筋トレ民はなぜ「ブロッコリー」と「鶏むね肉」を食べるのか。管理栄養士が解説

MELOS -メロス-
 ボディビル大会に出るようなマッチョから、ほどよく筋肉がついた細マッチョ、あるいはメリハリのついたボディラインを維持する筋トレ女子まで。筋トレをする人々がよく食べている食事メニューといえば「ささみ」「鶏肉」、「ブロッコリー」。

 なぜ筋トレ民はこれらの食材をヘビロテしているのか。筋肉がつく食べ物なの? ムキムキになる栄養素が入っているの? それとも脂質、糖質、カロリーが低いから? そんなギモンを深堀りしていきます。

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ブロッコリーが筋トレに人気なのはなぜ?

 ブロッコリーがトレーニーに愛される理由を、数々の健康・栄養本の監修をつとめる管理栄養士の赤石定典さん(東京慈恵会医科大学付属病院栄養部)に聞いた。

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 「それはやはり、ブロッコリーがほかの野菜に比較して、筋トレに必要な栄養素が多く含まれているから。しかも筋肉を育てるにも有効な成分を含んでいます」と赤石さん。なかでも筋トレに効果的な栄養素は以下の3つで、これが人気の理由とのこと。

[1] ビタミンB1とビタミンB6、ビタミンCが豊富
[2] 野菜の中ではタンパク質が多い
[3] 男性ホルモンのテストステロンが含まれている

 含まれる栄養素の多さから「野菜の王様」と呼ばれるブロッコリー。食物繊維やビタミン類、葉酸、鉄分やカリウム、マグネシウムなどのほか、筋肉に不可欠なタンパク質は野菜の中でみてもかなりの含有量を誇り、100gあたり4.3gも含む。さらにビタミンCでは、レモンが100gあたり100mgなのに対し、ブロッコリーは100gあたり120mgでレモンよりも多い。

 そして筋トレをするトレーニーたちがブロッコリーを食べ続ける最大の理由は、赤石さんも3つめにあげているが、ジインドリルメタンとI3C(インドール-3-カルビノール)という成分が含まれていること。これはアブラナ科の野菜に含まれる成分で、女性ホルモンのエストロゲンを抑え、男性ホルモンのテストステロンを増強する働きを持つ。

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 筋トレをするとこのテストステロンが増え、男らしさが強調されるといわれている。つまり、筋力の発達を抑えたり脂肪をためやすくして女性らしさを高めるエストロゲンが減り、逆に男らしさを高めるテストステロンが増えることでカラダが筋肉の発達しやすい状態になるというワケ。

 これは筋トレ女子にも同様で、女性ホルモン優位で筋肉のつきにくい女性は、筋トレ前にブロッコリーを食べることで筋肉がつきやすい状態に整える効果が期待できる。ブロッコリーはまさに、筋トレするトレーニーのための野菜だ。

栄養素から考えた筋トレ×ブロッコリーのメリット

 生のブロッコリー可食部100gあたりの主な栄養成分は、以下のとおり。低カロリーで高タンパクなうえ、多くの栄養素がバランスよく含まれている。

▲生のブロッコリー可食部100gあたりの主な栄養成分(科学技術庁資源調査会編「五訂日本食品標準成分表」の数値をもとに作成) 【MELOS】

このほかにビタミン類では、糖分を分解するビタミンB1、脂質の分解をサポートするビタミンB2、筋肉を合成させる栄養素のビタミンB6も含まれる。これらは筋トレするトレーニーにとって欠かせない栄養素だ。

 また、骨を育てるカルシウムが多いのも筋トレには必須。骨には筋肉を動かす働きもある。しかし、カルシウムの取りすぎは高血圧などの原因となる「カルシウムパラドックス」状態を引き起こすことも。これを解消するには、マグネシウムをカルシウムと一緒に摂取するのが効果的なのだが、ブロッコリーにはマグネシウムの含有量も多く、まさにパーフェクト!

 ブロッコリーは可食部とされる房(つぼみ)の部分だけではなく、茎(芯)も房同様に栄養があり、ビタミンCは房よりも多く含まれるほどで、茹でても失われにくいのが特徴。さらに注目の成分のスルフォラファンが含まれているが、これは解毒作用を高めて有害物質を体外に排出させる効果がある。むくみを抑え、引き締まったカラダやアンチエイジングに有効で、胃がんの原因になるピロリ菌を殺菌する効果も。マッチョは健康にも気を遣うのである。

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