部活動は今後なくなっていく?学校での「働き方改革」は、部活動をどう変えるのか
いま、部活動が大きく変わってきています。青春時代、放課後に仲間と汗を流していた時間がなくなっていきそうなのです。実際に教育現場で長年指導をしてきた筆者が、これまでの部活動、そしてこれからについて考えてみました。
【MELOS】
部活動が変わるきっかけは「教師の過酷な働き方」
学校の働き方にも、OECD(経済協力開発機構)という国際機関の調査が入りました。
「学校の先生は長時間労働し過ぎで過労死レベルである。その1番の原因は部活動である」と明らかになり、働き方改革の学校版である「学校における働き方改革」を推し進めています。そのため、これまでの部活動のあり方を変えていくことになったのです。どのような変化が見られたのでしょうか。
「学校の先生は長時間労働し過ぎで過労死レベルである。その1番の原因は部活動である」と明らかになり、働き方改革の学校版である「学校における働き方改革」を推し進めています。そのため、これまでの部活動のあり方を変えていくことになったのです。どのような変化が見られたのでしょうか。
部活動は問題が山積み
部活動においては、以下のように他にも問題が山積みでした。
「指導できる先生がいない、少ない」
「土日も出勤しなくてはならず、家族との時間が持てない」
「顧問をやりたくなくても、やらなくてはならない」
「そのうえ、部活動手当ても少ない」
これら問題解消のため、学校側も「外部コーチを採用して、専門指導を提供できるようにする」「複数顧問制にして土日を交代で休めるようにする」など、さまざまな対策を講じてきました。しかし、うまく改善できていません。
たとえば、外部コーチを採用しても、外部コーチは民間企業に勤めている人であることが多いため、部活動の時間に行くことができません。そうなると土日に練習をまとめて行うことになり、土日の先生たちの出勤が増えてしまいます。
あるいは複数顧問制にしても、土日の練習には必ず誰かがついていなくてはならないでしょう。そのため、若干負担は減ったものの、土日の出勤はしなくてはならないです。
土日の活動については、制限することに決まりました。しかし、外部コーチを採用する策についてはどうでしょうか。
平日に来ることができる外部コーチもいますが、運動部の場合は活動場所を多くの部活動間で取り合っているため、少ししか活動できず効果が出にくいでしょう。
あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たず……という状況を繰り返してきました。
「指導できる先生がいない、少ない」
「土日も出勤しなくてはならず、家族との時間が持てない」
「顧問をやりたくなくても、やらなくてはならない」
「そのうえ、部活動手当ても少ない」
これら問題解消のため、学校側も「外部コーチを採用して、専門指導を提供できるようにする」「複数顧問制にして土日を交代で休めるようにする」など、さまざまな対策を講じてきました。しかし、うまく改善できていません。
たとえば、外部コーチを採用しても、外部コーチは民間企業に勤めている人であることが多いため、部活動の時間に行くことができません。そうなると土日に練習をまとめて行うことになり、土日の先生たちの出勤が増えてしまいます。
あるいは複数顧問制にしても、土日の練習には必ず誰かがついていなくてはならないでしょう。そのため、若干負担は減ったものの、土日の出勤はしなくてはならないです。
土日の活動については、制限することに決まりました。しかし、外部コーチを採用する策についてはどうでしょうか。
平日に来ることができる外部コーチもいますが、運動部の場合は活動場所を多くの部活動間で取り合っているため、少ししか活動できず効果が出にくいでしょう。
あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たず……という状況を繰り返してきました。
部活動のこれからは「地域との連携」がさらに進んでいく
この現代社会において、学校教育内で完結される部活動に限界が訪れているようです。そのためスポーツ庁から、これまでは限られた市町村でしか行われてこなかった「地域との連携」などをしていくよう通達が出されています。
これにより、地域のスポーツ団体や社会体育活動を行っている団体と連携していくこととなります。連携が整備され次第、部活動は徐々にそちらへと移行されていくでしょう。
そのことで子どもたちの世界は広がり、学校にある限定的なスポーツ種目からではなく、無限にある種目の中から自分にあったものを見つけて取り組むことができるようになっていく。そしてそれが、自己の確立へとつながっていくことになるでしょう。
筆者プロフィール
赤堀達也(あかほり・たつや)
1975年生まれ。静岡県出身。小・中・大学のバスケ部を指導し、小・大学で全国出場、公立中学でも強化私立を倒し県ベスト4に入り、年代を超えて指導実績を残す。最高戦績は全国準優勝。また新体力テストが最低水準の学校で県大会優勝、高校時代に日の目を見ない選手たちの大学で東海1部昇格するなど、独創的な理論・論理的な指導で選手育成に成功している。加えて幼児・高校の体育指導も行い、全年代の指導経験がある。現在は、2018年度より群馬医療福祉大学にて、新教育要領の「資質・能力の育成」に向け、主に幼児体育の研究・指導者アドバイス等を行う。また学校における働き方改革の部活動問題の解決に向け、部活動の外部コーチの傍ら、クラブを立ち上げ活動している。
これにより、地域のスポーツ団体や社会体育活動を行っている団体と連携していくこととなります。連携が整備され次第、部活動は徐々にそちらへと移行されていくでしょう。
そのことで子どもたちの世界は広がり、学校にある限定的なスポーツ種目からではなく、無限にある種目の中から自分にあったものを見つけて取り組むことができるようになっていく。そしてそれが、自己の確立へとつながっていくことになるでしょう。
筆者プロフィール
赤堀達也(あかほり・たつや)
1975年生まれ。静岡県出身。小・中・大学のバスケ部を指導し、小・大学で全国出場、公立中学でも強化私立を倒し県ベスト4に入り、年代を超えて指導実績を残す。最高戦績は全国準優勝。また新体力テストが最低水準の学校で県大会優勝、高校時代に日の目を見ない選手たちの大学で東海1部昇格するなど、独創的な理論・論理的な指導で選手育成に成功している。加えて幼児・高校の体育指導も行い、全年代の指導経験がある。現在は、2018年度より群馬医療福祉大学にて、新教育要領の「資質・能力の育成」に向け、主に幼児体育の研究・指導者アドバイス等を行う。また学校における働き方改革の部活動問題の解決に向け、部活動の外部コーチの傍ら、クラブを立ち上げ活動している。
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