河本力の姉・結さんに、JGTOは恩がある。
あれは9月のフジサンケイクラシックだった。

休暇を利用して、弟の応援に駆け付けた結さんは会場で、SNSの撮影スタッフの要請に快く応じて、JLPGAさんで大評判のインスタ企画「最強の選手を作ってください」の“パロディ版”に挑戦。

「ドライバー」にはもちろん飛距離自慢の弟を据えた「JGTO版最強選手」をみごと完成してくれた動画は男子ゴルフとしては異例の48万回もの再生数を稼ぐなど、盛り上げに大貢献してくれた。

気取らない人柄と、コロコロと転がるような楽しげな声と、クルクルとよく回る頭の良さが髄所に見える名回答ぶりに、撮影が終わるころにはスタッフみんながファンになっていた。

その結さんが、弟のキャディバッグを担ぐために、今季男子ゴルフのシーズン最終戦に来てくれるという。

初日のプレー後に、力は「今日のラウンドで『結ちゃんガンバレ』はたぶん100回は聞いた。でも『リキ、ガンバレ』は2、3回じゃないかな？」と、苦笑をしていた。

コースでのサポートも完璧。
前半2番から3連続ボギーを打ったが、結さんを支えに6番のイーグルで立て直すと、後半12番の第2打では、結さんの助言で8→9アイアンに持ち直してバーディ。

最後、屈指の18番パー3では、力はいちど5番アイアンを持ったが、結さんから前の17番の2打目で、だいたい同じ距離を打っていた4番アイアンを勧められて、素直にスイッチ。

狙いどおりにグリーン手前に置き、約2メートルに乗せると、きょうだいで仲良く読み切りパーセーブ。

「コースが難しいからこそ、難しいと思わせない努力をしました。防げるミスはすべて防いできた。脳みそフル回転してきました」と、頼もしい結さん。

「120％信頼しきっている。タッグとしては満点。すごく良かった」と、力も4打差の8位タイで終えた初日を大満足で振り返った。

力が、結さんのキャディをつとめた2019年の「アクサレディス」では最終日の朝、バッグを担いだ状態で転倒し、怪我をしながら結さんの初優勝をアシストした。

今度は弟を担ぎ上げ、「力の背中を押しながら、少しでも上位で盛り上げられたら最高かなと思います」と、意気込みを述べた結さん。

改めて、お礼を言います。
JGTOのSNSや、弟さんのキャディを通じて男子ゴルフのシーズン最終戦を盛り上げてくださって本当にありがとうございます。

2日目以降もまた、よろしくお願いします。