効率よく疲労回復できる眠り方「濃縮睡眠」とは。“理想の睡眠時間”に惑わされない!

MELOS -メロス-
「睡眠時間は1日〇時間」とよく聞きますが、つい寝る時間が遅くなってしまい、結局いつも寝不足。健康のために確保したい睡眠時間と、実際の睡眠時間には1時間以上の差があるという調査結果も(エマ・スリープ、全薬工業調べ)。または睡眠時間を確保できないとお悩みの人へ、注目の考え方があります。

睡眠セラピストの松本美栄さんが考案した「濃縮睡眠」というメソッドです。睡眠を濃縮する? 一体、どんなメソッドなのでしょうか。

【MELOS】

──さっそくですが、「濃縮睡眠」について教えてください。どんなメソッドでしょうか?

「濃縮睡眠」とは私が作った言葉で、入眠から2時間の睡眠の質を高めるという効率の良い睡眠法を指します。

──なぜ入眠2時間以内に質の高い睡眠をとる必要があるのでしょうか。

ふたつ、理由があります。

ひとつは、入眠から2時間、深い睡眠をとることで、効率よく成長ホルモンが分泌する点にあります。そのタイミングで出る分泌量は、1日の約50%になると言われているので、濃縮睡眠では入眠2時間を大切にしています。

もうひとつは、グリンパティックシステムと呼ばれる、深い睡眠をとったときに脳に溜まった老廃物を効率よく排除してくれる機能がよく働くという点です。

この2つの効果を得るために、入眠時から深い睡眠をとることが大切であるとしています。

──夜10時に眠ると成長ホルモンが分泌されやすいという「睡眠のゴールデンタイム説(シンデレラタイム)」は、なぜ生まれたのでしょうか? 近年まで信じられてきました。

はっきりと分かっているわけではないのですが、こうじゃないかと言われている説はあります。

1991年ごろに行われた睡眠と成長ホルモンの研究において、睡眠ホルモンの分泌量と就寝時間をチェックしたとき、研究対象者の入眠時間が22時ぐらいで、24時ごろに成長ホルモンが出ているという研究結果があります。

実は他の時間に寝ても成長ホルモンは分泌されていたのですが、当時のメディアが一部を切り取って伝えてしまったため、睡眠のゴールデンタイムとか、シンデレラタイムのような説が広まったのではないかと考えられます。

もちろん、その後の研究でも、何時に寝たとしても成長ホルモンは分泌されるという結果が出ています。
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