EUROスペインから見るチーム力

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チーム・協会

【EUROスペインから見るチーム力】

【これはnoteに投稿されたまえだかつ 〈中小企業診断士〉さんによる記事です。】
パリオリンピックが開幕したところですが、
EURO2024は、見事にスペイン優勝!

スペインのサッカーといえば、華麗なパスワークでボールを支配しつつも、最後の決定力不足やらで。。

「あらら、今回も無敵艦隊じゃなかった」

そんな勝手なイメージが・・

ですが、今回は優勝という結果はもちろん、数字を見ても「無敵艦隊」にふさわしい内容。

・史上初の1次リーグから無傷の7連勝(PK戦もなし)
・総得点は15得点(EURO1996以降で最多)
・世界王者の経験ある強豪国イタリア、フランス、ドイツ、イングランドの4か国を撃破

強さの源泉は、各方面で議論があるんでしょうが、弱小サッカー部出身の自分は『チーム力(組織力)』を強く感じたところです。

チーム力のゴール

スペインもスゴイ選手ぞろいですが、圧倒的な個の力で局面を打開できるメッシやエムバペほどの超人選手がいるわけでもなく、

かつてのスペインの英雄、イニエスタやシャビほどのパスの出し手がいるわけでもない。

それでも、総得点15点を取り、すべての試合で勝ち切っているのは、交代選手も含めたチーム全体の強さが大きな勝因とも言えそうです。

そして、多くのゴールに派手さはなくても(フランス戦のヤマル(当時16歳)のミドルシュートは圧巻でしたが)、チームの連携で生んだシンプルなゴールが多かった印象。

例えば、決勝のイングランド戦の2得点のゴールをみても

1点目は、ワンタッチの質の高いパスが、右サイドのヤマルに入り、得意のドリブルを発動。そこへモラタとダニ・オルモの2人が、斜めに追い越してディフェンダーを引き付け、逆サイドでフリーで走りこんだニコ・ウィリアムズがシュート!

2人の選手がおとりとなってスペースをつくる見事な連携プレイ。

2点目は、サッカーの基本であるワンツーからのオヤルサバルのスライディングシュート!

基本のスキルと言いながらも、2人の長い距離のパス交換であり、ワンタッチでディフェンダーとキーパーの間をとおす鋭いピンポイントのクロス、と高い技術がつまった一撃。

途中から入った選手であっても、あれだけ高度な連携ができることにも驚きです。

ゴールは偶然の産物ではない

素人サッカー熱が出てしまいましたが(笑)

欧州でみれば、身体が大きくないスペインは、パス回しのティキ・タカなど、チームとして勝つための「考えるチームの追求」を感じます。

この「みんなで考えて連携しよう」スタイルの根底は、ビジネスにも活かせる共通点がありそうです。

①俯瞰する力

スペインは、フィールドを上から見渡しているかのように全体をみている選手が多い。だから、複数の選手が、二手、三手先までパスの行方をイメージして、ボールを運ぶストーリーがつくれる。

「鳥の目」のように、物事の全体像を見渡す視点。
目の前にある問題そのものに目が行きがちですが、全体を捉える視点、そしてその視点をチームとしても共通して認識すること、の大切さを改めて痛感します。

②選択肢をつくる

サッカーは「秒」で状況判断するスポーツ。フィールドでボールを持てば、すぐに選択を求められる。(おっさんになると、相手に寄せられると、あたふた、あたふた・・)

スペインの選手は「そこにパス通す?」といったアイデアが豊富。
これは、まわりの味方が動いてパスコースをつくったり、ドリブルしやすくしたり、チームが連動して選択肢を増やしているのも大きい。

ビジネスでも、意思決定の前に、多くの選択肢を作り出せるのは大事なこと。それをチーム全体で協力して選択肢を増やせるといいですね。

③みんながアイデア発想

決勝のゴールにしても「そんな距離感でワンツーするの?」という意外性のあるアイデア。でもボールを出したオヤルサバルは、ボールが来ると信じてゴール前に走りこむ。

ずば抜けた一人のファンタジスタがゲームをつくる試合も魅力的ですが、スペインのように、交代選手も含め、多くのプレイヤーがチャンスをつくれるアイデアを持っているのも素晴らしいですね。

仕事でも、エース社員に頼りすぎるのもリスク。プロジェクトごとに、誰もがリーダーになり、アイデアをだせるチームは理想です。

教えないサッカー

想像力が豊かで、チームでトライとエラーを繰り返しながら学べるアスリート。

そんなスペインの考えるサッカーがどこから生まれるのか。

ヒントを見つけたのが「教えないスキル」という本。

筆者は、スペインのクラブチーム「ビジャレアル」のU19世代のコーチングスタッフなどの経験を持つ指導者。
日本には、がんばらせる指導(教育)はあるけれど、自ら考えて創造したり、自分で判断できる力を養う指導(教育)がない、という点は印象的です。

一方、スペインでは、指導者は学びの機会を提供するファシリテーター

指導者は教えずに、選手が心地よく学べる環境を用意し、学習効果を高めるための工夫をする、という。

考える癖をつけることに重きを置き、考える余白をつくってあげる。
一方的なコーチングをせず、問いをつくることに心を砕く。
選手たちが「学びたい」と自然に意欲がわくような環境を整備する。
 「教えないスキル」


この「教えない」という考え方は、マネージャー職がチームやメンバーの育成を考えるときにも応用できそうです。

「うまく失敗できる環境をつくりだすこと」
リーダーやマネジャーがチームを強くするために意識したいところです。


最後に

思い返すと、前回のワールドカップ後は、決勝のアルゼンチン「メッシ」対 フランス「エムバペ」の興奮もあり、突出した個の力に圧倒されていました。

※リンク先は外部サイトの場合があります

今回のEUROのスペインは「チーム力の追求」が世界を征するとも感じます。

サッカーもビジネスも進化する。
「個の力」と「チームの力」の両方が必要とはいえ、「個よりチーム」か「チームより個」か、自分の脳内で議論が続きそうです。


さて、面倒な話はこれぐらいにして、、次の週末はボールを持って、子どもと公園に遊びに行こう。


おわり。
見出し画像:kiraku(きらく)

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