現代人は糖質を摂りすぎ?医師が推奨する糖質制限ダイエットとは

MELOS -メロス-
 健康志向が高まるなか、いろんな情報があふれる糖質制限ダイエット。やった方がいい、やらない方がいいなど、さまざまな論調があります。糖質は脂質、タンパク質と並び、人間に必要な三大栄養素の一つですが、それを制限するのはどうなのでしょうか。

 そこで今回は、ペインクリニック(痛み専門の治療)の医師で、食生活の改善・指導を積極的に治療にとり入れている清水泰行さんに、改めて糖質制限の基本からお話を聞きました。清水さんご自身、かつて食生活の乱れから体の不調に悩まされ、糖質制限ダイエットに取り組んで大幅減量に成功した経験をお持ちです。

【MELOS】

健康になりたいならまず糖質の摂取量を見直すべき

 糖質を摂ると急激に血中の血糖値が上がってしまい、それを下げようと常にインスリンが分泌されます。インスリンが常に分泌されていると、糖分をエネルギーとして体内に蓄えようとするため、太りやすくなってしまうのです。ダイエット目的で、糖質制限を行う人もいるかと思いますが、清水さんは、多くの現代人に糖質制限は必要だと言います。

「何百万年ある人類の進化の歴史のほとんどは飢餓との戦いでした。糖質を摂るようになったのはここ一万年のことで、米を食べるようになったのも、人類の長い歴史の中では最近のことです。そのため、糖質をたくさんとっても平気なようなメカニズムになっていないので、3食炭水化物を食べ、さらに間食で甘いものを摂ると、体に異変が起こってしまうのです」(清水さん)

 つまり、健康な人でも糖質制限をした方が、健康維持ができるというのです。既出の通り、糖質過多な生活は万病の元になりますが、だるい、突然のめまい、発汗、動悸、疲労感が起きる場合は機能性低血糖を引き起こしている可能性があります。機能性低血糖は、糖質を摂りすぎでインスリンが過剰に分泌され、血糖値が下がりすぎて低血糖になり、さまざまな不調が起きてしまうというものです。機能性低血糖はかかっていても健康診断で異常が見つからない場合もあるので、まずは糖質を摂りすぎていないか、自らの食生活を見直してみましょう。

糖質をカットしても、タンパク質や脂質をカットするのはNG

 糖質制限を行ううえで次のように意識したほうが良いと清水さんは言います。

「ご飯や麺類などを主食と考えるのをやめた方がいいですね。タンパク質や脂質は食事から摂る必要がありますが、糖質は体内で作ることができるので、基本的には必須ではありません。また野菜などにも糖質は含まれているので、あえて意識的に糖質を摂取する必要はありません」(清水さん)

 そこで気になるのが脳と糖質の関係。脳の栄養はブドウ糖と言われており、炭水化物を全く摂らないと集中力が低下してしまわないかが心配ですが……。

「脳のエネルギー源はブドウ糖だけではありません。糖質制限をするとブドウ糖の代わりにエネルギーとなるケトン体が出てきますが、これが脳の働きをサポートするので、問題はありません」(清水さん)
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