ストレス解消なら「泣く」と「笑う」、どっちがいい?専門家「どちらもメリット・デメリットがある」

MELOS -メロス-
涙を流してすっきりすることもあれば、心から笑って気持ちが晴れることもありますが、実際にはどちらがストレス解消に効果的なのでしょうか? 実はそれぞれメリットとデメリットがあり、状況や感情の種類によって使い分けることで、より効果的にストレスを軽減できます。

プロ野球選手やボートレーサーなどアスリートのパーソナルサポートを行う、株式会社脳レボ代表の川谷潤太さん監修のもと、解説していきます。

【MELOS】

悲しみや心のしこりがある場合には「泣く」

泣くことは、悲しみやつらい思い出を処理し、解放するのに役立ちます。泣くことで、心の深いところにある感情に気づき、心が軽くなる場合があります。

泣くことで、ストレスホルモンであるコルチゾールが低下するという研究結果もあります(※1)。

涙を流すことで過剰なストレスホルモンが除去され、副交感神経が優位に働くため、泣いた後には気持ちが落ち着く傾向があります。

また、泣く行為には心の緊張を解きほぐし、抑えていた感情を解放する作用があります。感情の解放(カタルシス効果)とも呼ばれ、これにより心のバランスが整い、泣いた後にすっきりしたと感じる人が多いです。

泣き続けることのデメリット

過度に泣き続けると、気分がかえって落ち込むこともあります。とくに、絶望感が強すぎる場合は感情をさらに掘り下げてしまい、悲観的な気持ちが続いてしまうことも考えられます。

ですので泣くことは一時的なストレス解消には効果的ではあるものの、長期的かつ根本的なストレス解消としては、不向きだと言えます。

(※1)泣きと涙の定量化と心身の健康に関する基礎的研究 - KAKEN

気分を変えたいときやリフレッシュしたいときには「笑う」

笑いは、ポジティブな気分を促進し、気分転換やリフレッシュに適しています。

笑うことは、ドーパミンやエンドルフィンといった「幸せホルモン」を分泌させるため、前向きな気分や気力が湧きやすくなり、ストレスの緩和にはとても効果的です。また、笑うことは心身の緊張をほぐすリラックス効果もあり、即効性のあるストレス解消法とされています。

痛みを和らげたり、免疫機能の向上高めたりすることも。笑いがナチュラルキラー細胞や抗体を活性化し、病気に対する抵抗力が増すという研究もあります(※2)。

また笑いはストレス耐性を強めるため、そもそもストレスが溜まりにくいという状態を作り出してくれます。

無理に「笑う」のも逆効果

つらいとき、笑いを無理に引き出そうとすると、感情を無視してしまいかねません。それにより心の疲れが蓄積されることにも。つらい状況でも「笑わなければならない」というプレッシャーがあると、逆にストレスになる場合もあります。

(※2)
受動的対処事態における自発的笑いの生理心理学的効果
笑いと身体心理的健康・疾病との関連についての近年の研究動向

泣く・笑う、どちらも「自分の本来の感情に正直でいること」が大切

「泣く」も「笑う」も、過剰になるとデメリットが生じる可能性があります。

よって、どちらも「自分の本来の感情に正直でいること」が大切であり、無理せず、自分が心地よいと感じる方法を選ぶ必要があるでしょう。
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著者プロフィール

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