秋季東北大会、甲子園経験者が多い青森山田 タレント揃いの仙台育英を軸に展開か

高橋昌江

走攻守の全てがハイレベルの秋田商・菅原は投手も兼任

秋田商で注目されるのが、リードオフマンとしてチームを引っ張る菅原。守備位置はセカンドがメインだが、マウンドにも立ち、県大会では「1番」を背負った 【YOJI-GEN】

 昨秋の東北大会で4強入りしながら、今春センバツの一般枠「3」から漏れた一関学院(岩手)は、有力私学を破っての2年連続第1代表だ。

 投手は制球力のある左腕の佐々木遼(2年)、試合を作れる右腕・大下峻希(2年)、県大会で2試合に先発した鴫原光喜(2年)の3人が軸。攻撃は準々決勝、準決勝と二桁安打を記録しており、なかでも其田瑠生(2年)は打率5割とリードオフマンとして役割を果たしている。花巻東との県決勝で2ランを放った3番・古川俊介(2年)、広角に安打を放つ4番・青木航海(2年)、県大会からレギュラーを掴んだ小岩龍輝(2年)らも頼りになり、打線のつながりがある。

 初戦は大曲工(秋田)と山形中央(山形)の勝者と対戦する。山形中央の小坂楓(2年)は130キロ台中盤のストレートにチェンジアップも冴える大会屈指の左腕。県では5試合で34回2/3を投げて41三振を奪い、防御率は0.26だった。

 秋田商(秋田)は県決勝で23得点を挙げて19年ぶりに優勝した。

 菅原煌(2年)は165センチ・65キロと小柄ながら、走攻守にハイレベルなパフォーマンスを披露する内野手。県準決勝で完封するなど、投手としても大事な試合を任される。要所を締める堀野諒(2年)、長身右腕・鈴木学(2年)、そして菅原と投手層は十分で、攻撃では松橋希羅(1年)、金野暖(1年)、細部流導(2年)、齋藤亮汰(1年)もカギを握る。初戦で対峙する花巻東(岩手)は、新田光志朗(2年)、古城大翔(1年)、赤間史弥(1年)の中軸が迫力満点だ。

聖光学院はどこからでも点が取れる

 学法石川(福島)は5年連続の出場。昨秋は準決勝まで進み、33年ぶりのセンバツ出場を果たした。左腕・佐藤翼(2年)と大栄利哉(2年)のバッテリーが中心だ。

 その学法石川と対戦する久慈(岩手)は初出場の昨年に続いて東北大会に駒を進めてきた。小気味よい投球をする左腕・宇部奨人(2年)、強打の4番・和野虎牙(2年)、安打製造機の1番・宇部智也(2年)がキーマンだ。

 学法石川、久慈のどちらかを迎え撃つ鶴岡東(山形)は最長の6年連続出場。県大会では無失策と投手を中心とした守りが光る。

 開催地・福島の第1代表である聖光学院は県の初戦(2回戦)から4試合連続のコールド勝ち。打線はどこからでも打点を挙げられ、穴がない。決勝はタイブレークの延長10回、サヨナラ勝ち。伝統のしぶとい戦いぶりが健在だ。聖光学院に県決勝で敗れはしたが、東日本国際大昌平(福島)は9回に同点に追いついた戦いぶりを自信に3年ぶりの東北大会に挑む。

 その東日本国際大昌平とぶつかるのが、唯一の初出場校である東北学院榴ケ岡。左腕・佐々木健斗(2年)はテイクバックの大きな腕の振りが特徴で、ギアを上げた時のボールは一味違う。

 昨秋の東北大会で準優勝し、今春のセンバツに出場した八戸学院光星(青森)は、県5試合で無失点が1試合だけと失点は覚悟の上。3試合連続本塁打を放った久保諒之輔(2年)を中心に、打力でカバーしていきたい。

 初戦の相手である日大山形(山形)は本田聖(2年)、土田健琉(1年)、児玉寛大(1年)ら投手陣が崩れず、小川大智(2年)、渡邉知起(2年)の1・2番が打線の起爆剤となる。

(企画・編集/YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1987年、宮城県若柳町(現栗原市)生まれ。中学から大学までソフトボール部に所属。東北地方のアマチュア野球を中心に取材し、ベースボール・マガジン社発刊誌や『野球太郎』、『ホームラン』などに寄稿している。

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