一年中スーパーで見かけ、旬を迎える寒い時期には鍋で活躍する水菜。最近では歯ごたえのよさからサラダに使われることも多く、海外からも注目が集まっています。

そんな水菜には、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。あんしん漢方薬剤師・山形ゆかりさんが解説します。

100gあたりの水菜に含まれる主な栄養素と、その効果は以下の通りです。生の状態と茹でた状態の水菜、それぞれの含有量を見ていきましょう。

カリウム
・生の水菜　480mg
・茹でた水菜　370mg

カリウムは心臓機能や筋肉機能の調整のほか、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、血圧を下げる効果が期待できる栄養素です。

ビタミンC
・生の水菜：55mg
・茹でた水菜：19mg

ビタミンCは、骨や腱を結合するタンパク質であるコラーゲンの生成に必須の栄養素です。ビタミンCが不足するとコラーゲンが作られず、血管がもろくなります。

その他にも、ビタミンCは皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ作用を持ちます。ストレスや風邪に対する抵抗力を強める働きもあると言われています。

食物繊維
・生の水菜：水溶性食物繊維0.6g、不溶性食物繊維2.4g
・茹でた水菜：水溶性食物繊維0.8g、不溶性食物繊維2.8g

水溶性食物繊維は腸内でゲル状になり、便通を改善する働きをもちます。不溶性食物繊維は、腸内でかさを増し、腸を刺激することで排便を促進する働きがあります。

水菜は両方の食物繊維が含まれている食材のため、食べ過ぎなければ腸内環境の改善に役立ちます。

鉄
・生の水菜：2.1g
・茹でた水菜：2.0g

鉄は赤血球中のヘモグロビンの構成要素となり、酸素を運搬します。また、筋肉中に酸素を蓄えるミオグロビンの構成成分にもなります。不足すると貧血症状が現れます。

葉酸
・生の水菜：140μg
・茹でた水菜：90μg

葉酸は造血のビタミンとも呼ばれ、赤血球の産出をサポートする栄養素です。鉄同様に、葉酸も貧血症状を改善する働きを持つ栄養素ですので、不足すると貧血症状が現れます。

β-カロテン
・生の水菜：1300μg
・茹でた水菜：1700μg

β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持する栄養素です。前述のビタミンCと一緒に摂ることで、美しい肌を維持する効果が期待できるでしょう。

また、β-カロテンには細胞の老化を防ぐ抗酸化作用と、風邪やインフルエンザへの抵抗力を高める免疫賦活作用があります。

カルシウム
・生の水菜：210mg
・茹でた水菜：200mg

カルシウムは、骨や歯の構成成分となる重要な栄養素です。カルシウムが不足することで成長が阻害されたり、将来的に骨粗しょう症になったりするリスクが高まるでしょう。

その他にも、神経が興奮することを抑制したり、血液凝固作用を促進したりする働きもあります。