「マッチョは風邪を引きやすい」説、とある栄養不足が影響?管理栄養士が解説

MELOS -メロス-
筋肉の分解抑制効果や消化機能のサポート、免疫力アップ、傷の修復などに効果があるとされる遊離アミノ酸「グルタミン」。体内でも合成され、そのほとんどが骨格筋に貯蔵されています。体内貯蔵量全体の60〜70%を占め、筋肉の主要な構成成分となっています。

カラダの中に大量にストックされるグルタミンですが、ハードなトレーニングや風邪、ケガなど、カラダにストレスがかかったときにはグルタミンの必要量が急増し、体内で合成するだけでは間に合わなくなります。

このグルタミン不足、一部で噂される「筋トレを始めたら免疫力が低下した」「マッチョは風邪をひきやすい」などの説にも影響がありそうなのです。管理栄養士の佐藤樹里さんに聞いてみました。

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筋トレをはじめたけれど、免疫力が下がって風邪をひいた

「免疫力にも関与するグルタミンは、ストレス状況下では消費しやすく必要量が増加します。筋トレはカラダにとってはストレス状況下。つまりグルタミンを大量に消費します」(佐藤さん)

筋トレをはじめて免疫力が下がって風邪をひいてしまった……、そんな声も聴きますが、それはもしかしたらグルタミンが足りてないのがひとつの原因かも、と佐藤さん。

「グルタミンが不足すると筋トレ民にとってはたくさんのデメリットがあるので、しっかりと補給する必要があります」(佐藤さん)

グルタミン不足が生む筋トレ民へのデメリット

風邪をひきやすくなる
グルタミンはリンパ球、マクロファージ、好中球などの免疫細胞の重要なエネルギー源になります。

ハードなトレーニングによって免疫力は下がってしまうので、免疫力を下げないようにグルタミンが必要になります。風邪でトレーニングができなくなっては本末転倒。グルタミン不足に注意をし、コンディションを保つことが大事です。

筋分解が進む
筋トレなどによって消費されたエネルギーを作り出そうと、筋肉を分解してグルタミンを取り出してエネルギーの材料にしようとします。グルタミンのレベルを一定にしておくことは、筋肉の分解抑制をするために重要になるのです。

消化管機能が低下する
グルタミンは小腸粘膜のエネルギー源でもあり、腸粘膜の再生や腸管保護作用などにも有効な働きがあります。充足状態では小腸の粘膜が増大し絨毛が高くなりますが、少ないと粘膜は萎縮し絨毛の長さも短くなります。

つまり小腸のバリア機能が低くなることで細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きも低下し、せっかく摂った栄養素の吸収率も下がってしまいます。

体内のグルタミン不足が筋肉を分解するって、筋トレ民にとってこれは非常にマズイ状態!しっかりグルタミンを蓄えておかないとせっかくトレーニングしても効果なし……、ということになりかねませんね。
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