遅らせる働きがあるので、血糖値の急上昇を防いで緩やかにしてくれるのです。

血糖値の上昇が緩やかになることで、脂肪をつきにくくしながら満腹中枢を刺激して食欲を抑えることにつながります。

ご飯なら白米より玄米やもち麦、パンならライ麦パン、麺なら全粒粉麺など、精製度の低いものを選ぶと食物繊維が豊富なのでおすすめです。

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対処法4 良質な脂質を選んで摂ろう

脂質は三大栄養素の中で一番カロリーが高く、脂肪に変わりやすいので、太らないためにはなるべく控えるのがおすすめ。

でもその一方で、消化に9時間くらいかかるため、腹持ちが良いというメリットもあります。そのため適度に摂ることで、すぐにお腹が空くのを防ぐことにつながります。

脂質の中には“良質な脂質”と呼ばれ、一般的な油と比べて太りにくく、脂肪の燃焼をサポートしてくれるなど、健康やダイエットに役立つ脂質もあります。

良質な脂質が含まれる食べ物

魚やナッツ類、アボカドなどに含まれる脂質や、オリーブオイル、えごま油、アマニ油などです。目安は1日大さじ1~2杯程度にしましょう。

対処法5 よく噛んでゆっくり食べよう

よく噛むことで食欲を増進するホルモンが減少し、食欲を抑えるホルモンが増えるので、食べたい気持ちを抑えることにつながります。

また、満腹を感じるのは脳にある「満腹中枢」ですが、食べてから満腹中枢が刺激されるまでには時間差があるので、ゆっくり食べることで、少ない量でも満腹中枢が刺激され、満足感を得やすくなります。

さらに、「噛む」こと自体がカロリーを消費するので、噛めば噛むほどたくさんのカロリーを消費できるメリットも!
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