砂糖をオリゴ糖に変えるとどんなメリットがある?管理栄養士が解説
砂糖やはちみつと並んで、甘味料の選択肢としてピックアップされることが多い「オリゴ糖」。なんとなくお腹にやさしそう、便秘解消によさそうというイメージがあります。ここではオリゴ糖とはどんな食品なのか、あらためて見ていきましょう。
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Q.オリゴ糖ってどんな食品ですか?体にいいイメージがありますが、メリットやデメリットを教えてください。おすすめの使い方も知りたいです。
消化性のオリゴ糖は消化酵素によって分解されるため、カラダのエネルギー源として利用されます。一方で、難消化性のオリゴ糖は消化されずに大腸まで届くことで整腸作用や腸内細菌を増やすはたらきが知られています。
また、一口にオリゴ糖といっても種類は多く「フラクトオリゴ糖」「ガラクトオリゴ糖」「大豆オリゴ糖」「イソマルトオリゴ糖」「ラフィノース」などがあります。
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白砂糖(上白糖)は、主にサトウキビや甜菜の糖液を抽出し、遠心分離機にかけて糖液と結晶に分けたときの結晶部分のことです。分類で言うと白砂糖は主成分がショ糖ですので、消化性のオリゴ糖の一種となります。
オリゴ糖と白砂糖、どっちが太りやすい?
今回は「白砂糖」と「乳糖果糖オリゴ糖」(ラクトスクロース)という、消化性と難消化性の性質を持つものを比較します。
白砂糖のエネルギーは1g当たり約4kcalなのに対し、乳糖果糖オリゴ糖のカロリーは1g当たり約2kcalです。
また、甘さの度合いの指標となる「甘味度」は、白砂糖を100%とした場合、乳糖果糖オリゴ糖の甘味度は約30%です。白砂糖と比較すると、難消化性オリゴ糖はカロリー・甘さどちらも控えめと言えます。難消化性オリゴ糖の味はクセが少なく、甘さの質としても砂糖に近い上品な甘さが特徴です。
このことから、同じ量を摂るのであれば、白砂糖よりも難消化性のオリゴ糖のほうが低カロリーなので太りにくいといえるでしょう。
便秘解消にはどう?
先述のとおり、難消化性のオリゴ糖には整腸作用や腸内細菌を増加させるなど、いわゆる「おなかの調子をととのえる」はたらきがあります。
大腸に届いたオリゴ糖は、善玉菌であるビフィズス菌のエサとなり、ビフィズス菌を増やすのに役立ちます。
ビフィズス菌が増えることにより、ビフィズス菌が「有機酸」を生み出します。この有機酸が増えると腸内が弱酸性に傾き、腸内の悪玉菌の活動が抑えられ、結果的に便秘改善につながったり、ミネラルの吸収率がアップすると言われています。
便秘解消や腸内環境改善を目的とするのであれば、食物繊維や乳酸菌、発酵食品などと一緒に摂るのがオススメです。
発酵食品
味噌、ヨーグルト、塩麹、醤油麹、漬物、キムチ、チーズ、納豆、甘酒など
食物繊維を多く含んだ食品
ごぼう、さつまいも、こんにゃく、やまいも、大麦、オーツ麦、玄米、枝豆、海藻類、きのこ類など
とり過ぎに注意!
考えられるデメリットとしては「摂りすぎによる不調があらわれるおそれがある」「甘さ控えめのため、使用量が多くなる危険性がある」「砂糖と比べて高価である」などが挙げられるでしょう。摂りすぎると人によってはおなかにガスが溜まったり、おなかがゆるくなる可能性があります。
また、オリゴ糖の甘さが控えめということで、かえって使用量が増えてしまい、知らないうちにカロリーオーバーにもつながりかねません。さらに、砂糖の代わりとして日常使いする場合、金銭的負担が大きくなってしまうので支出面で注意が必要かもしれません。
摂取期間の目安はある?
期間については、個人個人のカラダの状態や腸内環境などにより条件が変わってくるため一概には言えません。
摂取期間だけでなく、日々の食事内容や体調(とくにおなかの調子)などを把握しながら数日〜数週間続けてみて、もし体調面で不調が現れるようなら、頻度を減らすか一旦中止して専門家に相談してみてください。
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