【トレイルランニングシューズレビュー】HOKA 「SPEEDGOAT 6 (スピードゴート 6)」

トレイルランナー JP

パワーと安定感を強化したマックスクッション・トレイルシューズのベストセラー

【写真提供:トレイルランナーJP】

HOKA(ホカ)の「SPEEDGOAT(スピードゴート)」は、厚底トレイルランニングシューズのベストセラーとして長年人気のモデルで、とくにロングディスタンスレースで高い使用率を誇ります。2年ぶりのアップデートで登場した「SPEEDGOAT 6」は、アッパーからソールまでフルリニューアルされています。

【写真提供:トレイルランナーJP】

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アッパーは新しいシングルレイヤーのテキスタイルを採用。前作ほどしなやかではありませんが、強度、ホールド力、耐久性も大きく向上しています。トウキャップとレースケージにはオーバーレイの補強、サイド部は内側から補強されています。

強度とホールド性が高いリサイクル素材のテキスタイルメッシュ。 【写真提供:トレイルランナーJP】

両サイドがソールと接続されたガセットタン。サイドの裏側には補強も見える。 【写真提供:トレイルランナーJP】

両サイドがソールと接続されたがセットタンは、極薄ながらしっかりしたテキスタイルに変更、さらにシューレースの圧が集中する部分に厚めのパッドを配置して当たりを緩和しています。

シューレースのテンションが最もかかる部分にパッドを配置。 【写真提供:トレイルランナーJP】

履き口のパッドはしっかりとしたボリュームがあります。ヒールエンドはとがったプルタブ仕様で、さらにループも追加されました。前作のヒールは手で潰せるくらいの柔軟性がありましたが、「SPEEDGOAT 6」ではしっかりとしたヒールカウンターで補強された頑丈な作りになっています。

履き口は狭く見えるが内部にはゆとりがある。パッドの量は十分で快適性が高い。 【写真提供:トレイルランナーJP】

ソールも一新されています。スタックハイトはフォアフット35mm、ヒール40mm。ドロップは5mmです。ソールの横幅も変更されています。フォアフット部は変わらないものの、ミッドフット部で約3mm、ヒール部では約4mm狭くなっています。

ミッドソールのフォームにはCMEVAを採用しました。CMはコンプレッション モールデッドの略で圧縮成型されたEVAのこと。エネルギーリターンと耐久性に優れているのが特徴です。

ラグの配置や方向を変更。肉抜き部分がつながって長い溝になったのも変更点。 【写真提供:トレイルランナーJP】

アウトソールは前作と同様のビブラム メガグリップでラグの高さは5mm。ラグの側面に段差をつけてマイクロラグと呼ばれる小さなラグがついているのも前作同様です。相違点はラグの配置場所と方向、そしてアウトソールの肉抜きの場所です。「SPEEDGOAT 6」ではフォアフット部の肉抜き箇所をつなげてフレックスグルーブの役割も兼ねる作りになっているようです。

厚底の割にソールの柔軟性がある。フレックスポイントは後ろ目。 【写真提供:トレイルランナーJP】

足を入れてみた印象は、前作と同様でトウボックスが少し細身な印象。ミッドフットからヒールにかけては、シューレースを通すハトメの間隔が広くなり、さまざまなボリュームの足に合わせやくなっているように感じました。

実際に走ってみた印象は、はじめのうちはアッパーが硬く感じましたが、少し距離を踏むと足に馴染んできてよくフィットしてくれました。アッパーの素材変更による剛性のアップは明らかで、トレイルで足が左右に傾いたときの安定感が格段に向上しています。

(手前)「SPEEDGOAT 6」。(奥)「SPEEDGOAT 5」 【写真提供:トレイルランナーJP】

ロッカー形状はフロント部分が少し強くなっているようで、自然に前に進める印象。ミッドソールのクッションは前作よりもしっかりめでエネルギーリターンも強く感じられ、テンポ良く走ることができました。

ミッドフットからヒールにかけてはソールの幅が絞り込まれているため、着地スペースが狭い場所でも軽快な足さばきができますが、前作よりもラグが端まで張り出しているため、接地幅はそれほど変わらず、安定感やグリップへの影響はないようです。

ラグの側面のとがっている部分がマイクロラグだ。また、ラグがミッドソールより外側に張り出している部分もある。 【写真提供:トレイルランナーJP】

定評があるグリップは最新モデルでも健在です。あらゆるサーフェスでしっかりと路面に食いついてくれますが、噛みすぎないように適度に力を逃がしてくれるため、疲れずに走れるのも大きなポイントです。



「SPEEDGOAT」の人気の理由はロングディスタンスでもダメージが少ないソフトなクッションと、どんな局面でも発揮されるグリップ性能だと思います。

最新モデルの「SPEEDGOAT 6」は、その性能を維持しながら、パワーと安定感を強化しよりアグレッシブさを増しました。今後の進化の方向性を示唆したモデルチェンジとも言えると思います。

【写真提供:トレイルランナーJP】

SPEEDGOAT 6
(スピードゴート6)
・価格:¥24,200(税込)
・展開:Women’s(22.0–25.0cm・1色・232g/25cm)ソールスペック:オフセット5mm/ヒール38mm/フォアフット33mm
Men’s(25.0〜29.0, 30.0cm・1色・278g/28cm)ソールスペック:オフセット5mm/ヒール40mm/フォアフット35mm
※Men’sはワイドサイズあり
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